アンタル・ドラティのアムステルダム録音を聴く
(文:青木さん)
■ ドラティ・ブーム到来す!
(1)当An die Musikの企画「ハイドン・マラソン」にて伊東さんらが、ドラティの大偉業であるハイドン交響曲全集を順次試聴中!
(2)ユニバーサル社のCD国内盤「20世紀の巨匠シリーズ」の7月新譜として、「アンタル・ドラティの芸術」全20タイトルが全国ショップにずらりと展開中!
という二事例だけをもってブーム到来と決めつけるのには無理があることは重々承知ですが、生誕100年のアニバーサリー・イヤーだった去年のさみしさとはうってかわっての盛り上がり(喜)。先日立ち読みしたレコ芸でも、月評の再発欄で軒並み推薦印が付けられていました。地味な存在のドラティがこれほど露出することは今後もなさそうなので、ブームを宣言できるような機会はいましかありません(哀)。
ところがその国内盤のシリーズは、ロンドン響やミネアポリス響などを指揮した50〜60年代のマーキュリー録音群と、デトロイト響などを指揮した70〜80年代のデッカ録音群とで構成されていて、コンセルトヘボウ管などを指揮したフィリップス録音はまるきり無視される始末(泣)。そこで当「コンセルトヘボウの名録音」でもドラティにスポットを当て、及ばずながらこのブームに貢献できればと考えたわけでして。しかしながら現実には手に入れにくいものも多く、そういうのを再発ラインナップに加えろよ(怒)!といういつもの結論になりそうな気もしますけど。
■ モノラル期〜ステレオ初期の録音
スメタナ
交響詩「わが祖国」全曲
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1956年9月 コンセルトヘボウ、アムステルダム(mono)
フィリップス(輸入盤:Universal 476 8717)そんな中、レア盤の宝庫であるオーストラリア・ユニバーサルのエロクァンス・シリーズにて、「わが祖国」旧録音がCD化されたことは快挙です。とはいえこの有名曲のよさがイマイチ理解できないワタシには猫に小判なのですけど、ベイヌム先生時代のコンセルトヘボウ管の芳醇馥郁たる極上サウンドはやはり魅力的。その重厚で密実な腰のあるサウンドをみごと捉えた録音は、モノラル時代の最高水準といえましょう。
ドヴォルザーク
交響曲第9番 Op.95「新世界より」
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1959年9月21-22日 オランダ
フィリップス(国内盤:マーキュリーミュージック PHCP9317)その3年後、1959年9月に行われたレコーディング・セッションは、すばらしい名演奏ばかり。まずFosterさんもご愛聴という新世界交響曲は、7年後のデッカ再録音(ニュー・フィルハーモニア管)とはまるで違うユニークな演奏です。テンポも表現も緩急自在な両端楽章、いかにも欧州調の音色なのにちょっとジャジーなノリのラルゴ、演奏時間6分台という異常高速スケルツォ、そして全体を貫く活きいきとした躍動感。まったくすごい快演。もちろんオーケストラの美音と名技も聴きものです。録音はモノラルの「わが祖国」にくらべると重量感はほどほどながら、クリアさ(くっきり分離するティンパニ!)と溶けあいのバランスが絶妙で、おおいに満足できるもの。
国内盤CDはシフ&デイヴィスのチェロ協奏曲とのカプリング。廉価盤「スーパー・セレクション」シリーズの一枚として1995年6月に発売、このときは同時に後述の「ファウスト交響曲」やマリナーの「エニグマ」も初CD化され、当時最安値の1450円という定価やオリジナル・ジャケット採用ということもあって大興奮したものでした。現在は同じ組み合わせにて、これもオーストラリア盤で出ているもよう。
ベルリオーズ
「ファウストの劫罰」Op.24 〜鬼火のメヌエット、妖精の踊り、ハンガリー(ラコッツィ)行進曲
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1959年9月
フィリップス(輸入盤:Decca 464 092-2)これは、「幻想交響曲」の回で採りあげたオッテルロー指揮ハーグ・フィルのCDに入っているもの。計3曲13分ほどしかなく、当初はどういう組み合わせで出たのかよくわからない録音です。速いテンポでシャキシャキ進行する演奏と管弦楽のコクのある音色の対比が奇妙に魅力的な「ラコッツィ」一曲だけでご飯三杯食べられそうな満足感。
ウェーバー
序曲集(魔弾の射手、オベロン、オイリアンテ)
録音:1956年9月 アムステルダム
フィリップス(輸入盤:462 868-2)DUOシリーズの”THE BEST OF WEBER”の冒頭に収録。これもたまらんです。聴かせじょうずなおもしろい演奏ではないのですが、高速でキビキビと駆け抜ける、辛口かつ颯爽たる快演。三曲を一気に楽しめます。「魔弾の射手」冒頭のホルン、「オベロン」の序奏から主部へ入る瞬間のトゥッティ、「オイリアンテ」のティンパニの轟きなど、オーケストラの魅力も全開です。
