350を超える数の交響曲を作り、世界各地のオーケストラを指揮した、フィンランドの指揮者で作曲家のレイフ・セーゲルスタムさんがヘルシンキで死去した。80歳だった。10月9日、フィンランドのメディアが報じた。ウィーン国立歌劇場などで指揮台に立ち、シベリウス音楽院教授、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者などを歴任。レパートリーの幅は広く、とりわけマーラーの演奏に定評がある。交響曲の作曲がライフワークで、東日本大震災に衝撃を受けたことから書いた作品(第244番)もある。日本では読売日本交響楽団などを指揮した。
(以上、朝日新聞より(抜粋))
レイフ・セーゲルスタムは、フィンランドの指揮者兼作曲家。ヴァーサ出身で母語はスウェーデン語であった。シベリウス音楽院やジュリアード音楽院で学び、ウィーン国立歌劇場などヨーロッパ各地で指揮者を務める傍ら、ドイツのラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を務め、また作曲家として数々の作品を発表した。特に残された交響曲は、実に300曲以上に達している。シベリウスなどのほか、マーラーやベルク(ヴォツェックの録音は忘れがたい)、ワーグナーやプッチーニなどのオペラまで、非常に幅広いレパートリーを誇り、自作を含む数々のレコーディングも行った。同時にシベリウス音楽院の指揮科の教授でもあった。1995年から2007年までヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督、さらに2019年までトゥルク・フィルの音楽監督でもあったが、コロナウィルスに感染後は、一時期体調を崩したこともあってか目立った活動をしていなかったのだが、今回の逝去の報道はあまりにも唐突に予期せぬ形で訪れてきた。実際に闘病生活はごく短期間であったらしい。私にとってセーゲルスタムは、良い意味での怪物音楽家であったように思う。
セーゲルスタムは巨漢としても知られており、私が2008年夏にフィンランドの古都トゥルク(隣町のナーンタリには著名な『ムーミンワールド』がある)に家族旅行で滞在中、ホテル内のエレベーター入り口で彼と鉢合わせしたときには、あまりの巨漢ぶりに驚愕した(私自身が巨漢であり、人を驚かせることも多いのだが、スケールが違いすぎた)ことを今なお鮮明に記憶している。しかし、若いころのセーゲルスタムはかなりスリムな体型をしており、実際にフィンランド人で母語がスウェーデン語であることが共通する、作家のトーベ・ヤンソンとダンスに興ずる写真も残されているくらいだ。
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