ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2002年5月

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CD5月30日:レーベルの特徴?

先日、中古CDショップでこんなものを見つけました。

CDジャケットドヴォルザーク
交響曲第8番ト長調 作品88
スケルツォ・カプリチオーソ 作品66
録音:1957年6月28日
伝説 作品59から第4番、第6番、第7番
録音:1958年9月3日
バルビローリ指揮ハレ管
EMI(輸入盤 CDM 764193 2)

我が家では毎週CD購入を巡る激烈な家庭内闘争がありますが、こと「ドヴォ8」に関しては女房からのお咎めがありません。したがって、面白そうなCDはすぐ買います。今回発見したのはあのバルビローリ盤(もしかしたら今は廃盤なのでしょうか? 普通のショップでは見たことがないのですが?)。

「ドヴォ8」の演奏はいかにもバルビローリらしいもので、「丁寧に演奏しました」というより、「気持を込めて演奏しました。ちょっと燃えちゃいましたよ」という感じです。いつも期待を裏切らないバルビローリには本当に感心しますね。

さて、今回はバルビローリの話ではなく、このCDの録音についてです。やたらとすばらしい音なんですねえ。録音は1957年なのに見事なステレオです。ステレオ感は十分に取られ、さらに、楽器の音がクリアに、そして間近に迫ってきます。録音データを見ますと、「ドヴォ8」のプロデューサーは「Wilma Cozart & Harold Lawrence」、録音エンジニアは「Robert Fine」となっています。さらにリマスタリングには「Michael Dutton & John Holland」という名前が・・・。Wilma CozartとRobert Fineといえば、あのMERCURYの名コンビですね。音が良いに決まっています。

しかし、リマスタリングにDuttonが名前を連ねているせいか、MERCURY録音ほど強く、ダイレクトな音ではなくなっています。これがレーベルの特徴というものなのでしょうか? なぜ同じプロデューサーとエンジニアが取った録音なのに、これほど音が違ってしまうのか不思議です。MERCURYのCDならおそらくテープのヒスのイズ(多分)がしっかり再生されますが、このCDではそんな音がありません。もしかしたらあのヒスノイズらしきものが極めて重要な要素なのかもしれませんね。

このCDはEMIというより、Pye-Nixaのものですが、実はPye-NixaのCDを私は今回初めて買ったようなのです。CDを調べてみるとどうもそのようです。検証のために、他のCDも聴いてみたいです。まずはバルビローリ指揮の「新世界から」があるようですので、ぜひ探し当てたいものです。


CD5月25日:シュターツカペレ・ドレスデンのページに、「シュターツカペレ・ドレスデンのレコ芸推薦盤大全(1982〜1989)」を追加しました。作者は私ではなく、青木さんです。青木さん、ありがとうございました。

コンセルトヘボウ管のページの家主である青木さんにシュターツカペレ・ドレスデンのページまで作っていただくと、私の立場が...。もっとも、シュターツカペレ・ドレスデンのページを私はここ1年以上更新していないので、立場も何もあったものではありませんね(^^ゞ。今回青木さんがとりまとめて下さった50録音のうち、きちんと試聴記を書いてあるものはわずか1種だけ(ブロムシュテットの「英雄の生涯」)。80年代の録音にも思い入れのあるものが多いので、もう少し何とかしないと、「シュターツカペレ・ドレスデンのページ」が名前だけになってしまいます。

しかし・・・。カペレのページを更新するのは私の手に余る作業なので、どうしたものかと溜息をつくばかり。「おいらに任せろ!」という奇特な方はいらっしゃいませんか? コンセルトヘボウ管のページ形式で、An die Musik内の場所を提供いたしますよ!


CD5月23日:青木さんの「コンセルトヘボウ管のページ」に「コンセルトヘボウ管弦楽団のレコ芸推薦盤大全(1982〜1989)」を追加しました。青木さん、原稿ありがとうございました。


CD5月21日:2の次とは思うけど・・・

今日はスピーカーの話です。私は3階建ての家の3階の1室(7畳)をリスニングルームにしています。隣の部屋との間の壁をぶち抜き、14畳のリスニングルームにしようと目論んだのですが、買った家がツー・バイ・フォー、すなわち壁工法で設計されているため、それを断念しています。7畳間に鎮座するスピーカーはB&W社のMatrix802。引っ越し直後にはオーディオマニアのAさんにも来ていただき、セッティングをしていただきました。

しかし、このスピーカー、音がよくないようです(T_T)。というよりソースが少しでも悪いと本当に悪くしか再生してくれません。え? 当たり前だろって? えへへ・・・。私だって分かってはいるんですけどねえ。Matrix802はモニタースピーカーですから、「すてきな音」では鳴ってくれないんです。録音状態がかなり良いCDをかけると、それなりに鳴ってくれるのでありがたいのです。もし私が*あの*小型スピーカーを知らなかったら、何も不満が出なかったでしょう。その小型スピーカーとは以前もご紹介したSONYの製品アクティブスピーカーシステム SRS-Z1」(通称「オズ」)(スピーカー2台アンプ1台1組)です。