LP時代にはフォンタナ・レーベルの「グロリア・シリーズ」で出ていた音源。で、この三曲に「プレツィオーザ」とシューベルト「イタリア風序曲」を加えたエピック・レーベルの古い輸入盤LPを数年前に中古ショップで手に入れました。これがオリジナルの形態ということなのでしょう。
以上の三点の音質について。ステレオ初期のフィリップス録音にある程度共通することなのですが、左右の拡がりを重視したせいか音の密度がやや犠牲になり、マッシヴな量感に乏しい軽めのサウンドになっているのがちょっと残念です。ウェーバーのLPはモノラルなので、かえってその不満点が感じられないというアイロニー。いやこれは俗にいう〔LPのほうが音がいい〕というやつなのか。このモンダイを追求していくと「アナログ・マニア」になってしまいそうで、危険です。なかったことにしないと・・・
この時期にはほかに次のような録音があるようです。上記ウェーバーやベルリオーズのように、海外では思わぬ形でCD化されているかもしれません。それよりもアナログ盤を探せ、という悪魔のささやきが・・・
・ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」(1952.2.21-22録音)
・チャイコフスキー:交響曲第4番
・エルガー:威風堂々第1番■ 70年代の録音
チャイコフスキー
バレエ「くるみ割り人形」Op.71 全曲
ハールレム聖バーフォ大聖堂少年合唱団(ヤン・ヴァルケステイン指揮)
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1975年6月30日-7月5日 コンセルトヘボウ、アムステルダム
フィリップス(輸入盤:442 562-2)チャイコフスキー
バレエ「眠りの森の美女」Op.66 全曲
テオ・オロフ(ヴァイオリン)、ジャン・ドゥクルー(チェロ)
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1979年5月28日-6月12日,1980年6月25-26日,1981年1月19-20日 コンセルトヘボウ、アムステルダム
フィリップス(輸入盤:446 166-2)空白の60年代を経て、70年代には得意のバレエ音楽「くるみ割り人形」と「眠りの森の美女」をともに全曲録音。後者のレコーディングはあしかけ3年にも及んでいて、アナログからデジタルへの過渡期に重なっていることもあり、なにかいろいろ苦労があったのでは・・・といらぬ想像をしてしまいます。ワタシにとっては全曲を聴くのが正直疲れる作品なのですけど(特に「眠りの森」)、組曲でなじみのナンバーの充実度――明晰で躍動的な表現とシンフォニックな響きの相乗効果――はたいへんなもので、聴きごたえのある上等な演奏です。究極の域に達したフィリップス・サウンドのすばらしさについてはいうまでもありません。「そのままバレエの上演に使える抜群のテンポ感」という批評をなにかで読んだ記憶も。
なおDUOシリーズで出ている「くるみ割り人形」の余白は、フィストラーリ指揮ロンドン響の「眠りの森の美女」ハイライトで埋められています。フィストラーリはドラティが遺さなかったへボウとの「白鳥の湖」を抜粋形式でデッカに録音しているので、今後はそれをフィル・アップすればスッキリすることでしょう。
リスト
ファウスト交響曲
ラヨス・コズマ(テノール)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団合唱団(アーサー・オールダム指揮)
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1982年1月13-15日 コンセルトヘボウ、アムステルダム(live)
フィリップス(国内盤:マーキュリーミュージック PHCP9330)国内盤はいきなり廉価CDで初発売されたもので、つい最近も大手輸入ショップから再発売されました。これも個人的には冗長感を否めない曲なんですが、いかにもドラティらしいキビキビ感のせいか、ショルティ盤やシノーポリ盤よりは退屈の度合いが小さいような。しかしながらいつもの剛直さは変わらず、さすがにこのような作品の場合はもうちょっとクサい演出で盛り上げてもいいのでは・・・と思うのも事実。声楽が出てくるラストのパートはいい感じで盛り上がります。録音はまずまず。
■ 80年代の録音
バルトーク
管弦楽のための協奏曲
二つの映像 Op.10
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1983年6月27-29日 コンセルトヘボウ、アムステルダム
