コンセルトヘボウ管のページ
1950年代の録音
モノーラル篇おおよそ1940年代までは78回転SP盤ということで、それらはさまざまな会社からさまざまな形態でLPやCDに復刻されています。つまり、現時点で整理しようにも何がなんだかよく分からない…というのが実情です。すみません。フィリップス・レーベルも、まだ誕生していない時代です。
1950年頃からLP用の録音が始まり、この辺りからなんとか把握できるようになってきます。1953年まではベイヌム指揮によるデッカ録音が大半で、フィリップスへの録音はケンペンやヨッフムが担当。デッカとの専属関係はやはりオーケストラよりも指揮者の方が強かったのでしょう。ベイヌムのデッカ録音にはSP時代のレパートリーの再録音もけっこうあるようで、またベイヌム以外ではエーリッヒ・クライバーやヨゼフ・クリップスらの録音が見られます。なお、すでに述べましたようにコンセルトヘボウ管弦楽団のフィリップス初録音は1951年5月、ケンペン指揮によるチャイコフスキー「交響曲第6番」でした。
そして1954年にベイヌムがデッカからフィリップスに移籍したらしく、5月のブラームスやドビュッシーの録音を皮切りに、以後はすべてフィリップスへの録音となります。いよいよコンセルトヘボウ管弦楽団とフィリップスとの密接な関係がスタートしました。この時期は、ベームがモーツァルトとR.シュトラウスを録音している以外、指揮はすべてベイヌムのようです。カタカナで表記するとよく似た名前の二人です。
ステレオ篇
コンセルトヘボウ管弦楽団の最初のステレオ録音は、各種カタログ掲載の「フィリップス物語」には1957年5月録音のベイヌム指揮のブラームス交響曲第4番と記されています(写真 左)。しかし他のデータによるとこの曲の録音は1958年3月となっていて、1957年5月に録音されたのはドビュッシー集(写真 右)。いきなりつまづいてしまいました。ベイヌム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団のステレオ録音はLP9枚分あるようですが、全部の確認はできていません。
1957年12月にはジョージ・セルとのセッションが持たれています。1959年にはロベール・カサトジュのバックとしてベイヌム指揮でなぜかコロンビアに登場。コロンビア専属のカサトジュがフィリップスに何かを録音したバーター、という事情でもあったのでしょうか。1959年にはアンタル・ドラティ、ジャン・フルネ、ヨッフム、そしてハイティンクがコンセルトヘボウ管弦楽団の録音を開始します。
ハイティンクの記念すべき初録音は9月、ドヴォルザークの交響曲第7番とスラヴ舞曲集です。「ダッチ・マスターズ」シリーズでCD化されています。
(An die MusikクラシックCD試聴記)