「わが生活と音楽より」
わたしのカラヤン 第7章:
カラヤンのマーラーについての管見

第1節 資料編
■ 第3項:カラヤンのマーラー実演歴

文:ゆきのじょうさん

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 以下に、カラヤンのマーラーの録音と演奏の年月を一覧表にします。

 
  録音最終年月 最初の演奏 最後の演奏  演奏回数
第5 1973年2月 1973年2月 1978年5月 9回
大地 1973年12月 1960年2月 1978年5月 13回
第6 1977年3月 1977年2月 1982年9月 13回
第4 1979年2月 1980年1月 1980年10月 11回
第9 1980年9月 1982年1月 1982年10月 9回

(第9はスタジオ録音盤を採りあげています)

 

 これで分かることは、いくつかあります。

(1)

最初に録音した第5は演奏回数が少ない方であり、1980年代になってからは一度も演奏していないことが分かります。

(2)

大地の歌は録音より、ずっと以前から演奏会に採りあげていました。したがってカラヤンはマーラーが(メンデルスゾーンと並んで)ユダヤ人であるために演奏していなかった、という言明は正しくないことになります。

(3)

第6は録音終了前に演奏会に採りあげています。なおカラヤンは第6を1978年5月までに11回演奏し、その後1979年10月に来日した際に1回、1982年9月にベルリンで1回演奏しています。

(4)

第4と第9は録音終了後演奏会で採りあげるまで1年以上も間を空けています。両者とも10ヶ月の間に集中的に演奏し、その後は実演していません。

 なお、「亡き児をしのぶ歌」と「リュッケルトの詩による5つの歌曲」は実演では採りあげていません。「さすらう若人の歌」は1955年に演奏会で採りあげていますが、録音は遺しませんでした。

 

2009年8月30日、An die MusikクラシックCD試聴記