多分このスピーカーの音はSONYの「CDウォークマン D-E01」によるところも大きいとは思いますが、妙によく鳴るんです。というより、「すてきな音」で鳴ってくれるんです。どうも「オズ」では低周波がきちんと再生されないようなのですが(記憶が曖昧ですが)、今まで大編成のオーケストラやピアノ曲、オペラを再生しても何ら問題なく美しく再現してくれています。小型なので場所もとりません。2階のリビングにはこのセットを置き、家族と一緒に聴けるモーツァルトのCDなどをかけて楽しんでいます。しかも、最近1階の工事が終わったので、1階のリビング用にもこのセットを買ってしまいました(^^ゞ。総額45,000円程度ですからねえ。女房はこのセットを買うのであればオーディオセットを1階に置いてもいいと私に許可したのであります。

さて、そんなに「オズ」が気に入ったのなら、何も不満はないではないか、と思うでしょう? でも、ここが煩悩の始まりなんです。「オズ」は、驚いたことに、さほど優れた録音でなくてもある程度は優れた録音のように再生してしまうんです(かつてはソフトの善し悪しをかなりはっきり出す、と書いたのですが、ちょっと訂正します。それこそ古いモノラル録音でヒスノイズもたっぷりなんて代物でも、結構立派な音になってしまいます。ましてや、一定レベル以上のステレオ録音など、すんばらしく鳴り響くので聴き惚れてしまいます。信じられますか? 無論、最高レベルの録音では「をををを!」です。ソフトの善し悪しは十分出してはいるのですが...。

で、そこが私の悩みなんです。さほどの録音でなくとも「すてきな音」にしてくれるのはいいのですが、ありのままの姿を伝えてくれない場合もあるようなのです。何てったって「すてきに」響くんですからねえ。これは私のリビングの音響特性によるところももちろんあるのでしょうが、果たしてそれが本当によいものなのか心配になってきます。

実際Matrix802は、大音量でCDを再生したりすると、克明に音の善し悪しを見分けさせてくれます。多くの場合、ギスギスした録音だということが分かってゲンナリするのですが(^^ゞ、これはこれで貴重なものです(現実は厳しくも悲しいです)。スピーカーとして「すてきな音」を出してくれないスピーカーと、「すてきな音」を出してくれるスピーカーと、果たしてどちらがいいのか。何だか悩む毎日です。

もちろん、An die MusikのCD試聴記を書く際には両方のスピーカーを使って録音や演奏内容を確認しています。音楽を聴く上でオーディオセットなどは2の次、3の次だといつもは思っているのですが、たまには私もこのような煩悩に陥ることがあります。皆さんはいかがですか?


CD5月19日:すべてはここから始まった

ついにこんなCDが登場した。

CDジャケットベートーヴェン
交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
交響曲第5番ハ短調作品67
「レオノーレ」序曲第3番作品72b
カール・ベーム指揮ウィーンフィル
録音:1977年3月2日、NHKホールにおけるライブ
ALTUS(国内盤 ALT-026/7)

カール・ベーム最晩年の日本における人気は一体何だったのだろうか。まるで神様を崇め奉るようであった。・・・そんなことをいかにも訳知り顔で書く私だって、かつてはベームを神のように思っていたのであった。それもそのはず、私がクラシック音楽をまともに聴き始めたのは、このベーム指揮ウィーンフィルライブからなのである。当時私は中学3年生であった。

まだクラシック音楽になど興味のかけらもなかった私にウィーンフィルの話をやたらしたがる悪友のお陰で、私は1977年のベーム来日演奏をFMで聴かされたのだ。それもテープにまで収録しながら。ベートーヴェンの「運命」も、「田園」も、「レオノーレ」序曲もそれまで聴いたことがなかった。ベームのこの日の指揮で初めて聴いたのである。なぜか私はクラシック音楽がそのまま好きになり、テープに収録したテープを何回も聞き返した。テレビで放映された来日公演の模様も一所懸命見た。ついには、メロディーや演奏の間合いをすべて諳んじてしまった。

もし、この時私がベームの演奏に耳を傾けていなければ、今私はクラシック音楽を聴いていなかった確率が高い。どうしてそのままクラシック音楽を聴き続ける気になったのか不思議ではあるのだが、「カール・ベーム」という、当時最大級のブランドを頼りにクラシック音楽を追い求めていったわけだから、私にとって、最も重要な指揮者である。私がかなりドイツ・オーストリアものの、しかもオーケストラ曲を中心に音楽鑑賞をするようになっているのも、この人との出会いがなせる技なのだろう。

