ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2002年6月
6月29日:「ドレスデン・フォトギャラリー」を追加しました。写真撮影は、読者の片山さんです。片山さん、貴重な写真の掲載をご快諾下さり、誠にありがとうございます。実は、私はルカ教会に行ったことがないのですよ。今回初めてルカ教会の外観を見ることができました。ありがとうございます。
なお、読者の中にはこうした写真をお持ちの方が他にもおられるのでは? 差し支えなければ、当ギャラリーにご協力下さい。
6月28日:熱血マーラー
今日はベルティーニ指揮東京都響(以下、都響)によるマーラーの交響曲第6番を聴いてきました。場所はさいたま市の埼玉会館です(^^ゞ。ここは浦和駅から8分ほどの場所に位置する、いかにも田舎の公会堂程度のホールなのですが、マーラー指揮者として名高いベルティーニがはるばる来てくれるというので行ってみました。
先般サントリーホールでマズア指揮ニューヨークフィルを聴いた直後なので、都響のレベルが嫌でも分かってしまい、ちょっと気の毒ではありました。これが彼我の実力差か、と思わざるを得ません。が、演奏会の満足度は今日の方がはるかに上ですね(ニューヨークフィル B?席14,000円 都響S席6,000円)。ベルティーニさん、熱血です! 第1楽章、展開部あたりから白熱化していました。これはすごいな、などと思っていたら第4楽章が無茶苦茶激烈。白熱などというのもではなく、阿鼻叫喚です。ヒステリックで、攻撃的で、ヒロイックで、絶望的。これはマーラー演奏のお手本とも言える内容でした。すこしばかりオケの力が弱くても、指揮者の燃える棒がオケを引っ張って行くんですねえ。ベルティーニさん、第4楽章は後半それこそ畳み掛けるようにしてエンディングに持っていきましたから、私は聴いていて息をつく暇もありません(ここまで書くと大げさかな?(^o^))。都響はこの30分に及ぶ第4楽章のために体力を温存していたのでしょう、この楽章にかける意気込みは並々ならぬものが感じられました。すさまじい音量、物量攻撃でした。
CDを聴いておりますと、マーラーの6番とてソフトタッチの演奏があります。私はこの尋常ならざる曲に関しては軟弱な演奏を好みません。今回聴いたベルティーニの演奏は、バーンスタイン的な濃厚なマーラーでした。このようなマーラーらしいマーラーを聴けて嬉しいです。
仄聞するところによれば、ベルティーニ&都響は2年後にこの埼玉会館でマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」を演奏するのだとか。6番でさえ、ステージが一杯なのに大丈夫かな?
6月23日:「あなたもCD試聴記を書いてみませんか」のコーナーにアントン・ミントンさんによる「ブロムシュテットの「第九」を聴く」を追加しました。ゼンパー・オパー再建記念演奏会のライブですね。アントン・ミントンさん、原稿ありがとうございました。
6月17日:来るとまずい?
今日はサントリーホールに出かけてきました。クルト・マズア指揮ニューヨークフィルのコンサートです。演目はワーグナーの「ニュールンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「タンホイザー」序曲、ブルックナーの交響曲第3番(通称「ワーグナー」)でした。「ワーグナー」をキーワードにした選曲ですね。マズアさんはブルックナーを演奏した後、アンコールに金管だけによる「アメリカ」を演奏させました。これはバーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」の1曲です。
結果からいいますと、アンコールが猛烈にかっこよかったですo(^o^)o。さすがニューヨークフィルというべきでしょう。私が見たところ、マズアは指揮をしていませんでした。ブラスだけのアンサンブルで、横一列になった彼らがブンブンフゴフゴいっているんです。そのステレオ効果も相俟って痺れるほどのかっこよさ。いいですねえ。これだけでもコンサートの価値がありました。
逆にいえば、それ以外はちょっと・・・・という感じです。あまり玉虫色の書き方をすると誤解を与えるだけなので、はっきり書いてしまいますと、マズア・ニューヨークフィルは音が軽くて、重厚さには欠けます。「マイスタージンガー」の出だしから軽すぎてびっくりしてしまいました。しかも、マズアさん、音楽に表情をつけるのがあまり得意でないのか、表情付を意識して排除しているのか、どうも音量の大小に表現が傾く傾向にあるようです。まさか「大きな音で終わらせればいいだろ?」などとは考えていないと思いますが、結果的にはそのような音楽作りでした。そうなってしまいますと、先が読めてしまうのです。ワーグナーの2つの序曲が同じように終結しましたが、ブルックナーは案の定フォルテの個所だけ一所懸命演奏するというふうに聞こえました。こんなふうに感じたのは私だけかもしれませんが、フォルテだけガンガン演奏するブルックナーなんて楽しくないです(T_T)。それも先が読めてしまうのでつまらないこと夥しい。超絶的な弦楽セクション(文字どおり超絶的)や、強力に吹きまくるトランペット首席には敬意を払いたいと思いますが、仮にもニューヨークフィルという名人集団を使ってあのような演奏をしてしまうとはどうなのでしょうか?
