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99年2月前半

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2月15日:CD試聴記に「ボレットのカーネギーホールライブ、ほか」を追加しました。ボレットさん、年をとってからは好々爺っぽいですが、若い頃の写真はいい男ですね。まるで「風と共に去りぬ」の伊達男みたいです。


2月14日:角皆優人著「モーグル・テクニック・バイブル」(山海堂)。

著者の角皆さんは全日本フリースタイルスキー選手権で7回の優勝を飾るほか、世界大会でも華々しい記録を残し、現在はモーグルスキーのコーチをやっておられます。「モーグル・テクニック・バイブル」はそうした角皆さんのスキー技術の集大成であるわけですが、角皆さんのすばらしい人格が伝わってくる本でもあります。というのも、この本はバリバリのスキー教則本でありながらも、スキー技術に直接には関係のない数々のエッセイが載せられているからなのです。角皆さんが熱心なクラシック音楽ファンであるためか、「音楽と私」というエッセイまであります。どのエッセイも涙なしには読めない感動的なもので、できればここで全部ご紹介したいのですが、それでは著作権法に抵触してしまいそうなので、ひとつだけ取り上げてみます。それは「コリー・ザペック物語 −わたしの信じている現代の神話−」であります。

コリー・ザペック、1993年1月当時35歳。彼は15年前、角皆さんの生徒でした。

どうしようもない生徒だったようです。角皆さんの言葉をそのまま引用すると、「...彼が前代未聞といえるほど運動神経の鈍い男だったからである。準備運動の前転で頭を打って首を捻挫し、全力疾走すれば足をからめて転倒した。ボールを投げればあらぬ方向に飛び、雪上に出たなら、それこそお笑いだった。スキー用具をもてあまし、ブーツのバックルさえうまく締めることができなかったのである。神経が雑で細やかさに欠け、トレーニングは人の2倍も3倍もこなしたのだが、少しも上達できなかった。その姿は彼が明るく前向きであればあるほど、悲劇的に見えた」とあります。

もちろんこのエッセイではその後、当時のザペック氏の練習状況が書かれているのですが、それは省略するとして、角皆さんは数知れぬ生徒の中でもダントツで出来が悪い生徒として彼を記憶していたそうです。ところが1993年1月のある日、彼が突然角皆さんの前に現れます。しかも、「世界最高レベルを誇るカナダのワールドカップ代表として、かつ世界最年長のワールドカップ選手として」です。角皆さんはまさかザペック氏が世界のトップレベルに躍り出るとは夢にも思わなかったようです。ザペック氏はどうしようもない運動神経でありながら、その後15年間鉄の意志をもって練習を重ねたわけですが、おそらく並大抵の努力ではなかったでしょう。それだけでも大変感動的です。

ザペック氏はこんなことを言っています。「もしやりたいことがあったなら、すべてを出し切ってそれを行わなければ意味がない。70%や80%の力を出してやるだけなら、世界は広がらない。わたしは成績のためにやっているのではなく、自分自身の世界を豊かにするためにやっている。だから、限界を超えることに意味があるんだ。」と。こんな言葉を目にすると、毎日の自分の生活が反省されます。安閑とした生活をし、決まりきった日常に埋没しそうになります。この本を読むたび私は感動し、自分を奮い立たせるのです。スキーをやらない方でもエッセイ「音楽と私」には心を揺り動かされるものがあると思います。機会があればどうぞ。


2月12日:クレンペラーのページに「シューベルトの交響曲第4番・悲劇的とメンデルスゾーンの交響曲第4番・イタリア」を追加しました。


2月11日:CD試聴記に「クーベリックのマーラー交響曲第1番」を追加しました。1975年、バイエルン放送響とのライブです。


2月10日:CDを求む日々

買いたいCDほど店にないことがよくありますね。しばらく前までどの店にも置いてあったのに、いざ買おうとするとどこにも置いていなかったりします。また、「これは!」と思ったCDの値段を見ると、高くて買えなかったりします。お金がある時には欲しいCDがなく、目の前にいいCDがある時にお金がなくて涙をのむといったところです。

最近はインターネット上でCDを買うことも増えてきました。大変便利なので、ついつい買いすぎる傾向があります。が、インターネットで検索してさえ、欲しいCDは廃盤になっていたり、在庫がなくなっているケースが多いようです。

一番ひどいのは国内盤で、最近はプレス数が少ないのか、少しでも売れ行きが悪いCDはカタログ落ちが猛烈に早いようです。そうしたCDを探すのは並大抵の苦労ではありません。

国内盤に限っていえば、そもそもCDがすぐ廃盤になってしまうことが諸悪の根元であります。私の記憶によれば、CDも書物同様、再販価格維持制度によって価格を統制されています。その再販売価格維持制度は文化的な財産をあまねく普及させることを謳い文句に制定され、支持されてきたはずです。しかし、それが一旦制度化されると、業界はそれを逆手に取り高価格維持の道具に使っています。文化的な財産の普及など二の次です。しょっちゅう発売される国内盤CDなど、国内盤だと思って安心しているとたちまち市場から姿を消してしまい、メーカーにも在庫がなくなってしまいます。これは一体どうしたことでしょうか。法律の趣旨に反しているのではないでしょうか。単に高価格維持のための法律なら、なくしてしまった方が消費者にとっては有り難いに決まっています。生産者側の論理がまかり通っている社会というのは一体いつまで続くのでしょうか。

もっとも、そんなことを嘆いていても欲しいCDは手に入りません。最近は(女房さんには秘密ですが)、「これだ」と思うCDがあったら高くてもその場で買うことに決めてしまいました。どう頑張っても再入荷しないものが増えているからです。皆さんは、CD探し、あるいはCD購入で困ったことはありませんか?


