ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2001年7月

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CD7月31日:某ページに私がよくお世話になる山野楽器浦和店が掲載されました。こちらをご覧下さい。掲載されました、というより掲載しました、という方が正確かな? 某ページ自体が私が管理しているからであります(^^ゞ。

紹介文を書いたのは「忍者の弟子」という名前になっていますが、何を隠そう私です。今回はいつもお世話になるクラシック部門の担当者Hさんの写真を載せられなかったのが残念です。私が「山野楽器で」とAn die Musik上で書く場合、まず間違いなくこの店を指します。規模はさほどではないのですが、Hさんの仕入れが細かいところまで及んでいてとてもいいです。

実は、私が管理する「マイタウン浦和」というホームページだけでなく、An die Musikにも別途載せてもらえないかというお願いも正式に店長さんにはしたのですが、個人のホームページだから、ということで断られてしまいました(T_T)。An die Musikに紹介文を書くのであれば、もっといろいろ書けたのですが、返す返すも残念です。


CD7月30日:新シリーズ「コンセルトヘボウの名録音」を開始しました。 

本当は「コンセルトヘボウ管のページ」の家主である青木さんの意思を尊重し、青木さんの薦めるCDを最初に載せるべきだったのですが、今回ばかりは私の我が儘を通してしまいました。青木さん、申し訳ありません。また、読者の皆様には私の昔話にまたおつき合いいただくことになります。重ねてお詫び申しあげます。

なお、本日はAn die Musikの改修工事を行い、フレームを取り払ってみました。できる限り頑張ってみましたが、工事は完了していません。ページによっては袋小路になっている場所もあると思います。早急に手を入れますので、少しだけご容赦下さいますよう、お願い申しあげますm(__)m。


CD7月29日:音楽にどの季節を感じるか?

しばらく殺人的な猛暑が続いていましたが、ここ3日間は夜もクーラーなしで眠れるようになって一安心です。あまり暑いと、いくら私でも暑ッ苦しいクラシック音楽は敬遠したくなります。ではどんなのが夏にはいいのか、とCD棚を眺め、先日はこんなCDを取り出してみました。

CDジャケットチェチーリア・バルトリ ライブ・イン・イタリア
ピアノ演奏:ティボーデ
ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ
録音:1998年6月、ヴィエンツァ
DECCA(輸入盤 455 981-2)

売れっ子メゾ・ソプラノのチェチーリア・バルトリさんの有名なCDですね。確かレーザーディスクも発売されていたような気がします。バルトリさんは1966年生まれですから、このライブ録音が行われたのは32歳の時です。しっかりとした技術の上に、可愛らしいルックスですから大人気なのも頷けます。女性のオペラ歌手には人気があっても性格がとても悪いと聞き及ぶ人もいますが、バルトリさんはとても可憐に見えて、私のようなおじさんは「きっと性格もいいんだろうなあ」などと思ってしまいます。本当はどうなのか全く分かりませんけど。ついでに贔屓目に見てしまいますと、バルトリさん、とても聡明そうな目をしていますね。これも真偽のほどは不明です(えへへ、こうなると私の密かなアイドルですね)。

ところで、このCDには24曲もの短い曲が収録されています。最初の方は古楽アンサンブルであるソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカが伴奏し、後の方は美男ピアニスト・ティボーデが伴奏しています。で、私が好んで聴くのはソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカがしずしずと伴奏し、とてもいい味を出している第4曲目、ヘンデルの「Lscia la spina」であります(輸入盤なので意味が分かりません!ごめんなさい)。これはヘンデル最初のオラトリオ「時と悟りの勝利」(1707年)の一節らしいのですが、伴奏といい、バルトリさんのしんみりとした歌といい、何度も聴き惚れてしまいます。いいですよお。このCDには76分間分の音楽が収録されているのですが、私はこのわずか6分だけの曲だけで完全に満足します。なんだか夏の夜に涼しい風に乗って音楽が聞こえてくるようなのです。もしかしたらオラトリオの中には、この曲に関する季節の情報が盛り込まれているのかもしれませんが、私には分かりません。勝手に夏の曲、と思い込んでいます。私は「これこそ夏場にふさわしい曲だ、これは夏を感じさせる曲だ」と思っていたのですが、一緒に聴いていた女房さんは「これは秋の雰囲気ねえ。」と私の印象を否定します。同じ曲でも聴く人によっては随分と違う印象を持つものです。本当はどうなのでしょう? 世の中、分からないことばかりです。


