不道徳なミュージカル「シカゴ」を楽しむ

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 シカゴ サウンドトラック

CDジャケット

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
レニー・ゼルウィガー
リチャード・ギア
EPIC(国内盤 EICP 196)

  1. Overture/And All That Jazz
  2. Funny Honey
  3. When You're Good to Mama
  4. Cell Block Tango
  5. All I Care About
  6. We Both Reached for the Gun
  7. Roxie
  8. I Can't Do It Alone
  9. Mister Cellophane
  10. Razzle Dazzle
  11. Class
  12. Nowadays
  13. Nowadays/Hot Honey Rag Medley Title
  14. I Move On
  15. After Midnight
  16. Roxie's Suite
  17. Love Is a Crime

    曲名は国内盤でも和文にされていないため、原文のまま記載した。


 

 「シカゴ」はアカデミー賞を6部門で受賞したという話題のミュージカル映画である。内容は不道徳というべきか、不埒というべきか、子供にはあまり見せたくない内容である。冒頭にはいきなりベッドシーン。しかもそれは不倫で、主人公(ロキシー)は間男を撃ち殺す。その後は汚い言葉がいくらでも出てくる。しかも、殺人という犯罪を起こした主人公は、マスコミを味方につけ最終的には無罪を勝ち取る。全くふざけた内容である。

 しかし、映画としては上出来である。不道徳なくせにこんな面白い映画はない。その上、音楽がすばらしい。映像抜きであっても完璧に鑑賞に堪える。

 このサントラ盤には、映画に使われなかった曲も収録されているが、映画に採用された曲はさすがによくできている。特に冒頭に登場する「Overture/And All That Jazz」は傑作である。歌っているのはキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。CDジャケットの右側の女性である。映画では彼女の踊りも見ることができ、その演技にしばし釘付けになる。「All That Jazz」を熱唱する姿はこの映画の白眉といってよく、この映画の豪華な印象を決定づける。かっこいい。迫力満点。

 このサントラ盤はこの1曲を聴けるだけでも十分に価値がある。それなのに、他にも優れた曲が詰め込まれている。「Cell Block Tango」「Nowadays」などがそうだ。主人公のロキシー(レニー・ゼルウィガー)の声はマリリン・モンローを彷彿とさせるほど色気たっぷりで面白い。

 映画にはあのリチャード・ギアが悪徳弁護士として登場する。もちろん歌を歌っているが、サントラ盤を手にするまで私は彼本人が歌っているとは夢にも思わなかった。アメリカの役者は芸達者なものよ、と感心する。

 

 ところで、「All That Jazz」をウテ・レンパーが歌ったCDがあるはずなのだが、廃盤になっているらしい。これは是非聴いてみたいものだ。

 

(2004年4月10日、An die MusikクラシックCD試聴記)