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2008年4月30日(水):ケーゲル
本日2回目の更新です。青木さんの「コンセルトヘボウ管のページ」に「追記:ケーゲルとシュターツカペレ・ドレスデンの衝撃的録音」を追加しました。
これは「コンセルトヘボウの名録音」の第31回「大名曲『青少年のための管弦楽入門』を聴く」の続編なのですが、私がのんびりしている間にシュターツカペレ・ドレスデンの録音について青木さんに書いてもらう結果になってしまいました。青木さん、ありがとうございます。
なお、青木さんが取り上げたケーゲル指揮シュターツカペレ・ドレスデンのCDはお勧めです。プロコフィエフの「ピーターと狼」はシュターツカペレ・ドレスデンの音色を今に残す貴重な録音になっています。オーケストラ全体だけではなく、各パート毎に音が聴けるなんて素敵だと思いませんか? その音色には全くほれぼれとします。ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」も同様です。私はナレーションがない方が圧倒的に好きなのですが、これはこれで貴重な記録です。1,260円ですし、是非聴いてみて下さい。
2008年4月30日(水):「千人の交響曲」
今シーズンからエリアフ・インバルが東京都交響楽団のプリンシパル・コンダクターに就任しています。4月28日(月)には東京文化会館で、29日(火)にはミューザ川崎シンフォニーホールで、4月30日(水)にはサントリーホールで就任披露公演が開催されています。演目はただひとつ、マーラーの最高傑作である交響曲第8番 変ホ長調「千人の交響曲」です。私は最初の二晩のコンサートを聴いてきました。
別のホールで、しかも演奏者との距離や位置関係が違ったりするだけで体感する音響はかなり違います。東京文化会館では1階の25列目、ミューザ川崎では3階の3列目でしたが、ミューザ川崎では3階でもステージと至近距離だったためにものすごい臨場感でした。ソプラノソロ、金管楽器のバンダも私のすぐ後方に陣取っていて、第1部と第2部の終結部では全身が文字通り壮大な音楽に包まれるような感じでした。「Komm !」で入ってくる栄光の聖母(ソプラノ)は天上からの声に聞こえてきます。
オーケストラの熱演ぶりは言うまでもありませんが、それ以上にすばらしかったのが晋友会合唱団、NHK東京児童合唱団でした。ピッチ、声質が揃い、情感がこもった立派な演奏でした。初日最高の出来映えは、「神秘の合唱」でしたが、2日目はさらに調子を上げていました。3日目にはさらに期待できそうです。
巨大な編成のオーケストラ、8人の独唱、大編成の混声合唱団、児童合唱団によるアンサンブルはまとめるだけでも至難の技でしょう。私としてはこれほどの大曲を実演で二日連続聴けたことだけでも大変な収穫です。
今回はマーラーの交響曲第8番を同じ指揮者、演奏者で三日三晩別のホールで楽しめるというまたとない機会でした。とはいえ私が入手できたチケットは東京文化会館とミューザ川崎の2枚だけでした。サントリーホールのチケットは発売日に電話が通じた時点で完売でした。私の野望はあえなく潰えましたが、サントリーのチケットを入手できた方は至福の時間を過ごせそうですね。
CDラックを見渡していたら、マーラーの交響曲第6番の古い録音が出てきました。エーリヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団による演奏です。
マーラー
交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
エーリヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団
録音:1965年4月20-21日、ボストン、シンフォニー・ホール
RCA=BMG(国内盤 BVCC-37325)1965年録音というのはかなり早いですね。調べてみると1960年代にはマーラー指揮者達が交響曲第6番を続々と録音しています。
セル指揮クリーブランド管弦楽団(SONY):67年
バーンスタイン指揮ニューヨークフィルハーモニック(SONY):67年
バルビローリ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(EMI):67年
クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団(DG):68年
ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団(PHILIPS):69年ラインスドルフは現在マーラー指揮者とは認識されていないと思われますが、40年以上も前にこの曲を録音したからには相当な意気込みがあったに違いありません。演奏時間をみると73分47秒で駆け抜けています。バーンスタインの演奏など極端にホットなマーラー演奏を聴いてきた耳には、「ここはもう少し抉りをきかせて」などと感じる場所もありますが、ラインスドルフだって通り一遍に演奏したわけでもなく、両端楽章をはじめ充分激烈・パワフルです。
さすがRCAだと思わせるのは、これが優秀なステレオ録音だった点です。CDのパッケージには「アナログ音源につき、録音年代相応のノイズ等がございます。ご了承下さい。」と小さな文字でいかにも音質に問題がありそうなことが書き添えられていますが、そんなことは全くありません。異常な熱気を孕むこの大曲を原寸大で収録しようとして成功した立派な録音だと言えます。
