コンセルトヘボウのCD

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CDジャケット これはもう、先ほどからライナー・ノーツを参照しまくっている『アムステルダム、コンセルトヘボウの響き』(フィリップス,1991)がマストです。「世界の五大ホールの響き」というシリーズ中の一枚で、ちなみに他の四大ホールはウィーン・ムジークフェライン、ボストン・シンフォニー、ベルリン・フィルハーモニー、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス。フィリップスならではの企画だと思わず納得してしまいますが、クレジットされているジャケット等のデザイン関係者がすべて日本人という点等から類推するに、このシリーズはおそらく日本フォノグラム社による日本独自企画と思われます。後に再発売されていますが、初出盤は文字やイラストが虹色に輝く特殊印刷の施された紙ケースに入っていました。3枚買うとプレゼントされたという「世界のコンサートホール・オリジナル・グッズ」というのが気になるところであります。

 曲はいずれも既出盤からの抜粋で、以下の通りです。
1)R.シュトラウス:アルプス交響曲〜冒頭(1985,ハイティンク)
2)スメタナ:モルダウ(1986,ドラティ)
3)ベートーヴェン:エグモント序曲(1985,ハイティンク)
4)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番〜第1楽章(1981,ダヴィドヴィッチ/ヤルヴィ)
5)シューマン:交響曲第3番〜第1楽章(1981,ハイティンク)
6)マーラー:交響曲第4番〜第4楽章(1983,アレグザンダー/ハイティンク)

 これが1991年時点のザ・ベスト・オヴ・コンセルトヘボウというわけでしょうが、すべてデジタル録音というのがこのシリーズの特徴の一つだったようですので、1970年代末期の名録音もアナログというだけの理由で選曲対象外とされたものと思われます。
 その他にコンセルトヘボウに縁が深いCDとしては、こういったものがあります。

『バッハ:マタイ受難曲/アーノンクール指揮』
(テルデック,1985)

 アーノンクールはウィーン・コンツェントゥス・ムジクスと1970年にこの曲を録音していますが、それとは別のライヴ盤です。コンセルトヘボウにおけるマタイの伝統にちなんだ演奏会のライヴということで、ジャケットはコンセルトヘボウのファサード写真です。

CDジャケット『ベートーヴェン:交響曲全集/ハイティンク指揮』
(フィリップス,1988)

 ケース表面にはコンセルトヘボウのファサードのイラストが金色であしらわれ、その下に"100 YEARS CONCERTOGEBOUW ORCHESTRA"と記されています。コンセルトヘボウ創立100周年記念盤は、実はこれだったのです。ブックレットの表紙は大ホールのバルコニーに立つハイティンクのポートレートで、目次の次に出てくるのが新旧二枚のコンセルトヘボウの外観写真。新の方をよく見ると、前述しましたホワイエ増築部分を確認できます。そしてブックレット内側にはハイティンク&コンセルトヘボウのCDカタログ。これらの付加価値は、日本語ライナーノートに掲載されているハイティンクへのインタビュー共々、後にスリムケースで再発されたバージョンにはおそらく入っていないものと思われます。貴重です。

『ベートーヴェン:交響曲第9番/ハイティンク指揮』(フィリップス,1981)

 上記の全集以前に録音されたライヴ盤で、CDではベートーヴェンの胸像のジャケットですが、初出LPはコンセルトヘボウのファサードをあしらったデザインでした。レコ芸付録『レコード・イヤー・ブック'82』ではそうなっています。ところが当時のフィリップスのカタログに掲載されているジャケットは、同じレコード番号なのに大ホールの内観写真となっており、どちらが正しいのか、二種類存在していたのか、真相は謎です。
 またジャケットだけなら、例えばコンドラシンの一連のライヴ盤のLP(国内盤は1984年5月発売)は、ファサードのペディメントとその上にそびえる金の竪琴がアップでとらえられています。こういうタイプは他にもあると思われます。

CDジャケット『ムソルグスキー:展覧会の絵ほか/シャイー指揮』
(デッカ,1987)

 これはフランクの交響曲に次ぐシャイーのコンセルトヘボウ録音第2作だったのですが、首席指揮者の就任に合わせて発売されたのでしょうか、ジャケットは左半分がコンセルトヘボウ大ホールのバルコニーに立つシャイーのポートレート、右半分が美しくライトアップされたコンセルトヘボウのファサードの夜景写真で、コンセルトヘボウがアピールされています。このアルバムはラヴェルが編曲したドビュッシーの小品2曲と「展覧会の絵」に「ボレロ」を加えた「ラヴェル作編曲もの」というコンセプトなのですが、それを象徴する写真がブックレット裏側に掲載されています(外盤)。大ホールバルコニーに埋め込まれた"RAVEL"のプレートの真後ろに座ってポーズをとるシャイーのポートレートがそれでして、まさにコンセルトヘボウならではの洒落た趣向といえましょう。

 デッカではもう一枚。

CDジャケット『マーラー:交響曲第4番&フランク:交響詩プシュケ/ベイヌム指揮』
(デッカ,1988)

 ジャケットにコンセルトヘボウのイラストが金で大きく印刷され、左上には竪琴マークと「100 JAAR CONCERTGEBOUW ORKEST」の文字。デッカ版の100周年記念盤です。ライナー・ノーツにはコンセルトヘボウ管弦楽団の歴史も。このCDのみが記念盤なのか何枚かあるシリーズの中の一枚なのか、詳細は不明です。


(An die MusikクラシックCD試聴記)