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2007年6月30日(土):パッパーノ指揮ローマ・サンタチェチーリア管弦楽団
今日は東京オペラシティ・コンサートホールでパッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団のコンサートを聴いてきました。
プログラムは以下のとおりです。
- ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
- パガニーニ:バイオリン協奏曲第1番 ニ長調
バイオリン:庄司紗矢香さん- レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
- レスピーギ:交響詩「ローマの松」
容易に想像がつくと思いますが、お目当ては庄司紗矢香さんでした。逆に言えば、指揮者にもオーケストラにも、ついでに本音を書くと曲目にもほとんど感心がありませんでした。しかしコンサートは行ってみないと分からないものです。最初のベルリオーズからしてパッパーノとサンタ・チェチーリア管弦楽団に魅了されました。非常に高い精度を誇るアンサンブルです。それだけでも十分賞賛に値するのに、まあなんて楽しそうに演奏するのでしょうね。「楽譜通りに正確に演奏できます」などという次元を完全に超えていて、自分たちの音楽を楽しみながら作り上げています。5月には同じホールでドホナーニ指揮ハンブルク北ドイツ放送響によるブラームスを聴いたのですが、そのときの四角四面の演奏とつい比べてしまいました。北ドイツ放送響はうまかったんですけどねえ。それはそれですばらしく、立派なのですが、訴えかけてくるものに不足していました。今日のコンサートでは文句なしに楽しいオーケストラ演奏を満喫できました。パガニーニの協奏曲で指揮者とオーケストラにあれだけ生彩に富む伴奏をつけられてしまった庄司さんは嬉しくもあったでしょうが、オーケストラを向こうに回して自分の音楽を表現するためにさぞかし苦心惨憺だったと思われます。
「ローマの松」の終曲「アッピア街道の松」が華々しく終わると盛大なブラボー、さらに1階のイタリア人達を中心にスタンディング・オベイションがありました。こうしたコンサートの後は大変気分がいいものです。来週のマーラー:交響曲第1番はさらに期待が高まります。
2007年6月27日(水):クーベリックの「新世界から」
松本さんによる「クーベリックのページ」に「クーベリックの新世界交響曲から想うこと」を追加しました。
2007年6月26日(火):ベートーヴェンの幻想曲
CDショップで小菅優さんの新譜を手にしたらベートーヴェンの幻想曲 ト短調 作品77が収録されていたので迷わず購入しました。ルドルフ・ゼルキンの「ハンマークラヴィーア」(1969年録音 SONY)にカップリングされていた録音を聴いて以来、とても気に入っている曲です。ただし、私が好きな曲ではあるのですが、どうも傑作とは見なされていないようです。録音がほとんどありません。もしかしたら私が知らないだけでたくさんあるのかもしれませんが、ことあるたびにこの曲の録音を探している私でも手元のCDはゼルキン盤以来という有り様です。
全曲を通しても9分ほどで、即興演奏の達人であったベートーヴェンを彷彿とさせる名曲だと思うのですが、何度も同じフレーズが出てきたりするところが玄人受けしないのでしょうか。もっと演奏されたり、録音されたりしないものかと思いいます。こういうのをマイ・ブームと呼ぶのでしょうね。
なお、小菅優さんのCDの収録曲は以下のとおりです。
ファンタジー
ピアノ:小菅優
録音:2006年4月、ケルン
SONY(国内盤 SICC 679)収録曲
- バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV919
- バッハ:幻想曲 イ短調 BWV922
- モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
- ハイドン:幻想曲 ハ長調 Hob.XVII-4
- ベートーヴェン:幻想曲 ト短調 作品77
- シューベルト:幻想曲 ハ長調 D605A(グラーツの幻想曲)
- ショパン:幻想曲 ヘ短調 作品49
- ラフマニノフ:幻想的小品第1番 ト短調
- ラフマニノフ:フーガ ニ短調
- ファリャ:ペティカ幻想曲(アンダルシア幻想曲)
2007年6月22日(土):「ハイドン・マラソン」第3回
《あなたも参加してみませんか? 「ハイドンの交響曲を全部聴こう」(略称「ハイドン・マラソン」) 》に第3回「交響曲第3番」を追加しました。まだ3番です。道は長いですねえ。
なお、7月20日(金)に暑気払いを兼ねてオフ会を開催いたします。ふるってご参加下さい。詳しくはこちらをご覧下さいね。
2007年6月18日(月):ゲーテ・インスティチュート
先日調べものをしていたらドイツ語学校のゲーテ・インスティチュートにドレスデン校があることを発見!これからドイツ語を学びにドイツに行くならここしかない!
