父ヤン(1851〜1915)は、東南ボヘミアのフヴォイノフに生まれた。プラハ・オルガン学校卒。クラトヴィで私立音楽学校を経営していたが、1902年クロアチアに移住した。ヴァーツラフの姉はピアニスト、兄もチェリストの音楽一家であった。
1883: |
モラヴィア地方のクロムニェジーシュに生まれる。 |
1892: |
4月当地を訪れたドヴォルザークの弾く、ピアノ三重奏曲「ドゥムキ」を聴いて大いに感銘。 |
1897〜1903: |
ドヴォルザークの支援を得て、プラハ音楽院でヴァイオリンを学ぶ。ベルリン・フィルに入団しコンサートマスターとなり、ニキシュの影響で指揮者を志すが、肺結核を患い帰国。 |
1904: |
オデッサ市立オーケストラの、コンサートマスター就任。 |
1905: |
革命でトビリシへ移る。 |
1906: |
帰国。 |
1907〜08: |
プラハ・オーケストラ協会指揮者。チェコ・フィル野外コンサートに初登場。 |
1908〜12: |
スークの勧めでスロヴェニア・フィルを指揮、ライプツィヒでレーガーに作曲、ハンス・シットに指揮を学び、ニキシュの助手を務めた。ミラノでもヴィニャに指揮を学んだ。 |
1912〜15: |
スークの勧めでピルゼン・オペラの指揮者となったが、第一次世界大戦で劇場が閉鎖。 |
1917: |
12月12日、はじめてチェコ・フィルを指揮。 |
1919: |
チェコ・フィル指揮者となり、10月27日「わが祖国」をはじめて指揮。 |
1921: |
チェコ・フィルの首席指揮者。 |
1922: |
チェコ・フィルを率い、ウィーンでの「わが祖国」演奏を皮切りに、トリノ、リュブリャナ、ウィーン、パリ、ブリュッセル、イギリス、スコットランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、ルーマニア、ソ連にて国外公演を行う。 |
1923: |
プラハで、ベートーヴェン・チクルス及びマーラーの1〜5&9番を指揮。 |
1923〜24: |
スメタナ生誕100周年で、「わが祖国」をチェコ全土で30回演奏する。 |
1925: |
5月11日、スメタナ・ホールから「わが祖国」を含む初放送を行う。 |
1926: |
ベートーヴェン・チクルス及び8番以外のマーラーの交響曲を指揮。 |
1929: |
9月3〜6日、「わが祖国」をイギリスHMVで録音。 |
1932: |
レニングラードで指揮し、ムラヴィンスキーに感銘を与える。 |
1935: |
スークが急死し、カルロヴィ・ヴァリで療養中のターリヒは、急遽プラハ国民劇場音楽監督に就く。11月チェコ・フィルを率い、ロンドン、ブリュッセル、パリで公演し、HMVに録音。 |
1937: |
初代大統領マサリクの死を悼み、「わが祖国」を演奏。 |
1938: |
第10回「ソコル体育祭」、祖国独立20周年を記念し、「わが祖国」を演奏。 |
1939: |
3月15日ナチス・ドイツのボヘミア・モラヴィア保護領となる。5月2〜25日の間「わが祖国」に始まり「第9」で終る「プラハ5月音楽祭」を実現させ、いくつかは6月にもくり返され、うち2回はノルウェー・ラジオで録音された。 |
1940: |
5月には検閲の結果、「わが祖国」の第5、6曲「ターボル」、「ブラニーク」は、チェコ人の愛国心を煽るとして、スメタナの「チェコの歌」に差し替えさせられた。 |
1941: |
ナチス宣伝相ゲッベルスの命で、1941年2月11〜12日、ドレスデンでチェコ・フィルを率い、「わが祖国」全曲を指揮。 |
1945: |
第二次世界大戦終結直後の1945年5月9日、国民劇場で上演すべき祝典オペラ「リブシェ」のスコアを抱えプラハへ向かったが、国民劇場で門前払いを食らい、さらに12日ヴィシェフラト国民墓地に墓参したターリヒは、モスクワ帰りで権勢を誇っていたネイェドリィー文化大臣と偶然出会い、大戦中ナチスに協力したと難癖をつけられた。9日後の5月21日ターリヒは、悪名高いパンクラーツ刑務所に投獄されたが、37日後ベネシュ大統領の介入で釈放。 |
1946: |
指揮活動をほとんど禁じられ、学生中心のチェコ室内管弦楽団を創設。 |
1947: |
国民劇場総裁に復帰。 |
1948: |
チェコ・フィル指揮者に復帰したが、2月末の共産主義政権樹立で、1953年2月25日まで独裁者ネイェドリィーが楽界を支配。 |
1951〜52: |
スロヴァキア・フィルの首席指揮者を務め、高等音楽院で教えた。 |
1954: |
1月14日チェコ・フィルの首席指揮者・音楽監督に返り咲き、「プラハの春音楽祭」で「わが祖国」を指揮。その後1955年まで録音に従事。 |
1956: |
引退。 |
1961: |
没。 |
(この年譜は、故関根日出男先生の著作から、筆者が取り纏めて作成したに過ぎない)
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