トスカニーニ指揮の「展覧会の絵」を聴く
〜初めて買ったCD(たぶん)

文:としちゃんさん

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CDジャケット

TOSCANINI CONDUCTS MUSSORGSKY,DUCAS & R.STRAUSS
ムソルグスキー:展覧会の絵
録音:1953年1月26日、カーネギーホール
デュカス:魔法使いの弟子
録音:1950年3月19日、カーネギーホール
R.シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
録音:1952年11月4日、カーネギーホール
トスカニーニ指揮NBC交響楽団
RCCD-1009

 私が現在所有しているCDを、ざっと計算すると約400枚。学生自分から数えると、ずいぶん売り飛ばしてきたのでおそらくは1,000枚は買っているはずだ。

 では、最初に買ったCDは何だったのだろう?(管理人様はじめ、皆様はいかが?)

 私が買った一枚目のCD。それはトスカニーニ指揮NBC交響楽団による『展覧会の絵』だった(たぶん)。

 高校時代、東京の小平市で寮生活をしていた時に買ったこのCD。まだ自分の手元にあるということはいまだに手放せない「何か」があるのだと思う。

 高校の吹奏楽部で3月の定期演奏会の曲目に『展覧会の絵』(抜粋)を選んだ私達は、いろいろなレコードやテープ、CDを聴きまくった。金管が痛快無比なショルティ=シカゴ盤、きっちりまとめた感じのデュトワ=モントリオール盤、流麗で聴き応えがあったメータ=ニューヨーク盤など、皆それぞれのお気に入りの演奏に心を奪われたものだった。OBが持ってきたテープにチェリビダッケの演奏があり、あっけにとられたのも懐かしい!(最後、聴衆がとまどいながら徐々に大拍手をする様子が異様だった(^^♪

 私がトスカニーニ盤を買ったのは、特に理由はなかった。鷹の台駅近くの小さなCDショップにあったのを大枚(当時3,500円)はたいて買ってみたのだ。そしてその演奏は私も、部の仲間をも、圧倒したのだった。

 バーバ・ヤガのトランペットのアクセントは、この盤でしか聞いたことのないもの。「パーラッ・パッ・パーララッ・パッパー…」なんじゃこりゃ!

 そしてキエフの大門の終結部。最終和音が十分に引き伸ばされて終わる演奏ばかり聴いてきた私には衝撃だった。インテンポ、いや、むしろアッチェレランドされて怒涛の如く演奏は終わる。すごすぎる。

 聴くところによるとこのRVC盤が、一番音が良いらしい。これも偶然。このCDに導かれるようにして未だにクラシック音楽は私の心の財産だ。

 

2004年2月10日掲載、An die MusikクラシックCD試聴記