ARCHIVE OF WHAT'S NEW ?
2000年12月

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CD12月28日:1年を振り返って

突然ですが(^^ゞ、An die Musik本年の更新は今日で終了いたします。皆様、毎日私の拙いページをご訪問いただき、誠にありがとうございました。お陰様で朝晩定時に観測しておりますカウンターの数字も、この1年間で大幅な伸びを示しました。昨年末のカウンターは約5万8千件でしたが、今年末には16万件に到達しそうです(◎-◎)。特に9月以降は、読者数が劇的に増えたような気がします。昨年末は1日200件以上のアクセスがあれば多い方だったのですが、最近では1日に約450件のアクセスがあります。このペースですと、1ヶ月待たずに1万件を数えるわけでして、作者としては驚きとともに感謝の気持ちで一杯であります。少しでも皆様のお役に立っているのかと思うと、1年間このページの作成に費やした時間が貴いものに思えてきます。私はこのページ上に自分の泥臭い顔写真を掲載していますが、私の方からは読者の顔は見えません。私は毎日、どこの誰だか分からない読者を相手に「あーでもないこーでもない」という駄文を書きまくっているのですが、ゲストブックへの書き込みや、激励のE-mailは数少ない読者との接点であり、「顔」が見えそうになる場所です。それらを読むにつけ、また新しい気持になって音楽を聴き、更新作業をする意欲が湧いてきます。皆様、1年間の叱咤激励、感謝申しあげます<m(__)m>。

当ページの正式名称は「An die Musik CD試聴記」となっております。私がクラシック音楽のCDを聴き、その記録をするために作ったホームページです。何度もこの欄で書きましたが、私はある時クラシック音楽の奥深さに愕然とし、このまま適当なリスニングを続けていては、クラシック音楽界の本当の楽しみを知らないで一生を終わってしまうのではないかと不安に駆られました。ジャズやポップスなど、幅広く聴いていた音楽も、クラシック音楽を極めたい一心で聴くのをほとんどやめました。その分クラシック音楽を丁寧に聴き、少しでもその奥義に近づきたいと考えたのです。数多く聴くことと、丁寧に聴くことをモットーにしてきました。

そんな私にとって今年のクラシックCD低価格化は大変嬉しいものでした。今振り返ってみますと、ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管によるベートーヴェン交響曲全集が2,700円程度で発売されたのが低価格化の端緒だったように思われます。その後、あれよあれよという間にボックスセットの安売りが一般化してしまいました。大量にCDを買い、それを聴くという行為を繰り返す私には朗報には違いありません。が、「何か違うのではないか?」と感じることもあります。9枚組で3,200円ほどで売られているCDはきちんと聴かれているでしょうか? 猛烈に安くなった分、ぞんざいに扱われ、いい加減に聴かれていたりしませんか? クラシック音楽のCDといいましても、ひとつの「商品」に違いありませんから、ぞんざいに扱おうが、ながら聴きをしてポイ捨てしようが、消費者である聴き手の勝手であります。しかし、あえて主張しますが、そのような聴き方ではクラシック音楽を鑑賞することも、理解することもできないと私は考えています。CDを買い込んでも、部分的にしか聴かない方もおられるでしょう。そういう聴き方も私はしません。部分的に聴くのは、「録音をチェックする」という行為であって、「音楽を鑑賞する」という行為とはかけ離れていると考えるからです。

11月下旬から開始した「アバド・ケンペのベートーヴェン交響曲全集を聴く」シリーズは、そうした聴き方をしないように、自分に課した勤めでありました。廉価盤で発売されたセットでも、じっくり聴きますと、やはり演奏家達の心意気などが伝わってきて楽しいものです。

今年はいいCDがたくさん出現しました。ベスト1を選ぶとすれば、ダントツで「セルの来日公演盤」ですね。あのシベリウスの交響曲第2番を聴いて涙を流したのは私だけではないはずです。あれ以上のCDが今年出現するだろうかと思って、いろいろ聴きましたが、残念ながら現れませんでした。来年はどうでしょうか?