CD7月23日:ベートーヴェン演奏

ニューズウィーク7月25日号にマゼールの記事が出ていますね(マゼールはマズアの後任としてニューヨークフィル常任指揮者兼音楽監督になる予定です)。その中で、マゼールの「誰かがベートーヴェンを演奏しなければ」という言葉が紹介されています。ニューヨークフィルが古典の擁護者であることと、マゼールがベートーヴェンの「第九」を聞いたことがない人々のことを慮ったためにこうした言葉が発せられたそうですが、「誰かがベートーヴェンを演奏しなければ」という言葉には重みを感じます。ベートーヴェンはあまり演奏されていないのでしょうか? そうかもしれません。コンサートの演目はロマン派以降の曲がずらりと並んでいますが、ベートーヴェンはさほど多いようには思えません。

しかし、ベートーヴェン演奏は非常に重要です。自分の価値観を押しつける気はありませんが、ベートーヴェンはクラシック音楽の柱であるとさえ私は考えています。ベートーヴェンがまともに演奏できないで、ブラームスが素晴らしいというのはあまり想像できません。マーラーが得意でベートーヴェンがからっきしという人はいるかもしれませんが、そういう人のマーラーだって人気を保ち得ないでしょう。やはりベートーヴェンがクラシックの基本であり、常にクラシック人口を増やす最大の吸引力を持っていると私は考えています。極端に言えば、ベートーヴェンを聞かなければ、私だって一生クラシックファンになっていなかったかもしれないのです。ベートーヴェンなかりせば、クラシック音楽に感動し、この広く深い世界に足を踏み入れることはなかったと思います。それほどの作曲家はクラシック界にはいません。私がいかにマーラーやブルックナーが好きでも、原点はあくまでもベートーヴェンです。よいベートーヴェンには常に接していたいと思います。マゼールはひょっとするとそういううるさ方のファンやこれからクラシックを聴く人双方のことが手に取るように分かるのでしょう。

マゼールのベートーヴェンは若い頃、レコ芸に「才人才に溺れる」(記憶が正しければですが)などと書かれたことがありましたが、今なら虚心坦懐にベートーヴェンを演奏してくれるかもしれません。とても楽しみだとは思いませんか?


CD7月22日:「ザ・シンフォニカ」演奏会

今日はWeb界の有名人、「フォルカーの部屋」でお馴染みのフォルカーの出演する「ザ・シンフォニカ」演奏会に行って来ました。場所は錦糸町のすみだトリフォニーホール。このコンサート、プログラムが渋いんです。メインにはホルストの組曲「惑星」が取りあげられているのですが、前半はヴォーン・ウィリアムスの交響曲第5番ニ長調でした。要するにイギリス音楽を並べたというわけですね。

実は、私はヴォーン・ウィリアムスの交響曲第5番を生で聴いたことがありませんでした。そのため、今回のコンサートはとても新鮮に感じられました。生で聴くと、やはりいいですねえ。音響的に派手なところがあまりない曲なので、盛り上がりには若干欠けるかもしれませんが、柔らかいサウンドにとっぷり浸れます。特に、第3楽章Romanzaはとてもいい味わいがありました。牧歌的な音楽と言ってしまえばそれまでですが、上品さの中にほの暗さも垣間見え、まさにRomanzaの名前にふさわしい音楽です。20世紀の音楽にこうした浪漫的感慨を求めるのは変なのかもしれませんが、私はすっかり気に入ってしまいました。「ザ・シンフォニカ」はアマチュアの団体でありながら、木管セクションに人を得ているため、こうした曲の演奏を実に見事にこなしますね。大満足です。

後半は大音響を伴う「惑星」です。6番ホルンで登板したフォルカー氏、演奏する前から大汗をかいていて、舞台の上でずっとハンカチで汗を拭いていたのが印象的でした。演奏が始まると、相変わらず貫禄十分のスタイルでブイブイ吹いていたようでした。もちろん、こちらも楽しいコンサートでした。

