ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2002年1月

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CD1月28日:脳天直撃

昨年末から私が気にしている一連のCDがあります。RCA100周年を記念した「RCA RED SEAL Vintage Collection」です。このシリーズ、古い録音を単純に再発するようなことをしていないようなのです。どうも、世界初CD化(本当かどうか私は確認できませんけど)の音源などが含まれているとか。1月23日にも第2回のシリーズが発売されたので、早速モントゥーのCDを購入してきました。

CDジャケットベルリオーズ
幻想交響曲
モントゥー指揮サンフランシスコ響
録音:1950年2月27日、サンフランシスコ
ドビュッシー
交響詩「海」
モントゥー指揮ボストン響
録音:1954年7月19日、ボストン
BMG(国内盤 BVCC-37321)

このCDのうち、幻想交響曲が特にすごいんです。何がすごいかって、第5楽章の鐘の音が。1950年のモノラル録音だっていうのに、脳天を直撃するような鮮烈な音です。それはもう、何か別なものが部屋の中で鳴ってしまったんじゃないかと勘違いするほど臨場感があるんです。飛び上がらんばかりにびっくりします。幻想交響曲のCDを聴いていて鐘の音に衝撃を受けるなど、全く初めてのことです。ほとんどこの鐘の音を聴くためにこのCDを買っても損はしないでしょう・・・と書くと書きすぎかな(^^ゞ。

もっとも、この幻想交響曲は演奏内容がすばらしいんです。長大な曲ですが、息をつかせぬスピーディな展開で、録音の古さなどたちまち忘れさせます。オケの音には力が満ち満ちているうえ、ダイナミックに山場を作り上げていきますから邪念も吹き飛ばしてくれます。思わず興奮すること間違いなしです。これは見事なものですね。こういう演奏を聴いてしまいますと、最新録音による音がいいだけのCDが空虚に思えてきてなりません。

モノラル録音であることもハンディにはなっていないでしょう。モノラル録音は遠近感はしっかり再現できますし、考えようによっては両スピーカーの中心に音像が分厚く定位する分いい音であるということもできるでしょう(こんなことをいうのは変人かしら?)。50年録音だけに、一部にテープが歪んでしまったようなところはあるのですが、普通に鑑賞するには何ら問題がないと私は思います。勢いのあるダイナミックな演奏、丁寧な日本語解説、衝撃的な録音水準と「ウリ」が3つも重なった好企画CDだと思います。また、国内盤も頑張っていることを強く印象づけます。おっと、ここまで褒めたらBMGが何かくれるかな?


CD1月25日:An die Musikアクセス30万件が近づいてきました。何かイベントを...ということで「あなたもCD試聴記を書いてみませんか」という企画を実施したいと思います。ぜひご参加下さい。

なお、この企画に皆様からの応募がずっと見込まれるようであれば、締め切りにかかわらず原稿を募集したいところです。


CD1月23日:青木さんによる「コンセルトヘボウ管のページ」にクロニクル第一弾「常任指揮者、第一コンサートマスター、第一チェリスト」を追加しました。

青木さん、原稿ありがとうございました。これは詳細な記録ですね。このような調査は、とても地味ですが、あるとないのでは大違いです。皆様もコンセルトヘボウ管関係で何かを調べようとする際に青木さんの調査が役に立つときが来るはずです。最初は辟易とするかもしれませんが、じっと目を凝らして見ていると、聞き覚えのある名前があちこちに登場してくるはずです。


CD1月21日:CD試聴記に駄文「音楽に何を求めるか?」を追加しました。先頃取りあげたヨッフムしきバンベルク響によるブル8の続編です。


CD1月17日:マーラー録音をして!

このところ、マーラーの聴き比べをしています。深夜、家の中が静かになったところで密かにマーラーを聴くのもいいですね(^_^)。夜に聴き比べをする曲としては第2番や第8番など強烈なものはさすがに避けざるを得ません。そこで浮上してくるのは、交響曲第7番の第2楽章とか、第4楽章です。特に第2楽章の冒頭。ホルンが森の中からこだまのように聞こえてきます。マーラーの魅力というと、大編成のオーケストラによる大音響をイメージしてしまいますが、必ずしもそうではないと私は考えています。マーラーは楽器の扱いが巧みな人で、楽器のソロや、2,3の楽器の掛け合いが随所に出てきます。かつてオケでオーボエを吹いている友人と話をしていたら、「マーラーの曲には単純なソロがなかなかなくてね。必ずどこかとどこかの楽器で掛け合いをやっていて、オケの人間でも聞いていて楽しいんだよ」と話していました。なるほど。

マーラーの交響曲第7番は、どうもまとまりがない曲だと私は思うのですが、いろいろな小アンサンブルが次から次へと登場してくるところは、やはりマーラー的です。もしかしたら交響曲第7番は、曲の長さに占めるアンサンブル度(このような言葉は許されるかな?)は11個ある交響曲中でもかなりの高さになるのでは?と私は考えています。