マズアはゲヴァントハウス管を長期にわたって統率し、しかも言いようのない低迷を招いた人だと私は疑っています。しかし、今回はそのような先入観にとらわれないようにして聴いたつもりです。それでもやっぱり私は先入観にとらわれてしまったのでしょうか? ちょっと不安でもあります。
なお、マズアとニューヨークフィルは25日にもサントリーホールでコンサートをします。演目はマーラーの交響曲第1番。どなたか行く予定の方はいらっしゃいませんか? どのような演奏になるのか私は見当がついてしまうのですが、私とは全く違う聴き方をされてくる方もおられるでしょう。ぜひコンサート試聴記をお願い申しあげます。
6月6日:「あなたもCD試聴記を書いてみませんか」のコーナーにアントン・ミントンさんによる「プレヴィンのラフマニノフを聴く」を追加しました。アントン・ミントンさん、原稿ありがとうございます。ドビュッシーに続く2作目ですね。今後もよろしくお願いします(^^ゞ。
6月5日:カペレ・ディスコグラフィ
熱狂的カペレファンから「伊東さん、カペレのディスコグラフィーが出版されてるよ!」という情報を得た私は一目散にCDショップへ。件のディスコグラフィーを買ってきました。
saechsische
staatskapelle
dresden
complete
discography
compiled by
john hunt
このディスコグラフィーは300ページを超える立派な体裁です。まずは録音順に直近までの録音を網羅。さらに疑惑のある音源についての言及、指揮者別の一覧、作品別の一覧など利用者が知りたいと想定されるデータを並べています。ここまで作るにはデータベースを完璧に整備しなければいけませんから、大変な苦労があったと思われます。ただし、噂では間違いがいくつかあるとか。まだ私は詳しく調べていないのですが、間違いらしきものに遭遇はしていません。こんな録音があったのか、とこのディスコグラフィを眺めつつ、改めて溜息をついております。
しかし、情報の価値を認めはしますが、この本はどうも見にくくて仕方ないですね。上記タイトルが示すとおり、このディスコグラフィでは徹底的に大文字が排除されているのです。少し見ただけでは何とも感じないのですが、私には苦痛になっています。EMIはemiになっているし、Eternaはeterna、Beethovenはbeethovenです。人名も地名も、すべて小文字による表記です。こりゃたまらんです。
カペレにはゼンパー・オパー当局が作ったディスコグラフィーがありました(こちらをご参照)。それは今や少し古くなっているのですが、大変見やすく、重宝したものです。それと同じデータが、どうしてこんなに見にくくなってしまうのか? 貴重な情報源ですが、何とかならないものでしょうかね? 4,000円近くしたのでちょっと毒づいてしまいたくなりました(カペレ当局のディスコグラフィは現地価格で300円程度!)。まあ、好事家向けの本なんでしょう。カペレの音源をすべてチェックしたい方だけにお薦めです。
6月3日:「あなたもCD試聴記を書いてみませんか」のコーナー(な、長いなあ)にアントン・ミントンさんによる「ハイティンクのドビュッシーを聴く」を追加しました。
青木さん、先を越されてしまいましたね! これはコンセルトヘボウ管の録音の中でも特に優れているものの一つです。アントン・ミントンさんが所有するCDの音質がどうかが分かりませんが、すばらしい音で鳴っていませんか? 確か昨年リマスタリングされて再発もされているはずです。私も買いなおそうかな? おっと、青木さんからのレビューもお待ちしてたりしますよ!
6月2日:CD試聴記を久しぶりに更新! 「ブラームスの交響曲第4番の新旧演奏を聴く」を追加しました。
たった1回の更新でまとめるには無理がありましたかねえ? もっと細かく言及したいことがあったのですが、何卒ご容赦下さい。
(An die MusikクラシックCD試聴記)