ベートーヴェン 交響曲7番 2つの録音
文:Hampayさん
フルトヴェングラー氏 ウイーンPO 1951年
私はこれで7番が好きになりました。最初に聞いたときの印象は実に強烈でした。20年以上昔のことで、当時、私の再生装置は「ラジカセ」のようなものであったため、録音がよかろうが、悪かろうがあまり関係なかったという事情があります。
再生装置の性能が向上して、続々登場する演奏との録音の差は覆いがたくなっていますが、それでも自分の頭のなかで勝手に録音の補正をかけて、楽しんでいます。
これを「生」で、せめて鮮明な録音で聞けたら・・・・・本当にすさまじいものになるか、意外にそうでもなかったりして・・・。
ムーティ氏 フィラデルフィアO 1988年
ところで、上記のフルトヴェングラー氏での録音に対するフラストレーションを埋めてくれるのがこのムーティ氏の録音です。
ベートーヴェンの交響曲に、ムーティ氏とフィラデルフィア管という、なんとなくミスマッチな感じのするコンビに興味を引かれて買ってきたものです。
とても元気な演奏で気に入ってます。具体的にうまく説明できないのですが、先のフルトヴェングラー氏のものと通じるような、全く関係ないような対比も楽しみの一つです。
余談になりますが、第4楽章で、ホルンが強奏される部分があります。私はどうにも、それが嫌で(屁の音みたいに感じてしまうので)、そこで興ざめしてしまう演奏が多いのですが、そこを上品に演奏してくれている点は上記の2録音に共通です。
2002年2月20日掲載、An die MusikクラシックCD試聴記