ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2006年9月

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CD2006年9月30日:ディヴェルティメント K.563

私のモーツァルト」に「ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563」を追加しました。文は中村さんです。中村さん、原稿ありがとうございました。この季節にぴったりの名曲ですね。私も以前この曲で試聴記を書いたことがありますが、何度繰り返し聴いても名曲だとしみじみ思います。


9月もいよいよ終わりです。今日は長女の小学校で運動会がありました。好天に恵まれた楽しい運動会で、長女は50メートル走で1位になり、にこにこして帰ってきました。

ですが、今月は楽しいことばかりがあったわけではありません。皆様もテレビや新聞でご覧になったと思いますが、9月25日に埼玉県川口で起きた、保育園児の列に脇見運転の車が突っ込み、子供達をなぎ倒していったという許し難い事故は我が家にも関わりがあるのです。

あの小鳩保育園には、川口園と浦和園があります。事故にあったのは川口園でしたが、わが長女はこの3月に浦和園を卒園したばかりで、今は次女が浦和園に通っています。もちろん理事長先生も同じで、川口園と浦和園はついこの間合同で運動会を開催したばかりでした。私も昨年は父母会の会長を務めるなど、つきあいが浅くはありません。

事件が起きた当日、外回りをして帰社しようとしていた私の携帯に女房から電話がありました。しかも女房は気が動転しています。私はそれで初めて事故のことを知り、愕然としました。事故にあったのが川口園で、浦和園は全く無事だったのですが、他人事とはとても思えません。無垢な子供達の顔、保育士の先生方の顔、そして保育に情熱を傾けてきた理事長先生の顔が思い出されて、私は夜なかなか寝つけませんでした。昨日までに3人が亡くなりました。重体で、眠りについたままの女の子はまだ二人もいます。多くの子供達も怪我をしています。毎日子供が元気に家に帰って来るというのは、それだけでありがたいことなのだとつくづく感じます。

子供達は、未来そのものです。大人がその未来を奪ってしまうことがないよう、気をつけていかなければなりません。

 

CD2006年9月29日:角打ち(かくうち)

仕事で28、29日と北九州市に行ってきました。できて間もない北九州空港に着くと、ホスト役の方々が熱烈に歓迎をしてくれ、すぐさま空港見学になりました。すると、ホストさん、「北九州に来たのなら角打ちですよ!」と空港の一角に私たち訪問団を案内します。「角打ち」は「かくうち」と読むのだそうですが、行ってみるとそこは立ち飲み焼酎バー。店の壁面には所狭しと焼酎が並んでいます。いかしてますねえ。私好みの空間です。見るだけかと思いきや、「一杯どうぞ」と焼酎が目の前に! 時間はお昼の12時を過ぎたばかりだったのでどうしようかと一瞬躊躇したものの、ホストさんの好意に甘えて(・・・というより飲みたい気持ちに負けて)グッと一杯。いやあ、最高! いも焼酎独特の香りがしてとてもおいしかったです。

「角打ち」というのは北九州独特のお店らしいですが、とても気に入ってしまいました。また出張する際には利用してみたいと思います。

実は私はこの立ち飲みというものが嫌いではありません。それどころか、クラシックのコンサートがあるときには帰りに立ち飲みをして帰るのが普通です。降りる駅にもよるのですが、サントリーホールや、オペラシティの後、JR埼京線の武蔵浦和駅で降りる場合は、行きつけのイタリア料理屋さんに寄っていきます。そこにはバールがあるのです。バールといっても金具のことではなくて、洋酒の立ち飲みバーのことです。10時半頃になって家に着くと、女房子供も寝ているのでガサゴソ音を立てて飲み物やつまみを出すのも憚られます。それでバールに寄ってくるわけですね。コンサートの余韻を感じながらビールやらワインをくっと引っかけると、11時ちょっと前。ほろ酔い気分で11時前後には家に帰れます。もっとあちこちにバールがあるお店ができてくれないかと私は密かに思うのですが、そもそもひとりで飲みに来るオヤジを歓迎しない雰囲気が我が国にはあります(外国もそうでしょうが・・・)。

皆さんもコンサートの後に飲みたくなりませんか?