1991年、私がドイツに派遣されたときは現地でもドイツ語を2ヶ月間学びました。私がホームステイ先から通ったムルナウ校は既になくなっている模様です。会社からは「できるだけ日本人がいないところを選びなさい。それこそ山の中がいいよ」ということでミュンヘンから電車で一時間ほど南下したところにある人口1万人の街ムルナウを選んだのですが、バブル最盛期のヨーロッパで日本人がいないところなど、どんな山の中でもないのでした。ムルナウはミュンヘン南部というよりR.シュトラウスの家があったガルミッシュ・パルテンキルヒェンのちょっと北で、信じられないくらい風光明媚ではあったのですが、電車で移動しようとすると結構厳しく、たまにミュンヘンでオペラを観たりコンサートがあったりすると、終電がなくなりそうでハラハラしたものでした。
弁解するようで恐縮ですが、ムルナウで私はドイツ語の勉強は必死にしました。しかし、土地が土地なので、勉強していると近くの牧場から牛のにおいがしてくるなどたまらなかったです。バイエルン州というとどうしても牛のにおいが思い出されるのはこのときの強烈な経験によります。まあ、いい思い出なんですけどね。
ドイツ統一直後でしたから、私は当時ドレスデンにゲーテができるなどとは夢にも思いませんでしたが、これからドイツ語を現地で学ぶ機会があるのならばドレスデン校に行ってみたいですね。毎日ゼンパーを拝めるんですよ。人生が変わるだろうなあ。夏に海外で勉強しようなどと殊勝なことを考えている学生さんがいたらお勧めです。おっと、夏はオフシーズンなのでコンサートは近くのモーリッツブルク音楽祭に行って下さいね。
2007年6月17日(日):武満徹
青木さんによる「コンセルトヘボウ管のページ」に「武満徹を(少しだけ)聴く」を追加しました。An die Musik始まって以来の控えめなタイトルですね。
先週は1週間丸ごと女房が出張していたのでCDを1分も聴くことができませんでした。本を読む時間もなし。もちろんサイトの更新もできませんでした。いつものことながら女房がいなければ私の趣味などは全く成り立たないことが分かります。・・・というわけで「ハイドン・マラソン」が早くもちょっと遅れ気味でありますが、必ず完走しますよ!
2007年6月10日(日):「ハイドン・マラソン」第2回
特別企画《あなたも参加してみませんか? 「ハイドンの交響曲を全部聴こう」(略称「ハイドン・マラソン」) 》に第2回「交響曲第2番」を追加しました。
2007年6月5日(火):「英雄の生涯」 「シュターツカペレ・ドレスデンのページ」を久々に更新。「ファビオ・ルイジ指揮の『英雄の生涯』」を追加しました。「メタモルフォーゼン」についてはどうした?と聞かれそうですが、この曲については語る言葉をあまり持ち合わせていないので何卒ご容赦下さいね。
2007年6月4日(月):アリオスティ 「あなたもCD試聴記を書きませんか」のコーナーに「アリオスティの二枚のディスクを聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。
2007年6月3日(日):「展覧会の絵」
昨日はオーチャードホールにまたもや小山実稚恵さんのコンサートを聴きに出かけてきました。12年間で24回のコンサートという企画「小山実稚恵の世界」の第3回目です。まだまだ先は長いです。・・・私は全部行くつもりで意気込んでいるのですが、今のところ単独行動です。会場に親子で来ている方々を見かけると羨ましいですね。10年後くらいには私も家族4人で行けるようになるかもしれません。
それはさておき、今回のプログラムは以下のとおりでした。
ハイドン:アンダンテと変奏曲 へ短調 作品83 Hob.XVII-6
ウェーベルン: ピアノのための変奏曲 作品27
シューマン: 子供の情景 作品15
ムソルグスキー: 組曲「展覧会の絵」圧巻は「展覧会の絵」でした。「うつりゆく情景」をテーマに、凝ったプログラムを組んだ小山さんには申し訳ありませんが、前半のハイドン、ウェーベルン、シューマンは、前座だったのだと思います。「展覧会の絵」はCDでも生でも聴いていますが、そのどれよりもすばらしい。ピアノで演奏しているのに、オーケストラを優に超える迫力がありました。猛烈に強靱なピアニズムです。演奏に隙はなく、萌黄色のステージ衣装に身を包みこの曲を弾いている小山さんは(ファンの贔屓目なのでしょうが)神々しく見えました。私はピアノという楽器と完全に一体化している演奏家に驚嘆して帰宅しました。
会場では小学生くらいのお子さんを何人も見かけましたが、あのコンサートを聴いてどう思ったでしょう。人間が楽器と向き合ってどれだけのことができるのか、その信じがたいほどの水準に恐れ、感心し、ピアノや演奏家に強い興味を抱いたのではないでしょうか。私も早く子供達にあのような演奏を聴かせてあげたいものです。
2007年6月2日(土):「ハイドン・マラソン」スタート!
特別企画《あなたも参加してみませんか? 「ハイドンの交響曲を全部聴こう」(略称「ハイドン・マラソン」) 》が本日から始まりました。第1回は「交響曲第1番」です。「インデックス」ページはこちらです。この企画、先が長いのであまり気張らず、かつのんびりとやっていく予定です。皆様も一緒に聴いて(走って)みませんか。
(An die MusikクラシックCD試聴記)