その後、私は最晩年のカール・ベームを高くは評価しないようになった。他の指揮者の演奏を数多く聴くにつれ、神とは崇めなくなった。最晩年のあの人気は過熱しており、異常であったと分かるようになった。最近では、「オペラはともかく、シンフォニーはどうもなあ...」などと宣う始末である。

しかし、このCDを改めて聴いてみると、カール・ベームはやはり立派なものだったのだと思う。ライブにつきものの乱れはあるものの、収録された3曲は実に見事な演奏で、私ははるか25年前の自分に戻って、かつての感動を追体験させられた。もしかしたらあの「運命」は駄演なのかもしれないが、私が初めて繰り返し繰り返し聴いた演奏だけに身体があの演奏に反応してしまう。「レオノーレ」序曲に登場する、天から舞い降りてくるように聞こえるフルートなど、今なお強く私を引きつけてやまない。「田園」を聴くと、宇野功芳氏が熱に浮かされたような賛辞を送っているのが頷ける。魅惑的なホルンセクション。ウィーンフィルがあのNHKホールでこのような鳴り方をしていたとは、驚きである。

今さら昔聴いていた演奏をCDで聴いても仕方がないかな、と思いつつこのCDを買ったが、25年の時を隔てても同じ感動が甦ってくるとは! 私の場合、すべてはこの演奏から始まっている。今にして思えば、クラシック音楽という豊饒の世界を私に直接に伝えたカール・ベームは私の大恩人である。ゆめゆめ疎略に扱ってはいけないと肝に銘じた次第。


CD5月6日:本日は2部構成でお届けします。・・・というほど立派な内容ではありませんけど。

その1:現況

ゴールデンウィーク後半はいい天気に恵まれてよかったですねえ。5月3日には久しぶりにテニスをしました。というより、3月1日にスキーで転び、ちょっとした肉離れを起こして以来まる2ヶ月ぶりのスポーツです。リハビリをかねてショートストロークを打っていたのですが、久しぶりに動くと、足が張ってきます。「こ、これはまずい」と思ってあまり激しく動かないようにしました。情けないです。

5月5日、今度は別のメンバーとまたテニスです(^^ゞ。今度は前回のリハビリが奏功したせいか、動きもスムーズです。華麗なステップでテニスをした、といえるでしょう(おっと、そんなわけはないなあ...)。ここ2ヶ月、肉離れのお陰で全くスポーツから遠ざかっていましたが、やはり体を動かすのはいいですねえ。あとは、年齢を考慮しながらスポーツをしたいです。まずは作者の現況報告でした。

その2:DVD

親切な読者から、な、なんとDVDプレーヤーを贈呈されてしまいました! ありがとうございました!

さて、私はオーディオルームにテレビなどの映像機器を置いていないので、DVDプレーヤーはリビングに設置しました。しかし、リビングには簡単なオーディオセットしかありません。それはこちらでご紹介したSONYのミニセットです。ミニセットでも音はとてもしっかりしているので、うまくつなぐ方法はないかと思案しました。そのセットを紹介して下さったAさんに確認してみると、DVDプレーヤーも難なく接続できるといいます。喜び勇んで教えていただいたケーブルを買ってきてつないでみると、これまたいい音で鳴ってくれるではありませんか! よがったー。早速DVD鑑賞会に突入しました。DVDプレーヤーを贈呈して下さったXさんは以下のDVDを特別に貸し出して下さっていたのです。

DVDジャケットクーベリック/わが祖国
PART 1
1990年「プラハの春」音楽祭オープニング・コンサートライブ
ファンファーレ:オペラ「リブシェ」より(スメタナ)
チェコ・スロバキア国家
連作交響詩「わが祖国」(スメタナ)
録音:1990年5月12日、プラハ・スメタナホール
PART 2
クーベリック/祖国との再会
リハーサル、クーベリックのコメントを含むドキュメント
クーベリック指揮チェコフィル
DVD DENON(国内盤 COBO-4040)

この有名なライブについては、CDも聴いておりますし、テレビでも放映されているので私もどのようなものかは十分知っていたのですが、このDVDにはクーベリックのリハーサルが収録されており、それが魅力となっています。

クーベリックさんのリハは結構文学的な説明が多いのが印象的でした。具体的にオーケストラに指示をする場合も、団員それぞれにとても気を遣っているようです。高圧的・威嚇的な雰囲気がありません。ひょっとすると撮影をある程度は意識しているのでしょうが、多分クーベリックはああいった人だったのではないかと私は思います。指揮をしている姿、リハを丁寧にしている姿を目の前の画面で見られたため、私はクーベリックをより身近に感じることができました。映像の力は大きいものですね。

さて、こうなると、やはりオペラも観たいものです。やはりクライバーの「ばらの騎士」あたりがいいでしょうか? で、でもDVDもタダではないのだ・・・。新たな家庭内闘争の予感が....。


(An die MusikクラシックCD試聴記)