「デイヴィスの『エロイカ』を聴く」
文:飯守 邦也さん
ベートーヴェン 交響曲 第3番 「英雄」
エグモント序曲
サー・コリン・デイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデン
録音1991年2月27〜3月3日
PHILIPS(国内盤 PHCP-20234)
コリン・デイヴィスの風貌はいかにもロマンス・グレー(今は真っ白のようだが)のイギリス紳士。その風貌から穏健堅実な演奏だろう想像してしまう。
実際CDに耳を傾けると穏健堅実なんの変哲もない演奏が展開された。しかし聴き進むと,じわじわとデイヴィスの情熱が伝わってくるではありませんか!?
そう!穏健堅実なのは表面的,うわべ,うわっつらだけで、その内部には、とてつもないエネルギーが漲っていたのである。
そして一旦それ感じたら最後,次から驚きの世界の連続である。メロディー美しさに驚き,オケの表現力に驚き,躍動する音楽に驚く!
マジ!?コリン・デイヴィスって,こんな実力者だったのか!?
これを聴くと次に巨匠に祭り上げられるのはコリン・デイヴィスに違いない!と思ってしまう。しかし,ドイツ人でないから無理であろう・・・・
2002年2月25日掲載、An die MusikクラシックCD試聴記