2月9日:CD試聴記に「クーベリックのモーツァルト:ハフナー&シューベルト:悲劇的、未完成」を追加しました。オケはウィーンフィルです。ふう。そうそう、書き損ねましたが、録音も非常にいいですよ。


2月8日:リンクのページに「エマニュエル・パユ」を追加しました。あのベルリンフィルの首席フルート奏者パユです。そういえば、パユのページ、日本語ではまだなかったはずです。作者の嶋岡さん自身がフルートを吹いてらっしゃるそうですから、今後も多方面からの視点でパユを紹介して下さると思います。ぜひお立ち寄り下さい。

ところで、私のページについて。An die Musikは昨年11月1日に公開し、翌日にはYahoo!に登録したのですが、いまだに検索できません。Yahoo!にて登録が完了するとメールで通知が来るそうですが、まだなのです。Yahoo!のホームページには登録処理は2〜3週間程度と書いてあったように記憶していますが、それにしても変ですね。何か間違えてしまったかな?困ったことにYahoo!のページには問い合わせのメールを送れるようにはなっていません。どなたか、うまい方法を教えて下さい。ああ、情けないです。


2月7日:「苗場スキー場レポート」を更新しました。先週、このレポートについて「誰も読んでいないだろう」と書いたところ、昔勤めていた会社の先輩が「読んでるよ!」メールを下さいました。その先輩には昔飲んでからんでさんざんご迷惑をおかけしたのですが、今はこのページの読者になって下さっています。本当に有り難いことですね。

なお、「苗場スキー場レポート」は、諸般の事情にて、2月中は休載します。


2月5日:クレンペラーのページに「ブラームスの交響曲第2番」を追加しました。オケはベルリンRIAS響です。


2月4日:雑感

先日、都志見さんがゲストブックで、クレンペラーのブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」がターラから発売されるという情報を書き込んで下さいました。この話を聞いて欣喜雀躍したのは私だけではないでしょう。おそらくターラのことだからしっかりしたリマスタリングをするでしょうし、もしかしたらどんどんクレンペラーのライブ録音を発掘・紹介してくれるかもしれません。

私も密かにターラのCDを集めていますが、音質はいいし、いい演奏を探してくるし、ここは本当に面白いレーベルですよね。確かシェルヒェンの娘さんがやっている会社だったと思いますが、ライブ録音ばかりを発表しているわけですから、音楽ファンには本当に嬉しいレーベルです。

そうなると、メジャー・レーベルだってうかうかしていられないはずなのですが...。クレンペラーだって、未CD化の音源がEMIに眠っているようだし。せめてスタジオ録音くらいは何とかして欲しいものですね。そう思っていたら随分時間だけがたってしまいました。いやはや、やっぱりマイナー・レーベルに期待するしかないでしょうか?


2月3日:クレンペラーのページに「メンデルスゾーンの真夏の夜の夢」を追加しました。オケはバイエルン放送響。あの「フィンガルの洞窟」とともに、EMI正規盤としてのリマスター&発売が切望されるライブ録音です。


2月2日:「このオペラを聴け!」

おそらくつい最近だと思いますが、洋泉社から「このオペラを聴け!」(1800円)という本が出ました。副題は「食わず嫌いに贈るオペラ名盤&裏名盤ガイド」というものです。筆者は例の許光俊さんをはじめとするメンバー。高圧的なタイトルをはじめ、相変わらずすごい書きぶりの本です。

それはともかく、この本には66のオペラの解説と、名盤案内が載っていてとても面白いと思います。オペラでこのような本は今までなかったのではないでしょうか。さすが洋泉社、うまいところに目を付けたものですね。

実は私はこの本を読んで大変衝撃を受けてしまいました。内容についてではありません。レーザーディスクについてです。今までレーザーディスクのソフトなんて高々数も知れているだろうと思っていたのですが、この本には66のオペラのほとんどについてレーザーディスクが紹介されているのです。「えっ、こんなに種類があったの?」と驚くばかり。こうなるとやはりレーザーディスクでオペラを見たくなりますね。オペラばかりは舞台を見られないと面白くありません。いくら音楽がいいからといったって、オペラの視覚的効果が全く伝わらないからです。
いやー本当に困りました。調べてみると、まだソフトはそう安くはなっていないようですが、わずか1000円のCDを買う時にも目くじらをたてる女房さんもオペラのレーザーディスクなら許してくれそうだし、気になって仕方がありません。どなたかレーザーディスクでオペラを見ていらっしゃる方、感想でもお寄せいただけないでしょうか。


2月1日:CD試聴記に「スクロヴァチェフスキーのブルックナー交響曲第1番」を追加しました。気づいた人もいると思いますが、本当は1月28日の試聴記でいっぺんに書いてしまいたかったものです。2回連続で同じ指揮者の話になりますが、ご容赦下さい。


(An die MusikクラシックCD試聴記)