「わが生活と音楽より」
わたしのカラヤン 第7章:
カラヤンのマーラーについての管見■ エピローグ:もう一つの「カラヤンのマーラー」
■ 謝辞文:ゆきのじょうさん
ニールセン:
交響曲第4番作品29「滅ぼし難きもの」ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー
録音:1981年2月21-23日、ベルリン、フィルハーモニーザール
ポリドール(国内盤 F35G 50179)前項のように、カラヤンは第9番でマーラーの録音と演奏を終えました。しかし、カラヤンがそれまでのマーラー演奏で培ってきた演奏方法論も「封印」するというのは別問題だったと考えます。他の曲で求めた結果、録音されたのがこのニールセンではなかったかと私は想像します。前述の通り、このニールセンを、カラヤンはマーラーの交響曲と同じように演奏していると感じるからです。そして、もうお気づきでしょうけど、ジャケットにはあの「虹」が登場するからでもあります。私が知る限り、マーラーで「虹」の意匠が用いられてから、カラヤンのディスクで「虹」が登場したのはこのディスクだけです。
さらに、私が所有する国内盤初出と考えられる1982年発売のディスクに収められている解説書の裏表紙は、1984年に発売されたマーラーの第9番ライブ録音盤の表紙を飾ったカラヤンの写真と同じものが使用されていたことも付け加えさせていただきます。
■ 謝辞
この冗長な原稿を終えるにあたり、「カラヤンのマーラー」の音楽を考える上で大変参考となる論説「クーベリックのページ」での「マーラーを聴く」シリーズを執筆されています松本さんに深謝いたします。なお、2009年8月現在において、松本さんがそのシリーズで採りあげた「クーベリックのマーラー」は計5回になっていますが、とても興味深いことにカラヤンが録音したマーラー楽曲を除いて採りあげてきているという偶然(?)を、ここに特記しておきたいと思います。
また、本稿について執筆を渋っていた私を後押ししてくださいました、本サイト主宰の伊東さんには言葉に尽くせないほど感謝しております。
そして、ここまでお読みくださった方々に最後に厚く御礼申し上げます。
2009年9月10日、An die MusikクラシックCD試聴記