ARCHIVE OF WHAT'S NEW ?
99年4月後半

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4月30日:休載のお知らせ

本日はクレンペラーのページを更新する予定で、準備も完全にできていたのですが、どうしても気分が乗りません。残念ですが、私の気分が上り調子になるまでしばらくお待ち下さい。

なお、An die Musik は明日から最低1週間お休みをいただきます。別に私がどこかに旅行に行くわけではありません。仕事が忙しく、ゴールデンウィークもずっと出社であります。更新はしようと思えば十分できるのですが、あまりに激務が続いていますので、世の中がゴールデンウィークに入ったのを機会に、私も一リスナーに戻って音楽に親しみたいと考えています。ゲストブックやメールの対応はもちろんいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

なお、ひとつお願いがあります。マイクロソフトのインターネット・エクスプローラーをお使いの方に対してです。ホームページを立ち上げて以来、いろいろな方からメールをいただくのですが、できますれば、オプション画面を一度確認していただけないものでしょうか?マイクロソフトのメーラーでは初期設定がHTML形式での送信になっているはずです。これをテキストファイル形式にしていただけないものでしょうか。HTML形式ですと、私のメーラーであるEUDORA Pro ver.3.0 でも受信はできるのですが、返信をする際に文字化けする可能性が非常に高く、せっかくいただいたメールに正しく対処できないのです。元々このようなユーザーを全く無視したマイクロソフトに責任があるのですが、マイクロソフトを責めても何の解決にもなりません。しかもパソコンを買えば、最初からインターネット・エクスプローラーがインストールされていますので利用者は増えるばかりです。勝手なお願いである上、大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。


4月29日:N響の指揮者

先日NHKで放映されたマタチッチとN響のコンサートをビデオに撮っておいたので、女房さんと一緒に見ました。何ともいえない指揮ぶりですね。老齢のために、あまり体を動かすことができないのでしょう。指揮棒を振るのもおっくうな感じです。マタチッチの指揮で面白いのは時々「にやーっ」と笑うことですね。見たことがない人にはわかりにくいのですが、ちょっと、いや、相当不気味であります。

最晩年のマタチッチは日本の音楽ファンにとって、神様のような存在でした。有名オケと来日するわけでもなく、わざわざN響を指揮しに来るわけですが、N響の指揮者であのように熱狂的に迎えられた人はあまりいないのではないでしょうか。かつてN響はスイットナー、ホルスト・シュタイン、サヴァリッシュというドイツ音楽の伝統を守る楽長たちを盛んに招いては定期演奏会を開いていました。が、彼らはN響を指揮してしまうが故にあまり大した名声を得ることもなく、ほとんど忘れ去られてきました。

スイットナーに至ってはベルリンの壁崩壊後、病気だという噂がありましたが、パージされたという話もあるようです。いずれにせよ、姿を隠してしまったことには変わりありません。名指揮者ですから早く復活してほしいところですね。

ホルスト・シュタインは、ドイツ・オーストリアでは大変活躍しているようですが、活動の中心がオペラハウスであるため、日本ではどうも人気が今ひとつです。去年Kochから出たブラームスのCDも値段が高かったせいか、あるいはマイナー・レーベルから出たせいか、はたまた不気味なルックスのせいか、ほとんど話題にならずじまいでした。全くもったいないことです。

サヴァリッシュは今やシンフォニー指揮者として大活躍ですが、この人の指揮で聴きたいという曲が思いつかないところが、何ともこの人らしい点でしょう。有名なシューマンの交響曲全集も、主役はオケであって、サヴァリッシュではないような気もします(これはちょっと言い過ぎかな?)。

このN響が誇る3Sと比べると、マタチッチは図抜けた評価をされていたはずです。84年に演奏されたブルックナーの交響曲第8番は大熱演として有名で、CD化されましたし、テレビでも何度も放映されました。あんな豪快な指揮者がいなくなったと思うと残念であります。

しかし、泣かず飛ばずの指揮者を多く抱えてきたN響もいよいよデュトワというスターを手に入れたわけですが、モントリオールのようにオケが飛躍的に成長することを祈ってやみません。


