シュターツカペレ・ドレスデン 2009年来日公演の概要

(文:青木さん)

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シュターツカペレ・ドレスデン2009年来日公演

 

指揮:ファビオ・ルイジ

<川崎公演>
日時 2009年4月25日(土) 15:00開演
会場 ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目 R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
   ブラームス:交響曲第4番
料金 S:\28,000/A:\23,000/B:\18,000/C:\13,000/D:\8,000
発売 2008年12月21日

<大阪公演>
日時 2009年4月26日(日) 15:00開演
会場 ザ・シンフォニーホール
曲目 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
   R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
   R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」(原典版)
料金 A:\22,000/B:\18,000/C:\14,000/D:\10,000
発売 2008年11月23日

<名古屋公演>
日時 2009年4月27日(月) 18:45開演
会場 愛知県芸術劇場コンサートホール (第32回名古屋国際音楽祭)
曲目 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
   R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
   ブラームス:交響曲第4番
料金 S:\23,000/A:\19,000/B:\15,000/C:\11,000/D:\8,000
発売 2008年12月4日

<東京公演1>
日時 2009年4月29日(水・祝) 14:00開演
会場 サントリーホール
曲目 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
   R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
   R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」(原典版)
料金 S:\29,000/A:\24,000/B:\19,000/C:\14,000/D:\9,000
発売 2008年12月21日

<東京公演2>
日時 2009年4月30日(木) 19:00開演
会場 東京文化会館 (都民劇場音楽サークル第567回定期公演)
曲目 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
   R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
   ブラームス:交響曲第4番
料金 S:\27,000/A:\22,000/B:\17,000/C:\12,000
発売 2009年2月25日

<東京公演3>
日時 2009年5月1日(金) 19:00開演
会場 サントリーホール
曲目 R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
   R.シュトラウス:アルプス交響曲
料金 S:\29,000/A:\24,000/B:\19,000/C:\14,000/D:\9,000
発売 2008年12月21日

 

 

 カペレとルイジ、待望の日本公演。カペレのサイトによりますと、今回は” Guest concert in Vienna / Tour of Asia”と題された一連のツアーになっています。

 その日程を見ると、まずはウィーンのムジークフェラインザール、4月20日と21日です。次が25日の川崎なのでその間は移動日なんでしょうが、400キロほど離れたドレスデンへいったん戻るのかオーストリアから日本に直行するのかは不明。25日から5月1日までが上記の日本ツアー。一日置いて3日と4日が香港、6日が上海、7日は北京、9日と10日はソウル。3週間に14公演となっています。

 その中で演奏されるのは、R.シュトラウスを中心とする純ドイツ・プログラムです。日本公演で採りあげられる6曲のほかに、「ブルレスケ」「四つの最後の歌」とベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番がラインナップされていて、その独奏者はピアノのエマニュエル・アックスとソプラノのアンネ・シュヴァネヴィルムス。つまりわが国ではソロイストなしの作品だけが演奏されるわけで、これはいいんだか悪いんだか。

 招聘元のジャパン・アーツ社によるキャッチ・コピーは

「黄金の宮廷サウンド ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 シュターツカペレ・ドレスデン」

「全世界が注目するファビオ・ルイジとの最初の日本ツアー シュトラウスがこよなく愛したドイツ伝統の響き」

となってます。同社のウェブサイトのプロフィール欄からオーケストラ紹介文を転記しておきますと、

2008年9月22日に創立460周年を迎えた世界最古のオーケストラ。リヒャルト・ワーグナー、カール・ベーム、ヘルベルト・フォン・カラヤン、カルロス・クライバー、ヘルベルト・ブロムシュテット、ジュゼッペ・シノーポリ、ベルナルト・ハイティンク、サー・コリン・デイヴィスらがこのオーケストらの指揮台に立ってきた。 リヒャルト・シュトラウスは、60年以上にわたって作曲家、指揮者、そして友人として深い関わりを持ち続け、そのことから今日まで「シュトラウス・オーケストラ」としての世界的な名声を保っている。《サロメ》《ばらの騎士》を含む彼の9つのオペラがドレスデンで初演され、「アルプス交響曲」はこのオーケストラに捧げられた。栄光のタクトは2007年にファビオ・ルイジに引き継がれ、2007年11月の来日公演では、オペラのほかマーラー「復活」を演奏し、聴衆を魅了した。

とのことで、いつもの「いぶし銀の響き」が今回いきなり「黄金の宮廷サウンド」になってしまった経緯はわかりません。そのサイトでもリンクされているインタビュー(『ぶらあぼ』誌の記事)の中で、ルイジは「エレガントで貴族的で少し暗めの、西欧では”レッド・ゴールド”と表現される響き」と述べていて、どうやらこれが根拠のようです。

 そんなことは別にして、その記事には「2012年までにシュトラウスの管弦楽曲の全曲録音が予定されている」とあります。ワタシは「英雄の生涯」のSACDを聴いてそのフニャけたサウンドに呆れたクチですが、あれはソニーの技術力のせいだったのか、それとも今のカペレの本当の音なのか。それを確認できる点でも重要な来日公演ですが、どちらだとしても全曲録音はさほど需要のある企画とは思えないんですけどね。大きなお世話か。

 

(2009年4月20日、An die MusikクラシックCD試聴記)