ところで、このコンサートのプログラムを眺めていますと、これがとても面白いんです。私はコンサート会場で渡されるプログラムを面白く読んだことなどほとんどないのですが、楽曲解説が詳細なだけではなく、それが読み物として充実しているんです。これは誰が書いているんだろう?と目を凝らしてみると、あの木幡一誠さんの名前が。さらに団員表を見ると、その木幡さんの名前がフルートの中にあります。し、知らなかった! あれだけの書き手やウィーンフィル命の男が参加する団体であれば、良い演奏をするわけですね。また行きたいものです。


CD7月21日:「未完成」曲の組み合わせ

最近発売されたクナッパーツブッシュのCDを聴いてみました。

CDジャケットワーグナー
「パルジファル」第1幕への前奏曲
録音:1942年3月31日
ベートーヴェン
「コリオラン」序曲
録音:1950年11月6日
シューベルト
交響曲第8番「未完成」ロ短調
ブルックナー
交響曲第9番ニ短調

クナッパーツブッシュ指揮ベルリンフィル
録音:1950年1月30日、ティタニア・パラスト
TAHRA(輸入盤 TAH 417/418)

この2枚組CDの目玉は、1950年1月30日にベルリンで開催されたコンサートのプログラムです。シューベルトの「未完成」とブルックナーの交響曲第9番。いずれも未完の交響曲でありながら、音楽的には「これ以上何も付け足す必要を感じない」と誰もが納得できる完成度を持っています。

クナの演奏はどちらを聴いても面白いです。面白さが、興味深いということでなく、「何かおかしいぞ!」ということであれば、ブルックナーの9番はその典型です。これはほとんどクナの編曲ではないかと思いますよ。デフォルメの嵐で、極端な強弱の変化には唖然とさせられます。ブルックナーの交響曲第9番といえば、ブルックナーが神との対話をしていることを、キリスト教徒でもない我々でも感じ取ってしまうほど高尚な雰囲気がする大曲です。なのに、クナの指揮で聴くと、とても人間的で、おかしくなってきます。私はほとんど抱腹絶倒ものの爆演だと思います。真面目なブルックナーファンにはおそらく総スカンかもしれません。でも、念のため書いておきますが、これは大変立派な演奏です。クナの悪逆的な指揮棒にベルリンフィルは見事に応えていますし、何よりもこの曲を楽しませてくれます。私ども一般のリスナーは音楽学者ではないので、こうした選択肢を持てるわけです。いつでもこんな楽しい演奏を聴けるのですから素晴らしいですねえ。ただし、演奏が変化球スタイルであるだけです。

ところで、多分プログラムの前半にあったとおぼしきシューベルトの「未完成」ですが、こちらはクナの恐るべき気迫がこもった強力な演奏です。抱腹絶倒の演奏ではなく、異常なほど真面目な演奏です。この演奏を聴いていると、激しい気迫と演奏にかける強い思いに、こちらの雑念は吹っ飛びます。私たちはひたすらシューベルトの深く険しい音楽の崖っぷちに一緒に立たされることになります。もちろん、私は大変な感銘を受けました。で、こちらは直球、しかもメラメラと炎が見え隠れするプレーヤーからの真剣勝負の中での直球という気がします。

シューベルトの「未完成」にブルックナーの交響曲第9番という組み合わせは、ヨーロッパでは一般的なのでしょうか? 昨年来日したギュンター・ヴァントもこの組み合わせを選んでいましたね。指揮者にとっても、オケにとっても、そして聴き手にとってもかなりハードなプログラムです。指揮者だってよほどの自信がなければこうしたプログラムを組めないのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか? 少なくとも、このクナのCDを聴く限りはクナの巨人的指揮ぶりが彷彿とされてきます。クナだからあり得るCDだと思います。クナのとほうもない実力を知るには格好のCDでしょう。


CD7月15日:CD試聴記に「リマスタリングの驚異」を追加しました。曲は、...。


CD7月15日:掲示板を変更しました。新しい掲示板はこちらです。

以前の掲示板(ゲストブック)は過去ログをあまり残しておけなかった上に、話題毎にレスを付けられる形になっていなかったので、今日思い切って変えてみました。もちろん、以前の掲示板(ゲストブック)も残してあります。片方を「ビール掲示板」にしようかとも真剣に考えたのですが(^^ゞ、新しい掲示板なら別に使い分ける必要もなさそうなので、新掲示板に一元化することにしました。ぜひご利用下さい。


