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2007年9月

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CD2007年9月30日(日):交響曲第9番

今年11月1日のAn die Musik開設記念日に伴い、特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」を実施します。皆様、ぜひご参加下さい!

11月は過密スケジュールなので私の原稿をどうやってアップするか今から悩んでいるのですが、「交響曲第7番」「交響曲第8番」と続いた企画なので頑張ってみたいと思います。

 

CD2007年9月25日(火):サンパウロ

あなたもCD試聴記を書きませんか」のコーナーに「サンパウロ交響楽団を聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。 こんなCDがあったなんて・・・。それにしても優れた内容です。来年の公演時には招聘事務所がリンクを貼ってくるかもしれません。

 

CD2007年9月14日(金):ドラティ その3

ドラティは大編成オーケストラの華々しい曲を演奏する指揮者という先入観を私は若い頃持っていたのですが、大量に残された録音にはハイドンの交響曲全集をはじめ、大編成とは言えないものも多数あるようです。以下のレスピーギもそうですね。

CDジャケット

レスピーギ
リュートのための古風な舞曲とアリア

  • 第1組曲(オーケストラのための)
  • 第2組曲(オーケストラのための)
  • 第3組曲(弦楽合奏のための)

アンタル・ドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカ
録音:1958年6月、ウィーン
Mercury(国内盤 434 304-2)

この曲集は第3組曲の「シチリアーナ」が印象的で、昔某FM番組のBGMとして使われていました。それが誰の指揮でどの団体の演奏であったのか今も分からないのですが、もしかしたらこれなのではなかったかと思うことがあります。

注:その後、ネヴィル・マリナー指揮ロサンゼルス室内管の演奏であることが分かりました。斉諧生さん、ゆきのじょうさん、情報ありがとうございました(9月17日追記)。

まあ、それはそれとして。

かつてはMercuryの国内盤CDを買うと、輸入盤のディスクと英語表記のジャケットに日本語の解説がついていましたね。日本語の解説は英語版をそのまま訳したものではなく、オリジナルで作られていました。これがあったので、私はMercuryだけはわざわざ国内盤を買っていたものです(最近はかなり事情が違っているようですね)。

このCDにも平林直哉さんのユニークな解説がついていました。そこにドラティの自伝からの引用があります。それをさらに引用させて頂きます。

私はある実験をしてみることにした。私のブラームスの「交響曲第2番」が発売されたときに、ほかの15種類のレコードと比較してあれこれと書いたレヴューがあったので、私はBBCのレコード・ライブラリーに行き、フルトヴェングラー、ワルター、クレンペラー、ビーチャム、ワインガルトナーなど現在、過去の指揮者たちのブラームスの「交響曲第2番」を片っ端から聴いた。2日間の間私はほとんど食事や睡眠をとらずに集中し、20種類以上のものを聴き終えた。私は1つ1つの違いをよく記憶していないが、皆うまく演奏し、うまく指揮し、趣味がよくて公正に表現されていた。ある演奏はアクセントが強かったり、テンポもそれぞれ違うが、それらはたいした問題ではない。ブラームスの作品自体が持っている響きというものは20種類以上ものレコードを聴いた後でもまったく変わりはなかった。

いつこのCDを買ったのかすっかり忘れてしまったのですが、当時の私は同じ曲の様々な演奏のCDを聴き比べ、些細な違いを確認して楽しんでいたのでした。恥ずかしながらその傾向は今もさほど変わってはいません。そのためドラティが書いた上記文章を読んだ時、私は単に重箱の隅を突っついて喜んでいるだけのヲタッキーになっていることを自覚し、ちょっと恥ずかしい思いもしました。

今もう一度この部分を読んでみると、ドラティは演奏の多様性を認めつつもその中に紛れもないブラームスの音楽を聴き取っています。ブラームスを表現していればドラティにとっては問題ないのです。ドラティにとっては、と書きましたが本来我々クラシックファンにとってもそうなのではないでしょうか。

また、私の勝手な憶測に過ぎませんが、こんなことを書くからにはドラティという人、演奏を行うにあたっては「これが俺の音楽だ!」といったような自己主張を第一にしたのではなく、作曲家の意図を汲み取り、その実現に注力したのではないでしょうか。

作曲家が目指した音楽を再現できていれば、些細な違いなど取るに足らない。些細な違いをあげつらうことでマニアの自己満足はかなうかもしれませんが、それに拘りすぎると、大事なものを見失ってしまうのではと私はその時から危惧するようになったものです。

それなのに、このようなホームページを主宰し、些細な違いを確認して喜ぶ今の私はその時から一体どのくらい成長したのか、あるいは退化したのか・・・。その答えを知るのは恐ろしくもあります。

 

CD2007年9月12日(水):ドラティ その2

昨日は青木さんらしい包括的な試聴記を掲載しましたが、今日は私から枝葉の思い出話です。

ドラティは日本でどのように評価されているのかよく分からない指揮者の一人です。ドラティの名盤といえばストラヴィンスキーの3大バレエ(DECCA)、バルトークの「オーケストラのための協奏曲」(PHILIPS)が真っ先に挙げられますが、LP600枚に及ぶ録音をした割には「それだけ?」という印象を持ってしまいます。

CDも先頃やっとユニヴァーサルから再発されたものがありました。再発シリーズの中には私が鶴首していたものも含まれていたので、私はほとんど発売と同時にショップに駆けつけたのであります。

以下のCDはその一つです。

CDジャケット

R.シュトラウス
交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」作品30
交響詩「マクベス」作品23
交響詩「死と変容」作品24
アンタル・ドラティ指揮デトロイト交響楽団
録音:1982年10月、1980年6月、デトロイト、ユナイテッド・アーティスツ・オーディトーリアム
DECCA(国内盤 UCCD-3881)