フィリップス(国内盤:日本フォノグラム 32CD54)このオケコンは、LP600枚分あるといわれるドラティの全録音の中でもっとも評価が高いもののひとつでしょう。オケコンの録音としても代表盤に数えられるものであり、かつて当シリーズでも採りあげました。しかしほとんど語られることのない「二つの映像」の演奏も、けっして水増し用の埋め草レベルではありません。デトロイト響とのデッカ録音からたった5年後の再録音。それなりの意味がある名演なのです。
一曲目の「花ざかり」は解説書にも書いてあるようにドビュッシーぽい音楽で、このオーケストラがフランスものを演奏したときにかもし出される独特の濃い個性がここでも聴かれます。続く「村の踊り」はハンガリー色が強い曲なので、素朴な荒々しさと美しい合奏美が絶妙に調和するというオケコン系の名演。というわけで、バルトークが狙ったであろう両曲の鮮やかな〔対比〕が、オーケストラの個性をめいっぱい活かしてくっきりと描き出されております。へボウ・ファン必聴というべき名演なのですが、再発CDでは別のオーケストラによる「弦チェレ」などにとって代わられています。中古ショップなどで初回盤を探すしかありません。
なお、バルトークの翌月に彼らはデッカでレコーディングをしています。アンドラーシュ・シフの伴奏を務めた協奏曲アルバムで、ショパンの2番とシューマンの組み合わせ。当時ドラティはデッカでデトロイト響との録音を量産していて、それらのプロデューサーが主にジェームズ・マリンソンであるのに対してこのCDはマイケル・ハース。へボウの起用はシフ側の希望だったのでしょうか。
スメタナ
交響詩「わが祖国」全曲
ドヴォルザーク
序曲「自然の中で」Op.91
アンタル・ドラティ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1986年10月6-10日 コンセルトヘボウ、アムステルダム
フィリップス(国内盤:日本フォノグラム 30CD692-3)ドラティとへボウのラスト・レコーディング、それは「わが祖国」30年ぶりの再録音でした。話としては感慨をおぼえますし質感と立体感のある録音も最高なのですが、個人的には苦手曲ということで、どうせならなにかべつの――たとえばドヴォルザークの序曲や交響詩の――録音のほうがよかったのに・・・と無益なないものねだりをしてしまうその原因こそ、2枚組の余白を埋めるためにつけ加えられたような「自然の中で」のすばらしさなのです。
前述した「新世界」をはじめ、実際に聴いてみないととても信じられない「スラヴ舞曲集」の圧倒的名演奏(ロイヤル・フィルを指揮したデッカ盤)、伊東さんも絶賛されていた秘曲「アメリカ組曲」「チェコ組曲」など、ドラティは格別にドヴォルザークを得意としています。ここでも、深々として充実しきった響きのオーケストラを悠然とドライヴし、聴きごたえ満点の堂々たる演奏を展開、圧巻。ところが「わが祖国」の再発CDは全曲が一枚に収められ、その結果この曲は行き場を失っています。これまた初回盤を探すしかないわけで、こういうものを集めた編集盤を「アンタル・ドラティの芸術」シリーズに加えようという気のきいた企画者が、いまのユニバーサル社にはいらっしゃらぬのでしょうかねぇ。
■ 附録
と文句をつけて終わるのもまた気がきかぬことです。オマケとして、フィリップスやヘボウ以外の録音から強力にお薦めしたいものを三点だけ選んでみます。
チャイコフスキー
大序曲「1812年」Op.49、イタリア奇想曲 Op.45、スラヴ行進曲 Op.31
アンタル・ドラティ指揮デトロイト交響楽団
録音:1978年4月 ユナイテッド・アーティスツ・オーディトリアム、デトロイト
デッカ(国内盤:ユニバーサル UCCP3211)ドラティの「1812年」といえば、ミネアポリス響を指揮したマーキュリーのステレオ盤があまりにも高名。その彼が、前年に音楽監督となったデトロイト響との初録音(の一つ)に選んだのもこの曲でした。この二つを聴きくらべてみて感じたのは、マーキュリー盤の特徴である強烈なハイ・ファイ・サウンドも〔1958年の録音としては〕というただし書きつきに過ぎず、演奏を含めたすべての面でこのデッカ盤のほうが上等だということ。ミネアポリス響はヘタというほどではないものの、デトロイト響にくらべると明らかに聴き劣りがします。各楽器がバラバラに自己主張しているようで、まとまりというかブレンドというか、一体感が感じられません。ウリの大砲や鐘も、いまとなってはさすがに過剰気味。
デッカ盤にはそういった不満はほとんどなく、なおかつスペクタキュラーな凄さ楽しさはちゃんと備わっていて、じつにみごとなバランスです。他の二曲も風格あるりっぱな演奏で、これらの曲にウンザリしている方でもかなり満足できるはず。CDは、ある時点まではキングレコード社から出ていました。ユニバーサル社の「クラシック文庫」シリーズで2003年に出た廉価CDは、ワシントン・ナショナル響を指揮した「ハムレット」「ロミジュリ」もフィルアップされていて、大推薦の一枚です。