ところで、この曲を聴き比べしていてとても残念なのは、私が知る限り、シュターツカペレ・ドレスデンによる録音がないことです。そもそもカペレによるマーラー録音は数えるほどしかありません。ざっと記憶を辿ってみますと、交響曲第1番(スウィトナーと若杉弘の2種)、第4番(ルートヴィッヒ・・・多分カペレファン以外知らないでしょう)、「大地の歌」(シノーポリ)しかありません。ひょっとすると海賊盤などで何か出ているかもしれませんが、これしかないんです(◎-◎)。かりにも、世界を代表するオケで、これほどマーラー録音が少ない団体は珍しいのではないでしょうか? 歴代の主席指揮者には、ブロムシュテットのように、少なくともその在任中にはマーラーを得意としていなかったのではないかと推測される場合はあるとしても、極めて不思議であります。何か楽団員からの抵抗があるのでしょうか?

私としては、誰かが第7番を録音してくれないかと切実に望みます。事実上あり得ないことかもしれませんが、ペーター・ダム先生のホルンであの第2楽章を聴いてみたいものです。

シノーポリなき後、カペレでマーラーを録音してくれそうな人は誰でしょうか? こうなったらやはりハイティンクに期待するしかないでしょう。TELDECあたりからハイティンク指揮マーラー録音が発売されたら、思わず買ってしまいますね。え? ハイティンクはベルリンフィルとの全集が中断しているから望み薄ですって?  ・・・うーむ。ますます困ったぞ。


CD1月14日:CD試聴記に駄文「バンベルク響の思い出」を追加しました。10日更新記事の続編です。なお、私は音楽評論家ではありませんので、基本的にこの程度の駄文しか書けません(T_T)。呆れている方も大勢いらっしゃるとは思いますが、何卒ご容赦下さい。


CD1月10日:CD試聴記に「ヨッフム指揮バンベルク響のブル8」を追加しました。立派な演奏ですねえ。本当に感心してしまいます。


CD1月8日:寒稽古ノススメ

クリスマスの3連休に苗場に寒稽古に出かけたところ、同じ宿にたまたま居合わせたレーサーが、私のスキー板をじっと見つめています。そして彼は「ああ、あなた、悪いことは言わない。一刻も早く新しい板をお買いなさい。騙されたと思ってお買いなさい」と言いました。新しい板、とはあのしゃもじ型のカービングスキーのことです。あんな不格好なスキー板を履いてたまるものか、と私は毛嫌いしていましたから、6シーズンも前の古い板(SALOMON)を使っていたのです。しかし、彼によれば、「ここ数年間の技術革新はすさまじく、メーカーもとても頑張っていいものを作っているから、買い直すとびっくりするよ。今ほど技術革新の恩恵を受けられる時代はかつてなかったんだ」とのこと。その言葉に気持が大きくぐらついた私は、早速女房さんに泣きつき、やっと新しい板を買ってもらえました。新しい板はATOMICのARC Ambition。ほぼ赤に近いだいだい色の板です。

これを履いて苗場で一本滑ってみたところ、「!」の連続です。切れる、切れる。最初は乗る位置がよく分からなかったのですが、すぐに慣れてきます。苦手だったコブ斜面でのエッジングも楽々! これなら、どんな斜面も滑られそうです! ...と歓喜したいところですが、新しい板を履いたからと言って急に技術が向上するわけではなく、「ある程度」板でカバーできる程度です。

というわけで、今年は新しい板を買ったお陰でますます燃えてきました。まるで星飛雄馬の瞳のようにメラメラと闘志が燃えさかってきます。皆さん、こんな私と一緒に苗場で練習しませんか?毎週末、福島屋旅館に籠もって寒稽古に励んでいます。お酒が好きな方は夜一杯やりましょう。新潟のおいしい日本酒が待っていますよ。


CD1月7日:横になって聴けない音楽

年末に買っておいたCDをかけて、私は横になって聴き始めました。が、すぐさま飛び上がってしまいました。さもありなん、それはライナー指揮の「エロイカ」だったのです。

CDジャケットベートーヴェン
交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
モーツァルト
セレナード第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
ライナー指揮シカゴ響
録音:1954年12月4日、シカゴ・オーケストラホール
BMG(国内盤 BVCC-37301)

この録音、恥ずかしながら私は耳にしたことがありませんでした。昨年末、「RCA RED SEAL Vintage Collection」シリーズで発売されているのを見てすぐさま購入したのです。で、演奏なのですが、切れ味鋭く、エネルギッシュ。冒頭の和音など、強烈なアタック音であります。入りを合わせました、とかいうレベルではなく、フル・アタックであります(ん?この言葉はクラシック界で通じるかな?)。それが寸分の乱れもなく済むと、一気呵成に「エロイカ」の世界へ。もちろん、46分があっという間に過ぎ去ります。その間、音楽はスピーディーにかつ悪魔的な強靱さをもって進行します。音のエッジは本当に鋭く、しかも発熱していそうですから、下手に手を触れることはできません。これでは横になどなっていられませんね。「てめえ、よく聴きやがれ!」と指揮者に怒鳴りつけられてしまいそうです。