4月28日:クレンペラーのページに「クレンペラーのショパン」を追加しました。ピアノはアラウです。

世の中はいよいよゴールデンウィーク。いいですねえ。羨ましいです。私の会社はゴールデンウィークがないどころか、土曜日も出社であります(*_*)。頑張ってCD代を稼がねば。


4月27日:バルビローリのマーラー

昨日のCD試聴記には、最初はゼルキンのピアノではなく、バルビローリのマーラー・交響曲第4番を取り上げるつもりでした。例のBBC LEGENDSシリーズの1枚です。

書いてしまっても良かったのですが、どうも書き始めるとうまく書けないのです。好意的に書いて良いのやら、けなして良いのやら、最後まではっきりしなかったのです。「こんな中途半端な文章を載せるわけにはいかない」と思って結局ボツにしてしまいました。確かに演奏はバルビローリのマーラーらしい雰囲気がするし、1967年のライブ録音だった割には気味が悪いほど音質も良いのですが、全体としては楽しめない内容でした。

理由は何か。それはBBC響のトランペットの音色であります。残念ながら、あのトランペットはいただけないです。ライブ録音とあっては多くを求めることはできません。しかし、それを考慮したとしてもあの音色は音楽的でなさすぎます。全くぺしゃんとした音で張りがないのです。まるで極東某国のオケのようで、聴いていると悲しくなってきます。何もトランペットだけで演奏全体をけなしてしまうことに気が引けるのですが、どうしたものでしょうか?やはり「バルビローリのマーラー」ということで、期待が高すぎるのかもしれません。みなさんはどう思われますか?


4月26日:CD試聴記に「ルドルフ・ゼルキンのピアノに浸る」を追加しました。曲目はいろいろ。780円CDでした。


4月25日:教育テレビ「シャルル・デュトワの若者に贈る音楽事典」

最近のNHKテレビのクラシック関係は大変充実してきましたね。もしかすると前からこんなに充実していたのかもしれませんが、ちょっと気にし始めると面白そうな番組が目白押し。昨日も「シャルル・デュトワの若者に贈る音楽事典」が10回シリーズで開始されました。世界的な大指揮者であるシャルル・デュトワを起用して10回番組を作るというのはすごいことです。ギャラだって大変でしょうし、そもそもスケジュールを押さえるのも一苦労だったのではないでしょうか。番組ではデュトワは単なる話し手として出てくるだけではなく、何とビバルディなどの作曲家に扮して登場します。ひょっとすると、デュトワ自身がこんなことを以前からやってみたくてしょうがなかったのかもしれません(きっとそうだ!)。

番組内容は啓蒙を目的としているわけですから、マニアが驚いてしまうような情報が盛り沢山というわけにはいきません。しかし、ベネチアをはじめ、クラシック音楽に関わりのあるさまざまな場所でロケを行っているため、視覚的に楽しめます。サン・マルコ広場などを見ていると、それだけでも嬉しくなります(単細胞な私だけかな?)。またまたヨーロッパに行きたくなってしまいました。そのうえ、オペラハウスなどを見ていると、体がうずうずしてきてたまりません。日本にまともなオペラハウスが一つとしてないことがよけい憧れを強くしてしまいます。その意味では罪作りな番組でもあります。

話を元に戻しますと、「シャルル・デュトワの若者に贈る音楽事典」第1回は「歴史はベネチアから始まった」でした。昨日の放映時間は午後8時から9時。毎週同じ時間になるかどうか疑問ですが、楽しみです。ご家族と一緒に見るときっと楽しいですよ。


4月23日:「ときめきウィークエンド」のページを追加しました。なんだかすごく恥ずかしいタイトルですね(^^ゞ いつもクラシックばかり聴いているのもなんなので、顰蹙を買うことは覚悟のうえで、こんなページを作ってしまいました。クラシック音楽以外のCDを、全く不定期に掲載いたします。ご容赦下さい。


4月22日:家庭内闘争

先日ゲストブックに、奥さんの視線を気にしながらCDを買い集める読者の書き込みがありました。苦労されてますねえ。他人事ではありません。私も結婚直後、女房さんの強い反発に会いました。