 

CD2006年9月26日:リンク集廃止

An die Musik開設当時からご利用頂いていたリンクのページを廃止しました。理由は、Googleなど、検索エンジンの機能強化によってリンクのページの必要性が急激に低下し、その歴史的意義が終了したと考えられることです。

ちょっと前まで、「Yahoo! Japan」が代表していたとおり、検索エンジンといえども登録制であったため、クラシック音楽のサイトを検索してもヒットしない場合がありました。しかし、最近ではそのようなことはありません。必要なページは容易に探し当てられるはずです。また、多くのネットユーザーが今やリンクのページではなく、検索エンジンを利用して目的のサイトに辿り着いているはずです。

リンクのページの長所としては、そのサイト運営者のフィルターを通っているため、ことさら外れたページには辿り着かないことが挙げられます。この点だけはリンク集の方が優れているのですが、何年も運営していて、リンクのコーナーが拡充してくると、今度はサイトのURLが変更されていることに管理人が気が付きません。連絡をいただくことも稀ですし、私も常に巡回しているわけにもまいりません。実際、このサイトのリンクのページも、リンク切れになっているものが多数あります。それをひとつひとつ追っていけば修復は可能ですが、リンクのページの歴史的意義がもはや終了したと私は考えていますので、その修復作業を放棄するという意味も込めて、リンクのページそのものを廃止致します。何卒ご了承下さい。

 

CD2006年9月18日:仲道郁代さん

今日は地元埼玉会館で仲道郁代さんのコンサートを聴いてきました。・・・というより、これは「埼玉会館ファミリークラシック」というサブタイトルのとおり「子供を連れてきていいよ」というコンサートだったので、私も小学1年生の長女を連れて行きました。長女にとっては初のクラシックコンサートであります。プログラムは以下のとおりです。

ドビュッシー: 《ベルガマスク組曲》より<月の光>
モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 「トルコ行進曲付」
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 「月光」
ショパン: 幻想即興曲 嬰ハ短調
ショパン: 夜想曲第20番 「レント・コン・グラン・エスプレシオーネ」
ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」
シューマン(リスト編曲): 《ミルテの花》より <献呈>変イ長調
リスト: メフィスト・ワルツ 第1番
アンコール:エルガー:「愛の挨拶」

子供にも楽しんでもらえるように曲目だけでなく、仲道さんのお話やステージに上がった20人の子供達とのやりとりを交えるなど、様々な工夫を凝らしたコンサートでした。2時から始まって終わったのは4時20分。興味深い内容でしたが、子供にとっては長すぎたかな?

ですが、このコンサートは、仲道さんも相当力を入れていたようで、演奏には全身全霊を傾けたようなすばらしいものでした。ドビュッシー、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、リストの名曲が演奏されていったのですが、中でもベートーヴェンのピアノソナタ「月光」にはあまりにツボにはまっているので驚いてしまいました。仲道さんはショパンやリスト以上にベートーヴェンに適性があるのではないかと思わずにはいられませんでした。このところ彼女はベートーヴェンのピアノソナタのCDを立て続けにリリースしていますが、あの一連のジャケット写真からは想像もできないような深みとダイナミズムのある演奏です。

「ファミリークラシック」の類だと、私は20数年も前の自分の記憶から、会場では私語が絶えず、まともに聴いている人が少数であるというイメージを持ち続けているのですが、今日は私語もなく、仲道さんの演奏に聴き入っている人が多かったのにはこれまた驚きました。よい演奏をすれば、聴衆を惹きつけておけるのですね。11月にはデビュー20周年記念としてベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」を演奏するそうですが、それも楽しみになってきました。さすがに小学1年生は連れて行けそうにありませんが。

 

CD2006年9月4日:チェリビダッケ

あなたもCD試聴記を書いてみませんか?」のコーナーに「チェリビダッケのドビュッシーを聴く」を追加しました。文は中村さんです。中村さん、原稿ありがとうございました。8月14日掲載の文章に続く第2作ですが、第3作も期待したくなる充実した内容ですね。

 

CD2006年9月3日:映画の中の音楽

CLASSICA」の飯尾さんが絶賛されているので、私も映画「太陽」を観てきました。こんな重厚で格調の高い映画をロシアが作っていたなんて。

音楽の使い方もすばらしい。昭和天皇が寝ていると、東京が空襲されている音が聞こえてきます。映画ではとても遠くから聞こえて来ます。本当は目と鼻の先が灰燼に帰しているわけですからすごい音だったのでしょうが、小さい音で遠くから聞こえてきます。呆然とその音を聞く時に流れてくるのは「ジークフリートの葬送行進曲」の冒頭部分でした。それも弱々しく。天皇の表情が写っているだけなのにものすごい迫力です。

映画の中ではバッハの無伴奏チェロ組曲も使われていました。これがまた寂寥感を雄弁に表しています。

観客には若い人もたくさんいました。しかも物音ひとつ立てないで観ています。クラシックのコンサートよりも静謐な映画の上映は珍しいのでは。コーラとポップコーンを持って入場した私はとても恥ずかしい思いをしました。

 

(An die MusikクラシックCD試聴記)