ところで、来年もたくさんのCDを聴き、たくさんの試聴記を書く予定です(^^ゞ。が、CDを置くスペースは既に限界に達してきました。女房さんには絶対秘密ですが、1年間に何百枚もCDを買うものですから、家庭内闘争は熾烈です。それなのに、CD保管場所がなくなったということは、溢れた分が買ってきたCDだとすぐにばれるということです。早いうちに手を打って、逃げる算段をしなくては生きていけません(ひぇぇぇ)。来年の重要課題であります。その上で、来年も楽しい企画をいろいろ予定しています。上記ベートーヴェンシリーズ終了後にも大きな企画があります。これは乞うご期待でありますね。私は根気が続く限り楽しいホームページになるよう、更新作業を続けていく所存であります。

福島屋のおじさんに抱っこされるみずな。まるで本当のお爺さんのようだ。なお、年末年始は親子で苗場におります。宿泊場所は「苗場福島屋旅館」です。ここを拠点に、スキーあるいは「そり」をします。福島屋さんから徒歩で1分〜3分の場所に浅貝スキー場がありますが、ここは緩斜面だけの小規模なスキー場です。多分私ども親子はそこでそり遊びをしています。スキー場の片隅でそり遊びをしている親子3人がいましたら、私どもです。ぜひ声をかけて下さい。また、夜は福島屋さんの囲炉裏で越後の名酒「八海山」をちびちびやっています。「伊東の知り合いだ!」といえば分かりますから、苗場にお寄りの際はぜひ福島屋さんにお立ち寄り下さい。左の写真は、今年10月、苗場のフィッシング・パークに行った時の写真です。左の泥臭いおじさんは私、右に写っているのは福島屋さんの名物ご主人です。我が家のみずなは福島屋さんのご主人に可愛がられ、もはや実の孫同然。年末年始の苗場がとても楽しみです。

苗場には12月30日から1月3日まで滞在します。次の更新は1月3日の晩になる予定ですが、苗場にはノートパソコンを持参いたしますので、ゲストブックでお話しできます。またE-mailも通常どおり使えます(と思ったのですが、電波が届かない可能性があります。その際は何卒ご容赦下さい)。年末年始も楽しくやりましょう。

では皆さん、よいお年を!


CD12月27日:「クラシックCDの名盤 演奏家篇」

遅ればせながら「クラシックCDの名盤 演奏家篇」(文藝春秋、宇野功芳、中野雄、福島章恭共著)を読みました。3人の共著となっていますが、必ずしも私が印税に貢献したくない著者が含まれているために、買うのはずっと見送っておりました。ですが、「大変面白いよ」という声を各方面から聞くに及んでとうとう買ってしまったのです。読んでみると、確かにすごく面白いですね!

特に、「音楽プロデューサーとして内外で活躍」し、著書「丸山眞男 音楽との対話」でも有名な中野さんの文章は、数多くの演奏家からの生情報が数多く盛り込まれ、非常に興味深いものがありました。途中から私は中野さんの文章だけを先に読み、後から他の二人の文章を読むという方式を採ったほどです。中野さんは、私のようにコンサートにはたまに出かけるだけで、殆どはCDという冷たい円盤を相手にしている人間とは音楽に対する踏み込み方が違います。「ウムムムム...そ、そうなのか」と唸る個所が少なからずありました。それがどこかは、皆さんが読んでのお楽しみですね。

この本は、巻末の「演奏家別CDリスト」を含めると全部で374ページもあります。古今東西の演奏家を取りあげ、原則的には3人によるコメントが掲載されているわけですが、その内容の多彩さには驚くばかりです。著者の生年を見ますと、宇野功芳氏は1930年、中野雄氏は1931年、福島章恭氏は1962年となっています。最初のお二方は私より30歳も年長ですから、素人の私など遙かに及ばない音楽体験をお持ちでもおかしくはないのですが、福島さんは1歳年下です。それでいて古今東西の音楽家を海千山千の宇野・中野両氏と議論するわけですから恐ろしいものです。私は、世間一般の水準から言えば、かなりたくさんのクラシックCDを聴いている方だと思いますが、プロの評論家はとてつもない世界にいるものです。

ともあれ、この本を読んでおりますと、クラシック音楽の奥深さを感じます。知らないことばかりだということがよく分かりますし、長くクラシック音楽に接していれば、いろいろな発見や感動があることも読みとれます。ということは、私は来年いよいよ40歳になるのですが、中野さんの年齢になるまでには、すごい体験ができるということかもしれません。そう考えますと、おじさんになるのも、いやお爺さんになるのも悪くはないですね。


CD12月26日:マーラーの交響曲2番は名曲か?

