コンセルトヘボウ管のページ
放送音源等
近年、マイナーなレコード会社によって、ラジオ局等が所有している放送用の音源がCDに復刻されるというケースが増えているようです。コンセルトヘボウ管弦楽団に関しては、地元オランダのNMクラシックスから出ているボックス・セットがまず挙げられるでしょう。ハイティンクとベイヌムの二種類があり、前者が14枚組、後者が11枚組+1DVDという大ボリュームです。
またフランスのTHARAもなぜかコンセルトヘボウ管弦楽団の音源発掘に熱心で、ヨッフムやカレル・アンチェル、オットー・クレンペラー指揮のライヴ録音がいろいろと出ているだけでなく、フィリップスやデッカの音源まで(ライセンスを取得して)復刻しているほどです。
これらはいちおう正規盤のようですが、そうでないCD――いわゆるブートレグ――も、世間には流通しております。そういうものには原則として手を出さないようにしてきましたが、どうしても聴きたくて買ってしまったこの一枚。
○バルトーク:管弦楽のための協奏曲+弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽/ショルティ指揮(1992,1994年ライヴ録音、CD−R)
これも放送音源なのでしょうか、オーディエンス録音ではない立派な音質。そして期待を上回る壮絶&完璧な演奏。すごいです。
最近増えている大手レーベルのライヴ録音は経費削減のための「スタジオ録音の代用」という性格が強く、複数公演の音源やリハーサルの録音など多くのテイクをいろいろ継ぎハギしてミスを修正したり拍手を消したり、いろいろな加工が施され完成度が高められています。しかしこの手のブートレグはそうではない未加工の純正ライヴ録音でしょうから、逆に演奏会におけるコンセルトヘボウ管弦楽団の真の実力がそのままパッケージされていると考えられるわけでして、そういう意味では興味深いものです。
(An die MusikクラシックCD試聴記)