ベートーヴェン
交響曲第6番 Op.68「田園」
アンタル・ドラティ指揮ロンドン交響楽団
録音:1962年7月15,17,20日 ワトフォード・タウン・ホール
マーキュリー(国内盤:ユニバーサル UCCP9456)いやまあ、40年以上も前にこれほど超モダンなベートーヴェンが録音されていたとは、ちょっとした衝撃です。ひたすら明快・明晰で剛毅一直線、ぶっきらぼうで歯切れのいいフレージング、ゴリゴリ迫る低音、醒めているのか熱いのかさえよくわからない、しかしまるでケンカ腰のような痛快演奏。といっても奇をてらったトンデモ演奏などではなく、むしろ古典美の枠内にちゃんと納まっている。まったく絶妙です。個人的には、ときどき巡ってくる〔古典派倦怠期〕に気乗りせぬまま聴いたせいか、アタマ殴られたようなショックでした。
CDは第5番との組み合わせ。そちらも同傾向の演奏ながら、曲が曲だけに「田園」ほどの強烈さはありません。逆にいうと(今回出た第7番や序曲類ともども)曲想にマッチしたハードでシャープな名演奏ということができます。国内盤は2003年に「マーキュリー・リヴィング・プレゼンス・ベスト20」シリーズで出ていて、探せば店頭在庫がまだ残っているかも。
そして最後の一点。これはやはりハイドン交響曲全集ではあるまいか…デトロイト響とのデッカ録音やロンドン響とのマーキュリ録音をあらかた揃えるほどの〔ドラマニア〕となったいま、いよいよそれを購入し「ハイドン・マラソン」に追撃参戦すべきであろう!
と考えてCDショップに向かいました。しかし店頭でいざ現物を手に取ると、ずっしり重い33枚組という大ボリュームに3万円近い価格はやはり脅威。うーんどうすべきか…と激しく迷いながら店内をうろついているうちに、コレが目に入ってきたのでした。
ANTAL DORATI 100th ANNIVERSARY
コープランド:市民のためのファンファーレ/ロデオ〜4つのダンス・エピソード/エル・サロン・メヒコ/舞踏交響曲/アパラチアの春
バルトーク:舞踏組曲/二つの映像/管弦楽のための協奏曲
ヴァイネル:ハンガリー民俗舞曲集
コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ
ドラティ:トリッティコ
ストラヴィンスキー:幻想的スケルツォ/ミューズの神を率いるアポロ/春の祭典
ビゼー:カルメン第1組曲・第2組曲
ドビュッシー:夜想曲/イベリア
ドヴォルザーク:スラヴ狂詩曲
J.シュトラウス2世:美しき青きドナウ/酒・女・歌
ワーグナー:ワルキューレ〜ヴォータンの別れと魔の炎の音楽
チャイコフスキー:イタリア奇想曲
R.シュトラウス:ドン・ファンデッカ(輸入盤:475 7615-2)
ドラティ生誕100年記念のCDボックス・セット。こんなの出てたのね。すでにあまねく浸透していると思われるハイドン全集よりもほとんど売れてなさそうなこの6枚組を購入してこそのドラマニアであろう! といきなり方針転換。伊東さんごめんなさい。
しかしコレはなかなかよいセットです。近・現代作品中心のセレクト。6枚のうち3枚はコープランド、ストラヴィンスキー、バルトークに割り当てられ、前二者はデトロイト響とのデッカ録音ですがバルトークはフィリップス音源。「二つの映像」は1978年のデトロイト版ではなく、前述したコンセルトヘボウ管とのものですので、オケコンの初出CDをお探しの方には好適。残る3枚はアラカルトで、中にはラムルー管との「カルメン」組曲(たぶんフィリップス)、ロンドン・フィルとのJ.シュトラウス、そして自作曲などの激レア音源も。
ではその”TRITTICO”の自作自演を聴きましょう。ハインツ・ホリガーのために1985年に作曲されたという三楽章の作品で、「オーボエ・ダモーレ、オーボエ、コール・アングレと弦楽器のための」と副題がついていますが、独奏者のクレジットはホリガー一人だけ。多重録音でもしているのかと思いきや、これは楽章ごとにソロ楽器を持ち替えるという趣向なのでした。鋭くエッジの立ったストリングスの響きとオーボエ系楽器が調和したり反発しあったりとめまぐるしいものの、いまや現代音楽にあまり抵抗がなくなったワタシの耳にはすんなり入ってきて、けっこう楽しめます。なぜかこの曲だけ録音データの表記がないのですが、ライヴ収録のようです。
あと、このボックスには入っていませんけど、今回の廉価シリーズにもラインナップされたロイヤル・フィルとの「スラヴ舞曲集」はとにかく最高です。至福の70分を過ごせること請け合い。
(2007年9月11日、An die MusikクラシックCD試聴記)