特に私の場合、買ってくるCDの枚数が多かったため、大変でした。女房さんは、まさか世の中にこれほど大量にCDを買ってくる人がいるとは夢にも思わなかったので、私のことをとんでもない浪費家だと思ったようです(そのことは決して間違いではないかな?)。

さらに、よく見ると、どうも同じ曲のCDばかり買ってきているようです。これは女房さんにとって大きな疑問だったといいます。「なぜ同じ曲のCDがいくつもあるのか?1枚あれば足りるのではないか?どうせ同じ曲なのではないか?」ということです。

みなさんも私と同様、同じ曲のCDをたくさん持っていませんか?クラシック音楽を聴き始めると、しばらくはいろんな曲を聴きたい、知りたい、という欲求が強くなり、バロックから現代音楽までどんどんかじっていきます。しかし、ある程度聴き続けると、クラシック音楽では演奏家によって、演奏が信じられないほど違ってくるのに気がついてきます。ここからが大変なのです。そうなると、たとえばモーツァルトの「ジュピターで」あれば、「ジュピター」ばかりどんどん聴いてみたくなります。その結果、CDは山のように増えてくるわけです。

さて、女房さんにこの事情を理解してもらうためにはどうすればよいでしょうか。女房さんの理解がない限り、われわれは家の中で虐げられ、邪魔物扱いされてしまいます。私どもの趣味を追求していくためには何とか女房さんを静かにさせなければなりません。

簡単な方法が一つあります。一度、女房さんを隣に座らせて、女房さんが好きな曲を徹底的に聴き比べすればよいのです。

我が家の場合、女房さんがかつてブラバンで演奏したことがあるというシベリウスの「フィンランディア」を使いました。その際に聴いたCDは10枚。冒頭の数分だけを全部聴かせました。これは大変な効果がありました。あまりの違いに女房さんもびっくり(その違いは聴き比べを企てた私の想像以上でした)。演奏家によって演奏が全く異なり、聴き比べがすることがいかに価値のあることか、おかげでよく理解してもらえました。それ以来、同じ曲のCDを買ってくることに対してはとやかく言われることは非常に少なくなりました。

ところが、女房さんもしばらくしてその理解がなんの解決にもなっていないことに気づきます。CDが増えてくることに全く変わりがないからです。猿並の頭脳の女房さんでも「どうも騙されたのではないか」と気がついてしまいました。

結局家庭内闘争は再燃するわけですが、今度は「面白いCDを買ってきた」といっては聴かせるようにしています。少しは効果がありますが、さすがにこれには騙されません。最近闘争がかなり沈静化してきたのは私がホームページを作っているからです。しかも順調に発展しているためで、この成長が止まれば、また闘争が激化するのは火を見るより明らかです。いったいどうなることやら。


4月21日:クレンペラーのページに「シューマンの交響曲第4番、ほか」を追加しました。今回も「ほか」の部分が大事です。


4月20日:巨匠神話

先週金曜日のクレンペラーのページで、レブレヒトの「巨匠神話」(文藝春秋)を引用しました。この本は一時書店でも結構見かけたので読まれた方も多いかもしれません。この本では有名な指揮者たちの面白いエピソードが語られていて興味が尽きません。面白い話はたくさんありますが、私にとってはブルーノ・ワルターに関する話が面白くもあり、また非常にショッキングでありました。

「巨匠神話」によれば、ブルーノ・ワルターは大変な偽善者で、性格の悪さは天下一品だったらしいです。本から抜き書きいたしますと、驚くべきことに次のような言葉がでてきます。

驚きましたね。しかし、そんなことは私はこの本を読むまでは全く知りませんでした。ワルターといえば、コンサートの前にはモーツァルトの霊と交信するとまでいわれ、その暖かみのある風貌とあいまって、聖者のような人だと私は思い込んでいました。ナチスに迫害を受けた際には自分だけが標的になっただけでなく、家族までが無残な死に方をしています。そういう知識があると、よけいワルターを美化したくなるのですが、レブレヒトは従来のイメージを木っ端微塵に打ち砕いてしまいました。