マーラーの交響曲は、第1番から第2番「復活」にかけて格段の進歩があるといわれていますね。オーケストレーションの華麗さや楽曲の規模、構成も段違いに進歩しているようです。しかし、タイトルにせよ、スタイルにせよ、誠に仰々しいものがありますね。実際、うるさく感じる人はいませんか? マーラーが1895年にベルリンで「復活」を初演した際、ある音楽評論家は「まるで天才気取り」と言って嘲笑したそうですが、それも無理からぬところがあります。仰々しすぎて、「何だこれは?」という拒絶反応があったのでしょう。もっとも、マーラーは天才気取りだったのではなく、本当に天才だったのですが...。

私はクラシックを聴き始めて、まだベートーヴェンしか知らなかった時に、モーツァルトをすっ飛ばして、いきなりマーラーにのめり込みました。やはりマーラーは衝撃的でした。特に、交響曲第2番は、若かりし頃の私を夢中にさせました。その色彩感や巨大な音響、物語性はベートーヴェンに比べると雲泥の差で、私は繰り返し繰り返し「復活」を聴き、その度に欣喜雀躍したものです。私が愛聴していたのは、クーベリックのライブ録音でした。NHK-FMで放映されていたものをエア・チェックしたテープを毎日聴き続けたのです。そのため、クーベリックの演奏が私の規範になったのであります。もちろん、曲の隅々まで覚えてしまいました。恥ずかしいのですが、熱狂のあまり、ポケットスコアを買って研究しようとさえしました(もちろん、全く歯が立ちませんでした(^^ゞ)。私が聴いていた演奏はミュンヘン・レジデンツにおけるライブ録音でした。高校生の頃の話ですから、昨日紹介したCDとは別の日の演奏です。が、甲乙つけがたい演奏だったはずです。

ところで、高校を卒業すると、一転、私はこの曲からまるで感銘を受けなくなっていました。18歳にして「復活」不感症になったのであります(@_@)。立派な演奏のCDもたくさん聴きましたし、実演にも接しましたが、感動したことは高校卒業後一度もありません。仰々しすぎる音楽に辟易してしまったのかもしれません。代わって、私が気に入ったのは交響曲第3番の終楽章や、第4番の全曲、第6番の第3楽章、そして交響曲第9番全曲になりました。それらは初めて聴いてから20年近く経つ今でも私を感動させます。

こうした状況下で、私は昨日紹介いたしましたクーベリックのライブ盤を聴いたのですが、かつての驚きや感動がそっくり甦った、とまでは言いきれないのですが、深い感銘を受けました。「やはりマーラーはクーベリックに尽きるのかな?」などと昔のことを思い出しながら聴いたものです。こんなことを思い出して書くようではトシかな?


CD12月25日:「クーベリックのページ」を久々に更新。「マーラーの交響曲第2番」を追加しました。よく調べてみると、「クーベリックのページ」を更新するのは5月9日以来でした。ああああ、皆さん、怠惰な私を許して下さい。


CD12月24日:世間はクリスマス

今日はクリスマス・イブです。無宗教のアナーキスト?である私には、本来キリスト教徒の祭典であるクリスマスはあまり関係がありません。が、みずなが生まれて以来、世間で行われる四季の行事は全部執り行うことになりましたので、我が家も一応クリスマスなのです。でも、肝心のイブの日に私は出社。しかも集合は朝の7時半ときました(T_T)。やっぱりクリスマスには縁遠いのでしょうか?