CD7月14日:CD試聴記に「シベリウスのバイオリン協奏曲」を追加しました。ヴァンスカ指揮ラハティ響の話の続編です。

ところで、このヴァンスカさん、ミネソタ響の首席指揮者に就任するんですね。ということは、ラハティ響とのシベリウスを生で聴くことはもうできないということです(T_T)。ミネソタ響でもいいシベリウス演奏を聴かせてくれるかもしれないのですが、少し寂しい気がします。皆さんはどう思われますか?(→すみません。ヴァンスカさん、ラハティ響をやめるわけではないそうです。調査が不足していました。)


CD7月9日:オーマンディ

私は高校生の頃お金がなかったので、LPを買うのに苦労しました。最初に耳にしたのは廉価盤のLPばかりでした。よくお世話になったのはEMIのセラフィム・シリーズだったと思います。もうひとつお世話になったのは、オーマンディの録音でした。今や記憶さえ定かでないのですが、確かCBSのLPだったはずです。廉価盤らしく、どれも同じジャケットで、ジャケットの味わいはあまりありませんでした。シベリウスの交響曲第1番を初めて聴いたのもオーマンディの廉価盤でした。昨日取りあげた録音はRCA録音ですから多分違うはずです。オーマンディには1962年の録音があるようですから、きっとそちらを聴いていたのでしょう。無論貧乏学生が買うLPですから、隅から隅まで何度も聴き返していました。

が、そのわりに私はオーマンディの演奏を全く覚えていなかったのです(^^ゞ。普通、最初に聴いた演奏、しかもじっくり聴き込んだ演奏は忘れられないものです。それこそオーマンディで聴いたことさえ、昨日の原稿を書く時まで気がつかなかったほどです。

では、オーマンディの演奏は印象が弱かったのかといいますと、少なくともRCA盤を聴く限り、そうとでもないようです。最近の私たちはベルグルンドの透明感溢れる演奏を知っているせいで、ついあのようなアプローチがシベリウスにはふさわしいと思ってしまいますが、オーマンディの演奏もなかなかいけます。今の流行ではないかもしれませんが、オケ、特にブラスがギンギンなっていますし、弦楽器の分厚い響きは全くゴージャスそのもの。これが北欧を感じさせるとは到底思えませんが、オーケストラ演奏の「かっこよさ」を十分味わわせてくれます。フィラデルフィア管がアメリカのオケだから、という紋切り型の表現は使いたくありませんが、本当にギラギラ脂がのったシベリウスという感じがします。これはこれで楽しいと思います。

でも、この演奏を聴いてシベリウスを好きになるかと言えば、必ずしも「イエス」と答えにくいのも事実です。オーマンディ指揮フィラデルフィア管の演奏を聴いてシベリウスに初めて接したのに、その後どんな演奏だったのかすっかり忘れてしまったのは、もしかしたらそういうところに原因があったのかもしれません。皆さんはそんな経験ありませんか?


CD7月8日:こんな序曲があったとは...。

また今日も女房とのくだらない会話が...。

女房:「そういえば、シベリウスにはカイワレの曲がなかったっけ?」
亭主:「???...お、おい、まさかカレワラのことを言っているんじゃないだろうな?」
女房:「え? そんなのもあるの? そういうやつだったかなあ?」
亭主:「すると、カレリアのことかい?」
女房:「そう、それよ! フィンランドってやっぱり言葉が面白いわよね!」
亭主:「....」

これ以上は恥ずかしくて書けませんね。女房さん、相変わらず馬鹿なことを言っておりますが、最近は知識が増えてきているのがこの会話だけでも分かります。一体こんなことをどうやって覚えたんでしょうね? 職場の音楽同好会でシベリウスの話でもしているんでしょうか?

