コンセルトヘボウ管のページ

作曲家篇 ブルックナー

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ボタンアントン・ブルックナー

 コンセルトヘボウ管弦楽団とブルックナー(1824-1896)との結びつきは、マーラーと比較すると、どうもさほどのことはないのではないでしょうか。HPの記述にしても、

ブルックナーは管弦楽団のレパートリーの欠くことのできないもう一つの部分である。第二次大戦後、フランスの作曲家の音楽とブルックナーの交響曲を管弦楽団にもたらしたのはエドゥアルド・ヴァン・ベイヌムだった。リッカルド・シャイーによる演奏会やCDによって、コンセルトヘボウ管弦楽団はブルックナーの解釈の革新へ向けた重要な段階に移ってきている。

とあるだけで、これならわざわざ特筆するようなことではないような気もします。これはやはり、ホールの音響効果も含めたオーケストラの個性がブルックナーの音楽によくマッチしている、という側面が大きいのでしょう。マーラー同様、初期の来日公演でもたいていプログラムに加えられていたレパートリーでもあります。

CDジャケットCDジャケット 録音歴ですが、ベイヌムのものはやはり少なく、最近ボックスセットとしてまとめられた第5・7〜9番の4曲があるだけのようです(写真左)。ただし第7番はSP時代の録音もある模様。ここでも、1963年からあしかけ10年をかけて完成されたハイティンクによる交響曲全集が、最初の重要な成果(写真右)です。ハイティンクは第0番や「テ・デウム」も録音しているほか、第7〜9番は再録音もしており、さらに第7番についてはNMクラシックスから出ている放送音源ボックスセットに1972年のライヴ録音が収録されています。一般的にはマーラー同様、1980年代に開始され中断されたままになっている新録音シリーズ(こちらはウィーン・フィル)の方が評価の高いハイティンクのブルックナーですが、「伝統の」コンセルトヘボウ録音はやはり重要で、その伝統をシャイーが受け継いているところもマーラーと同じ。1988年から開始されているシリーズは現在までに第2・4〜6・9番の5曲が録音されていますが、シャイーはその直前までに第0・1・3・7番をベルリン放送響と録音しているため、コンセルトヘボウ管弦楽団としての全集化はなさそうです。他の指揮者では、ヨッフムによる第5番、アーノンクールによる第3・4番、といったところがあります。


(An die MusikクラシックCD試聴記)