せめて、音楽だけでもクリスマスにしようと、帰宅後はバッハのクリスマス・オラトリオをかけてみました。バッハの宗教大作は年に1度くらい聴けば十分と考える私ですが、「クリスマス・オラトリオ」なら、「マタイ受難曲」みたいに重くありませんから、クリスマスの日には最適かも。

CDジャケットバッハ
クリスマス・オラトリオ BWV248
フレーミッヒ指揮ドレスデンフィル、ペーター・シュライヤー、テオ・アダム他
録音:1975年
BERLIN Classics(輸入盤 0020652BC)

「クリスマス・オラトリオ」には、ペーター・シュライヤー指揮シュターツカペレ・ドレスデンによる立派な演奏がある(PHILIPS、録音:1986,87年)のですが、どういうわけか私は、この曲に関してはフレーミッヒ指揮のドレスデンフィル盤に愛着を感じます。録音時期を考えても、古いタイプの演奏なのでしょうが、音楽の躍動感、清新さ、溌剌とした輝き、全体の大きな流れなど、どれをとっても優れた演奏だと思います。

さて、このCDには演奏者一覧がついていました。今は散逸しているのですが(^^ゞ、私の記憶によれば、必ずしもドレスデンフィルのメンバーだけで演奏したものではないような気がします。何と、第1ヴァイオリンのトップ(近代オーケストラでいうコンマス)にはカール・ズスケが入っています。ズスケといえば、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の名コンマスとして名前を知られた逸材ですね。「彼がもしゲヴァントハウス管になかりせば、...」という事態は恐ろしくて想像もしたくないという人もいるでしょう。大変な力量を持ったコンマスだったのです。で、彼は、シュターツカペレ・ベルリンにも在籍していたことはよく知られているのですが、ドレスデンフィルというのは? 多分、この録音のために飛び入りで参加したんでしょうね。このCDで聴く演奏が、溌剌と輝いているのは、ズスケの力によるところ大だと私は見ています。探せば、もっと助っ人が混じっているかもしれません。逆に言えば、旧東独の音楽を支える音楽家は極めて少数だったのではないかとも考えられます。こういうCDを聴くと、「国家を挙げて取り組んだのだな、いいCDになるに決まっているな」と感慨に耽ってしまいます。その分LPやCDが乱造されることがなかったわけで、光と影が交錯した典型例ではないかと思っています。どうでしょうか。

注)ズスケにはこんなCDもあります。


CD12月22日:CD試聴記に「センスのよいCD」と題し、ピアニスト久元裕子さんのCDを追加しました。今回は柔らかく、「です・ます調」にしました。


CD12月21日:リンクのページに「ベルナルド・ハイティンクの部屋」を追加しました。

ベルナルド・ハイティンクの部屋

待望のハイティンクのページ。作者のDARKさんは、メールアドレスまで「haitink1929@hotmail.com」とするほどの入れ込みぶり(1929は、ハイティンクの生年)。まだ工事中のところがあるが、今後の充実が楽しみ。一部でしか人気がないハイティンクなので、私はこのまま誰も扱ってくれないのかと心配していたが、やっぱり熱心なファンはいたのだ。まるで私のために作ってもらったようなページである。みんなで応援しよう! なお、このページの作者は、他にも「名曲談話室 モデラート」「バーチャル音楽会 TACT」というページを構えている。総括ページは「音楽の玉手箱」だ。何とも盛り沢山である。すごい。

というわけで、ハイティンクのページがついに登場しました! ネット界というのは本当に楽しいですね。「こんなページはないものか」と思っていると、必ず出てきます。ハイティンクについては、私がなぜこれほど気にしているか、未だに納得できない方も少なからずいらっしゃると思いますが、先入観なしに聴いてみると、いくつも掘り出し物に出くわすはずですので、ぜひお試し下さい。