ともあれ、「カレリア」について書きたいと思います。先日、山野楽器をのぞいていたらオーマンディ指揮フィラデルフィア管のCDが並んでおりました。その中に珍しい曲があったので思わず購入してしまいました。カレリア序曲です。

CDジャケットシベリウス
交響曲第1番ホ短調 作品39
録音:1978年4月17日
カレリア序曲 作品10
録音:1977年11月2日
カレリア組曲 作品11
1975年12月10日
オーマンディ指揮フィラデルフィア管
BMG(国内盤 BVCC 38122)

私はカレリア組曲は高校生の頃から親しんでいましたが、序曲を聴いたのは、これが初めてです。皆さん、ご存知でしたか? 知らなかったのは私だけかな? 組曲は「インテルメッツォ」「バラード」「行進曲風に」と題された3つの音楽で構成されています。シベリウスの曲の中でも大変分かりやすく、人気があると思います。でも、序曲は初耳でした。

演奏時間は10分。初期のシベリウスらしく豪快さや荘厳さを伴う立派な曲です。序曲も、組曲も、もともと同じ劇音楽のために作られた曲ですから、素材は似ています。でも、少し脳天気な組曲より、ちょっとばかり深刻な序曲の方が聴き応えがありますね。他にこの曲のCDがいくつあるか私は不勉強につき知らないのですが、ひょんな掘り出し物をしたような気になりました。オーマンディのおじさん、シベリウスご本人に高く評価されていたと言いますが、こうした曲まで丁寧に演奏していたのですから、相思相愛の関係だったのかもしれません。


CD7月8日:お願い

ひとつお願いがあります。クラシック音楽には全く関係がないことですので、大変恐縮なのですが、ぜひ一度「マイタウン浦和」というホームページをご覧下さい。

実は、これ、私が仕事で作ったホームページなのです。3月末に形だけオープンはしたのですが、今まではシステム開発と各項目の情報収集活動に注力し、広報活動が不十分でした(というよりほとんどできなかった)。6月中には大幅な改訂作業も行い、イメージキャラクターも決定しました。ここで本格的に公開をしたいと考えています。できればありとあらゆるつてを辿って広報をしていきたいところです。ぜひご訪問いただき、ご意見などをお聞かせ下さい。自分の仕事のことはこのページには書きたくなかったのですが(^^ゞ、何卒ご協力下さい。


CD7月1日:カペレに新時代到来か?

ゼンパー・オパーのホームページによりますと、シノーポリの後任としてベルナルト・ハイティンクがカペレの首席指揮者になるようです。シノーポリの契約同様、オペラとカペレ(コンサートも、ということです)の両方を統括します。時期は2002年8月から、と書いてありますね。また、「For the transition period」との記述もあります。暫定的に契約を結ぶのでしょうか? できればこのままハイティンクに長期的に指揮台に立ってもらいたいものです(私は結構ハイティンクを高く評価しています。「ハイティンクの深淵」「不思議な指揮者ハイティンク」をご参照下さい)。

ハイティンクは既にカペレの常連指揮者で、今年もモーツァルトやブルックナーを指揮しています。カペレとのオペラ録音(「フィデリオ」、PHILIPS)やベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(TELDEC)もありますね。ハイティンクは篤実な人柄らしいですし、オケをまとめる実力はコンセルトヘボウ管との実績がありますから何の問題もありません。レパートリー的にもカペレにぴったりでしょう。今まではあまり聴けなかったマーラー録音が増えるかもしれません。世界公演に必要な名声も十分でしょうから、カペレの「顔」としては申し分ないでしょう。

後任にはもしかしたら楽員の信任が厚いコリン・デイヴィスが返り咲くのでは、と私は思っていましたが、ハイティンクなら私も満足です。何と言っても、オペラとシンフォニーコンサートの両方を兼任でき、カペレのサウンドをねじ曲げず、しかもオケの機能は維持できる指揮者ですから。唯一クエスチョンマークなのはこの人のオペラです。コヴェントガーデンの音楽監督も務めてきたハイティンクですが、オペラ指揮者としては必ずしも大満足!とは言えないかもしれません。どうでしょうか?もっとも、シノーポリだって完全な指揮者ではありませんでしたが。完璧を求めすぎてはいけませんね(^^ゞ。それでも、これだけの大物がゼンパー・オパーを統括することになれば、カペレもまた新たな時代を迎えることになるに違いありません。

で、次に予定されているカペレ来日公演(2002年4月)の指揮者は誰になるんでしょうね? ハイティンクの登板は8月となっていますが、やはりお披露目的にハイティンクが振るのでしょうか? 何だか気になって夜も眠れなくなりそうですね。


(An die MusikクラシックCD試聴記)