こういうCDがだんだん少なくなっていませんか。
このところ相次いでマーラーの交響曲第6番のCDが、それもライブ録音でリリースされています。残念ながら私はそれらを聴いて満足したためしがありません。ライブ盤だとわざわざ銘打ってあるのにこの曲の熱気がまるで伝わってきませんし、音も薄っぺらくて魅力がありません。何かを聴き手に伝えたいという強烈な思いが感じられないのです。要するに最近の録音は40年も前のラインスドルフ盤に負けています。
指揮者やオーケストラ、レコード会社が録音にかける思いはもはや40年前とは隔絶しています。録音という行為に対し、本当に特別なものだと感じて取り組んでいた時代には、それなりのクオリティのものができあがっていたのですね。今はそうした意識自体が希薄になっているのでしょう。何とも寂しい限りです。CDという媒体で質の高い演奏を楽しむなら40年も逆戻りしなければならないとは何とも不可解な現象だと思います。
2008年4月24日(木):リゲティ
ゆきのじょうさんの「わが生活と音楽より」に「リゲティを聴く」を追加しました。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。
2008年4月22日(火):フランソワ
特別企画「サンソン・フランソワのドビュッシーを聴く」を開始しました。文は松本武巳さんです。第1回は「前奏曲集第1巻を聴く(総論)」です。
ドビュッシーとフランソワはAn die Musikを開設した頃私から最も遠い作曲家であり、演奏家でした。私が好きなのはドイツ・オーストリアの作曲家の、管弦楽やピアノ曲でした。An die Musikはそうした私の嗜好が色濃く反映されたサイトです。このサイトを訪問してくださる方の多くも私と同じ嗜好だと想像されます。しかし、趣味の範囲を自分で狭める必要は全くありません。松本さんのガイドに従ってドビュッシーやフランソワの音楽に足を踏み入れてみるのもいいでしょう。「フランス音楽への偏見の打破」によって、私を含めた多くのクラシックファンの音楽世界が広がることを期待したいです。
2008年4月21日(月):「私が選ぶ名曲名盤」閉鎖
「私が選ぶ名曲・名盤」を閉鎖しました。9年半前にAn die Musikを開設した際のメインコンテンツのひとつでしたが、今なら別のCDを選択することもあるでしょうし、その紹介文も全く違った書き方をすると思います。実はここ数日間で密かに手直しをしていたのですが、わずかな修正ではとても対応し切れないことが明らかになりました。この際いったん閉鎖し、もし可能であれば少しずつファイルをゼロから作り上げていくことにしました。何卒ご了承下さい。
2008年4月20日(日):トリプル・コンチェルト
「あなたもCD試聴記を書いてみませんか?」のページに「ベートーヴェン《ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲ハ長調Op.56》聴き比べ」を追加しました。文は松本さんです。松本さん、原稿ありがとうございました。管理人である私が私事にかまけている間に大作が次々と執筆されています。恐縮するばかりです。
2008年4月19日(土):カラヤン
ゆきのじょうさんの不定期連載「わたしのカラヤン」に「第4章 レトルトの中で光り輝くもの」を追加しました。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。皆様、大作ですので時間をかけてゆっくりご覧下さい。このシリーズ、英文のサイトを併設して紹介したくなってきました。本当にすばらしいです。
2008年4月16日(水):オネゲル
「あなたもCD試聴記を書いてみませんか?」のページに「デュトワの名盤「オネゲル交響曲全集」を聴く」を追加しました。文は松本さんです。松本さん、原稿ありがとうございました。
2008年4月15日(火):バッハ
「あなたもCD試聴記を書いてみませんか?」のページに「車中で聴くグールドのバッハ」を追加しました。文はENOさんです。ENOさん、原稿ありがとうございました。
車の中で聴けるクラシック音楽を探すのは結構難しいですよね。私の場合、車中で聴かないようにしているというよりも聴けないのであります。我が家のレガシィはどんな雪道も楽々走破してくれるスキーヤー向けの車で重宝しています。しかし、エンジン音が大きい。好きな人はあの独特のエンジン音を音楽代わりに聴いてアクセルを踏むのでしょうけれども、私はとてもその域には達していません。セルシオみたいに室内が静寂な車がほしいとかねがね思っていますが、そんな車を買うのであれば家のローンを返さなければ。
レガシィのエンジン音の中でも聴けるクラシックのCDは「フックト・オン・クラシックス」くらいです。これは10年以上車中で聴き続けています。女房もお気に入りの数少ないクラシックのCDです。正当派クラシックと呼べるかどうかは別として。今度我が家でもグールドのバッハをかけてみることにしましょう。
2008年4月13日(日):6人組
ゆきのじょうさんの「わが生活と音楽より」に「二枚の「フランス6人組」のアルバムを聴く」を追加しました。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。
今回は4月になって初めての更新です。それも自分の原稿でないところが情けないです。年度末からずっと落ちつかず、パソコンに向かう時間があまり取れませんでした。今後は少しずつCDを聴いたり、パソコンに向かったりできるようになりそうです。
(An die MusikクラシックCD試聴記)