例えば、いつぞや当CDジャケットページ読者の青木さんがゲストブックに書いておられたチャイコフスキーの交響曲第5番(PHILIPS、1974年録音、国内盤 PHCP-9614)など、オケのよさ、録音のよさもあいまって最高の出来映えです。録音には文句のつけようがありません。耳にするたびに痺れます。青木さんが「コンセルトヘボウ管に開眼した」とおっしゃるのも当然です。ハイティンクのあの顔を思い出さないで聴けば、きっと誰もが感心すると思うのですが。残念なことに、CDのジャケット写真は相も変わらずかっこよくないハイティンクの上半身なのです。とても疲れた表情で指揮棒を振り上げる若禿のハイティンク。PHILIPSはコンセルトヘボウ管のサウンドを巧みに収録する技術はもっていたのに、それを売る技術がなかったんですね。名盤案内の片隅にもこのCDが載ってこないのは、そういうところに理由があるのかもしれません。何とも悲しいことです。


CD12月20日:N響を聴く

昨晩はN響を聴いてきました。指揮はシャルル・デュトワ。プログラムはオール・フランスもので、フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」、サン=サーンスのバイオリン協奏曲第3番、ビゼーの「アルルの女」第2組曲、ラヴェルの「ボレロ」でした。これはN響の音楽監督であるデュトワ自らが選曲したそうです。女房さんは、私がフランス音楽のコンサートに行くと聞いてびっくり。別にびっくりしなくてもいいんですけど....。私は何もドイツ音楽に特化しているわけではないのです。たまたまCD試聴記に載るCDがドイツ音楽中心になっているだけなんです。

とにかく、私はデュトワ指揮N響による「おふらんす」音楽コンサートに出かけたのであります。場所はどこか。えへへ(*^-^*)、埼玉県浦和市にある埼玉会館であります。「こりゃ近くていいわい」と思ってチケットを買ったのですが、さすが埼玉。会場の雰囲気は完全に地方と同じです。小さな子連れの家族や、制服を着たままの高校生などでごった返していました。何だかほのぼのとした雰囲気です。いいなあ。昔、私は故郷福島の文化センターや公会堂でクラシックコンサートを聞いたのですが、その時の雰囲気にとても似ているんですよ。

さて、演奏ですが、前半のフォーレ、サン=サーンスはどうにも食えない演奏でした(関係者の方、許して!)。オーケストラは金管楽器の出番が少なかったためか(^^ゞ、ミスが殆ど目立ちませんでしたが、問題はそこにあるのではないのです。あろうことか、各セクションの音がばらばらに聞こえるんですね。まるで各セクションが勝手にいろいろな方向を向いて演奏しているかのようでした。そうなったら、聴衆に音楽が届かないに決まっています。私の大好きなオケ、シュターツカペレ・ドレスデンのように、オケとして有機的なまとまりがないのにはかなり落胆しました。「これが日本最高のオケか」と思うと、後半のプログラムを聴かずに帰りたくなりました。

ところが、後半はさすがにN響もプロの意地を見せてくれました。オケの音が格段にまとまってきます。やっとホールに慣れてきたのかもしれません。「アルルの女」も「ボレロ」も楽しい演奏でした。「ボレロ」ではトロンボーンがピンチに陥っていましたが、その後のオケは順風満帆で、熱狂的にフィナーレを飾りました。盛大な拍手が起きたのは言うまでもありません。ただし、デュトワが指揮したわりには、演奏が全くフランスっぽくないんです。今思い出しても奇妙なのですが、「アルルの女」第2組曲の終曲「ファランドール」も、「ボレロ」のフィナーレもズンドコ節でした(^^ゞ。確かに、「アルルの女」の「ファランドール」は、「行進曲のテンポで」となっているのですが、デュトワのCDで聴くよりもずっとミリタリー調でした。いや、ミリタリー調というより、大日本帝国陸軍軍楽隊のような音楽作りだったのです。でも、それはどう考えても指揮者の解釈ですよねえ。???