オリジナルの組み合わせとちょっと違っているような気がします。というのは、私は20年以上前の学生時代に友人から借りて「死と変容」を堪能していたので記憶はあるのですが、定かではないのです。多分オリジナルの組み合わせは、今回別のCDに収録された「ドン・ファン」と「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」のはずです。私の記憶に鮮明に残っているのは「死と変容」で、寮生活時代、両隣の部屋の住人がいないことを確認して大音量で聴いていたものです。ある時、片方の隣人は寝ていただけだったので大変な迷惑をかけたこともあるのですが、全く豪快な演奏で、聴く度に痺れていたことを今さらながらに思い出します。

ところが、この録音はその後に再発されたのかどうか疑問なのです。少なくとも私の記憶にはないのです。友人にCDを返した後、できれば自分でも購入したいと思っていたので、時々はショップで探していたのですが、もしかするとしばらくカタログ落ちしていたのかもしれません。だからこそ、今回の再発ニュースにずっと前から注目していたわけです(私が気がつかなかっただけかもしれませんが)。

こうした思い出があるCDをしばらくぶりに聴くと幻滅することも多々あります。皆さんも「昔喜んで聴いていた演奏がこの程度のものだったのか」とショックを受けたことはありませんか? ご安心あれ、ドラティの演奏は20数年前の記憶を呼び起こすのに充分な内容でした。以前と同じように圧倒的迫力で迫ってきます。あらためてドラティの語り口のうまさを思わずにはいられません。20数年の時を超えても聴き手を納得させられるCDを名盤と呼んでも差し支えないでしょう。今度はカタログ落ちしないでほしいですね。

 

CD2007年9月11日(火):ドラティ

青木さんによる「コンセルトヘボウ管のページ」に「アンタル・ドラティのアムステルダム録音を聴く」を追加しました。大作ですね。青木さん、原稿ありがとうございました。本当にブームが来るかも!

 

CD2007年9月9日(日):アルプス交響曲

あなたもCD試聴記を書きませんか」のコーナーに「二人の若手ドイツ人指揮者によるアルプス交響曲を聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。

ゆきのじょうさんの「ふたつの」シリーズが好調です。よくこうしたCDを発掘されるものだと感心します。私もぜひ聴いてみたくなるのですが、今回のCDも入手にしばらく時間がかかりそうです。都心の大手ショップだと時々こうしたCDが並ぶのでしょうか。地方都市だとメジャーレーベルのCDが何とか入ってくる程度なので寂しい限りです。・・・というよりアンテナの高さと感度の問題なのでしょうね。

ところで、このところゆきのじょうさんの試聴記が続いております。皆様もご遠慮なさらずに原稿を書いてみて下さいね。

 

CD2007年9月8日(土):ばらの騎士

今日は渋谷のオーチャードホールでチューリッヒ歌劇場の「ばらの騎士」を観てきました。国内でオペラを観るのは贅沢すぎると自主規制していたのですが、どうやら今年は「ばらの騎士」の当たり年らしいので、後悔しないようにと女房には内緒にチケットを入手したのでした。

主なキャストは以下のとおりです。

元帥夫人:ニーナ・シュテンメ
オックス男爵:アレフレッド・ムフ
オクタヴィアン:ヴェッセリーナ・カサロヴァ
ファーニナル:ロルフ・ハウンシュタイン
ゾフィー:マリン・ハルテリウス
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト

大変満足度の高い公演でした。大時代的な舞台セットではなく、かなり簡素化したものでしたが、随所に工夫の後が見られました。何よりも歌唱と演技が立派。終演後、元帥夫人のニーナ・シュテンメに盛大な拍手がおくられていましたが、私はオクタヴィアンを演じたカサロヴァにとても感心しました。歌唱と同じレベルで演技ができています。表情のひとつひとつがオクタヴィアン。カサロヴァの歌うドイツオペラは「ばらの騎士」だけらしいのですが、実にすばらしい。

私が購入したのはC席でした。なるべく安い席を買おうと思っていたのですが、電話をかけたときにはC席以上しか残っていませんでした。C席でも23,000円です。仕方なく買った席でしたが、私は演奏を聴いて感涙にむせんでしまうほど満足したので結果的には必ずしも高い買い物ではなかったと思います。

ところで、今日「ばらの騎士」を聴いていて、自分がドイツ語圏の生まれであったならば、と何度も思いました。おおよそどの部分でどんな内容を語っているかは見当がつくのですが、逆に言えばその程度です。もし歌われているドイツ語を噛みしめながら聴ければ、さらに理解が深まるだろうにと悔やまれてなりません。ドイツでは「オペラの歌詞なんて荒唐無稽だから歌詞なんて分からなくて結構。気にするべからず」と何度も言われたものでしたが、「ばらの騎士」は荒唐無稽とはとても言えないのではないかと思っています。次の「ばらの騎士」公演は11月です。その際にはもう少しリブレットを研究していった方が良いかもしれません。

 

CD2007年9月7日(金):ジークフリート牧歌

あなたもCD試聴記を書きませんか」のコーナーに「二枚のジークフリート牧歌を聴く:謎についてのエッセイ」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。

台風が迫りくる中、木・金曜日と浜松に出張して来ました。前日からの台風情報に、まず東京駅に辿り着けるか、その次に浜松に辿り着けるか、と心配でしたが、無事に往復できてほっとしています。

 

(An die MusikクラシックCD試聴記)