この演奏はモノラル録音ですが、モーア(プロデューサー)・レイトン(録音エンジニア)によるものだけあって、音質に不満は全く感じません。それどころか、厚みのある弦楽器と舞台後方から聞こえてくるホルンソロ(無茶苦茶うまい!)、フルートなど、とてもバランス良く耳に届いてきます。これでステレオだったらどんな音になっていたんでしょうね。

新年はやはりこうした目の覚めるような音楽を聴きたいものです。ごろんとなって聴こうとした私をライナーおじさん、そしてベートーヴェンさん、どうか許して下さいね。


CD1月6日:旧東独オケ、大挙来日

新聞には相変わらずバレンボイム率いるベルリン国立歌劇場引っ越し公演の広告が掲載されていますね。バレンボイムはこの1月に、手兵を率いて来日し、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」を2回ずつ上演するとか。3回もですよ。それもコンサート形式による中途半端なものではなく、クプファー演出による本格的な舞台を見せるようです。私もひとつくらいは行きたいと考えてはいたのですが、薄給の身ではとても女房に言い出せません。ついこの前新しいスキー板を買ってもらったばかりですし...(-_-;)。

バレンボイムとベルリン国立歌劇場の来日公演はワーグナー以外にも、ブラームスの交響曲全曲演奏など、どうしてもベルリンの実力を見せつけたくて仕方ないという充実したものです。あの演目はもしかしたら本場より充実しているんじゃないかしら? バレンボイムにはあまり興味がないのですが、シュターツカペレ・ベルリンの音はぜひとも聴いてみたいなあ。ううう、困ったぞ!

それにしても、今年はすごいですね。ベルリン国立歌劇場の管弦楽団(シュターツカペレ・ベルリン)が去ると、2月にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、4月にはシュターツカペレ・ドレスデンが来日します。これほど旧東ドイツの団体がぞろぞろ来日するなんてあまり記憶がないと私は思うのですが、いかがでしょう。

最大の聞き物は、ゲヴァントハウス管でしょう。シェフがブロムシュテットになってどうなったか。かつてこのオケはクルト・マズアのもとで落ちるところまで落ちています(特別シリーズ「隣町のオケを聴く」ご参照)。ブロムシュテットがその後どう立て直しているか、あるいは建て直しはできなかったのか、が来日公演で分かってしまいます。ただし、私はかなり期待しています。ブロムシュテットは1975年から10年間、ドレスデンの首席指揮者でしたが、その間はシュターツカペレ・ドレスデンのひとつの黄金時代を築いているのです。ゲヴァントハウス管もきっと良い演奏を聴かせてくれると信じています。もちろん、ゲヴァントハウス管の東京での2公演はチケットを入手済みです。何だかとても楽しみですね。終演後はぜひ祝杯をあげたいものです。

なお、ゲヴァントハウス管は梶本音楽事務所、シュターツカペレ・ドレスデンはノア・コーポレーションがマネージメントしています。ベルリン国立歌劇場はNBSですね。


CD2002年1月5日:CD試聴記に「朝比奈隆のブル7」を追加しました。例の聖フロリアン寺院におけるライブ録音です。年初の更新が追悼になるとは...。


CD2002年1月3日:あけましておめでとうございます。

皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年はできるかぎり更新を行っていきたいと思います。昨年前半は仕事で新規事業立ち上げ、プライベートでは引っ越しという騒動があったせいで思うように更新ができませんでしたが、多分今年は少しくらいは落ち着くでしょう(^^ゞ。クラシック音楽をもっと詳しく知りたいという気持は以前から変わりがありませんし、もっと深く音楽を楽しみ、それを皆様に伝えられるようにしたいものです。

クラシック音楽はいろいろな角度から楽しみたいものです。春先以降はコンサートにも多く出没する予定です。シュターツカペレ・ドレスデンも来日します。何だか楽しみですね。

ただし、冬場は寒稽古をしなければいけないので(^^ゞ、その分はぜひ割り引いて下さいね。呆れ果てるほどの運動音痴である私は29歳でスキーをはじめ、今や40歳の大台に乗りました。もともと運動には向いていない身体なのですが、若い頃のようには長時間滑れなくなっています。また、年齢とともに技術の飛躍的な向上も望めなくなっています。が、それでもチャレンジし続けたいものです。

勝手気ままな私ですが、皆様、何卒よろしくおつき合い下さい。


(An die MusikクラシックCD試聴記)