マーラーの推薦
クレンペラーはマーラーの関心をひくためにマーラーの交響曲第2番のスケルツォ・ピアノ編曲版をマーラー本人の前で暗譜でピアノ演奏したりしていたし、同交響曲のリハーサルに立ち会ってマーラーに認められていたようだ。
思うようなポストを得られないクレンペラーにマーラーは「クレンペラーは年齢こそ若いが傑出した指揮者である」と自分の名刺に推薦文を書いてそれを手渡した。
その推薦文がクレンペラーのキャリアが開いた。クレンペラーは恩義を感じ、そのコピーを財布に入れて終生大事に持っていたという。
An die MusikクラシックCD試聴記、1998年掲載