ただし、困ったことに、「巨匠神話」日本語版では出典が全部削除されています。出典なしでもかなり厚い本になっていますから、さらに詳細な出典を付けると、本が厚くなり、2分冊になってしまいます。そうすれば値段も跳ね上がり、売れ行きも落ちるだろうと編集者は考えたのでしょう。しかし、そう考えた編集者は本作りの基本を全くなおざりにしていると思います。本来書物というものは一回読んだら終わりという性格のものではなく、何度も読み返し、調べものをする際にも使われます。出典がないということは、とりもなおさず、内容の裏を取っているかどうか分からないということです。著者レブレヒトにすればものすごい労力をかけて集めた情報であるのに、それが編集者の浅知恵のためにうやむやにされるわけで、本の価値がそれだけで半減しています。きっとレブレヒトはこの事実を知らないのではないでしょうか。全く残念なことです。

ところで、ブルーノ・ワルターに戻りますと、レブレヒトはこうも書いています。

私もそう思います。レブレヒトの本を読んだ後でもやはりワルターの音楽はすばらしく聞こえます。プライベートはあくまでもプライベート。音楽は虚心坦懐に聴くのが一番でしょう。下手に知識は詰め込まないほうがいいかもしれません。


4月19日:CD試聴記に「マタチッチのブルックナー交響曲第4番<ロマンティック>」を追加しました。ブルックナーが最近多いかな?しばらく自粛しましょうか。


4月18日:夢

いつか雑誌を読んでいたら、東大の伊藤元重教授が、「夢にマルクスとケインズが現れた」という話を書いていました。その時私は「さすが、経済学の先生ともなると、見る夢が違うものだな」と感心したものです。

ところが、この間私の夢枕に何とフルトヴェングラーが出現してしまったのです。これは私も驚いてしまいました。私は伊藤元重教授の場合と違って音楽関係のことを仕事にしているわけではないので、そのような夢を見ること自体、いかに仕事に身が入っていないかということの現れなのであります。ですから、その夢を見た日は大変ショックでありました。夢にフルトヴェングラーが出るなどというのは、仕事は2の次にして音楽、いや正確にはホームページのことばかり考えてきた証拠であります。

しかし、困ったことに、パソコンの前に座ると、ついつい更新したくなってきます。先週も調子に乗って長々とした文章を書いてしまいました。金曜日のクレンペラーは最後まで読んでくれた人がいらしたかどうか心配です。本来「What's New?」も土日には更新するつもりはなかったのですが、最近はついつい...。どうもホームページを作ること自体が趣味になってきてしまったようです。好きで作っているため、いくら書いても全く苦にならないのも考え物です。これは本末転倒ともいうべき、由々しきことでもあります。我ながら反省せざるを得ません。

でもホームページを作ってきて良かったことは沢山あります。まず、読者の方々との出会いであります。ゲストブックや、ダイレクトメールでいただく読者の方々からの声援にはいつも心打たれるものがあります。それでまたやる気を出してしまうのであります。それと、自分の音楽の理解度が飛躍的に高まってしまったことです。音楽を言葉で表現しなくてはならないためでもありますが、1年前の私に比べると、理解度に雲泥の差があります。おそらくあと1年もすればさらに深まってしまうでしょう。他には、女房さんが亭主を見直してくれたことでしょうか?クラシック音楽のCDをたくさん買ってきてはいつも怒られていたのですが、最近は大目に見てくれているようです(これは大きいぞ!)。うーん、これでは音楽とホームページ作りにまだまだのめり込みそうです。そのうちにまた夢に誰か出てきそうです。でもクレンペラーやトスカニーニあるいはセルのような恐い人には出てきて欲しくないですね。そんな人が出てきたら恐くてすぐ夢から醒めてしまいそうです。

皆さんもそんな人たちが夢に現れたりしていませんか?


4月16日:クレンペラーのページに「The Complete 78 rpm Recordings」を追加しました。ちょっと長いです。週末ゆえ、お許し下さい。


(An die MusikクラシックCD試聴記)