コンセルトヘボウ管弦楽団のCD

文:青木さん

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 コンセルトヘボウ管弦楽団の録音歴は<レコーディング>を参照していただくとして、ここではコンセルトヘボウ管弦楽団そのものがテーマになっているCDをいくつか挙げます。

CDジャケット

○『コンセルトヘボウの名指揮者たち』(3枚組,フィリップス,1992)

 オビに書かれたコピーを転載しますと、まず見出しが《50年代から70年代にかけてコンセルトヘボウを振った偉大なる指揮者たちのかけがえのない名演》となっていて、続く本文はこうです。

 《このアルバムには、1950年代から70年代にかけて、コンセルトヘボウを振った6人の偉大な指揮者たちの全盛期の名演が集められています。1888年に創設されたコンセルトヘボウは、オランダ随一のオーケストラであるばかりでなく、世界のビッグ・オーケストラの一つ。これは、いま2世紀目に入るコンセルトヘボウ管弦楽団の、世界に誇るサウンドを培ってきた歴史をひもとくアルバムです。》

 これだけ読むと、1988年の創立100周年に合わせた記念盤のようにも思えますが、そういうものとは違います。たとえばシカゴ交響楽団が1990年に創立100周年を迎えた際、RCAは"THE CENTENNIAL COLLECTION"と題された3枚組のCDを発売しましたが、これはマーキュリー音源まで流用して14人の指揮者の音源を集めて100年の歴史を概観した、まさに記念盤にふさわしい内容となっています。さらにシカゴ響は自主制作という形で、放送音源(一部はこれもマーキュリー音源)を使用した12枚組のボックス・セット"THE FIRST 100 YEARS"というものまで制作しています。

 こういったものと比較すると、このアルバムは100年のうちの30年分、ベイヌム・ケンペン・モントゥー・セル・コンドラシンが各1曲にべームが2曲の計7曲のみ。メンゲルベルクもヨッフムもハイティンクも登場しません。シカゴ響のそれとはそもそも異なるコンセプトであることは明らかです。ではどういう主旨で編集されたものなのか。残念ながらよくわからないというのが本音であります。しかしジャケットにCONCERTGEBOUW ORCHESTRAと大書きされているということで、一応採り上げました。

 ジャケットにROYAL CONCERTGEBOUW ORCHESTRAの大活字が踊るCDをもう一枚。

○『3大オーケストラによる名演奏』(フィリップス,1996,非売品)

 これは「BEST 100」という廉価シリーズを10枚購入するともれなくプレゼントされた景品でして、他はウィーン・フィルとベルリン・フィル。これがフィリップスにおける3大オーケストラというわけでしょうか。ジャケットにはそのオーケストラ名と指揮者名が書かれているだけ。コンセルトヘボウ管弦楽団の担当はハイティンクとアンタル・ドラティです。実物を入手していないので曲目等は不明ですが、おそらく音源はすべて既出のものでしょう。この手の企画盤でコンセルトヘボウ管弦楽団がテーマ(あるいはテーマの一つ)となっているものは他にもあるかもしれません。そんなものでもコレクションの対象とするのが真のマニア? ちなみに1998年の「定盤」シリーズの景品CDは…

○『モーツァルト:交響曲第33番(リハーサル)/ヨゼフ・クリップス指揮コンセルトヘボウ管弦楽団』(フィリップス,非売品)

 こ、これはまことに貴重な激レア盤であります。こういうものまで集めなければならないとすると、高く険しいイバラの道である「コンセルトヘボウ管弦楽団コンプリート・コレクション」の完成は、ますます遠ざかってしまう一方です。(おことわり:わたし自身がそのような大それた野望を抱いているわけではありません。あしからず)

 

(An die MusikクラシックCD試聴記)