それはともかく。ひとつ印象に残ったことがありますので、簡単に書き記しておきましょう。私の隣には男子高校生が3人並んで座っていました。会話内容から判断するに、N響を聴くのは初めて、もちろん、デュトワを聴くのも初めてという方々でした。彼らのコンサートへの期待は大きく、開演前に興奮しまくっていたのです。なにしろ、開演前には「あと5分、あと2分、あと1分」と叫んでいるんです。デュトワが登場すると、「うわあああ、出たあ!」と絶叫です。こんな状態で聴き始めれば、その人にとって最高のコンサートになるのは明らかですね。演奏中も彼らは身体を揺らしながら聴き入り、終演後は手が痛くなるのではないかと思われるほど強く激しい拍手をしていました。

彼らは、20数年前の私です。高校生の頃の私は、それこそ生のオーケストラの音を聴くだけで感動に打ち震えたものです。今では日本最高の技術を誇るN響を聴いてさえ不満を漏らしています。贅沢になったものです。音楽を本当に楽しんで、素直に感動しているのは彼らであって、現在の私ではありませんでした。彼らを見て、私が20数年の間にどれだけのものを失ったのか、ふと考え込みました。浦和に吹く冷たい風が身にしみる、そんなコンサートでした。


CD12月19日:CD試聴記にミレニアム企画「アバド・ケンペのベートーヴェン交響曲全集を聴く」の「交響曲第4番」を追加しました。昨日は参考盤でしたが、今日は正編です。今回のCD試聴記は、自分の分析力と筆力のなさに泣かされました。何だか情けなくなってきました。読者の皆様、どうか私を哀れんで下さいませ。


CD12月18日:CD試聴記にミレニアム企画「アバド・ケンペのベートーヴェン交響曲全集を聴く」の「交響曲第4番」を追加しました。が、今日はまだアバドもケンペも出てきません。もうすぐ年末なのに、こんなに悠長なペースでいいのかしら?

そういえば、今年は順調に雪が降っているようですね。苗場では積雪100センチ、ほぼ全面滑走可とか。「土曜日だけでも日帰りスキーに行かせてもらえないか」と女房さんにお願いしたところ、激怒されてしまいました。ううう(T_T)。


CD12月17日:クリスマスプレゼントはこれだ!

先日山野楽器浦和店でCDを漁っていたところ、すごいCDに遭遇しました。以下のセットです。

CDジャケットフルトヴェングラー
戦後の伝説的コンサート
TAHRA(輸入盤 FURT 1054/7)
収録曲

 

DISC 1

DISC 2

DISC 3

DISC 4

TAHRAはフルトヴェングラーのライブ録音を大量に発掘し、順次発売してきました。その中には、高い評価を受けてきたものが多数含まれています。私も早く買い集めておきたいと思ったCDがたくさんありました。私は手許不如意ですので、好き放題にCDを買うわけにもいかず、欲しくても買いそびれていたのです。今回私が手にしたセットは、私がまさに「欲しいなあ、聴きたいなあ」と思っていたCDばかりを集めた豪華なものです。バイロイトの「第九」に優るとも劣らないといわれるルツェルン音楽祭におけるフィルハーモニア管との熱狂的ライブ(DISC 3)や、やはり創立間もない北ドイツ放送響との陶酔的ブラームス(DISC 4)を始め、手兵ベルリンフィルとの渾身の「エロイカ」(DISC 1)、「運命」そして「田園」(DISC 2)を聴くことができます。

これらはどれもフルトヴェングラーの異常とも言えるテンションの高さを聴き取れるライブ録音です。TAHRAは、かつてのリリースでは音質に問題ありとして、今回抜本的にリマスタリングを行うなど、この録音に十分な敬意を払っているようです。私は旧盤を聴いたことがありませんので、音質がどれだけよくなったかをお知らせすることはできないのですが、いずれも鑑賞に不満を感じさせない立派な水準でした。マイク設定上のハンディキャップ及びテープの経年劣化が進む中で、これだけ鮮明な音でフルトヴェングラーを鑑賞できるとなれば、私は文句なしであります。

ちなみに、このセットの作りは面白いですよ。上にジャケット写真を掲載してありますが、大きなサイズの書籍みたいなのです。横幅は通常のCDサイズ、縦はCDの2倍、厚さも2倍ありまして、表紙、及び背表紙を開くと2枚ずつCDが収録されています。ですから、手に取るととても重量感があります。最近のCDは、どこからどう見ても安っぽいのですが、これはフルトヴェングラーのCDにふさわしい重量級CDケースになっているのです。表紙のフルトヴェングラーのどアップも強烈で、思わず買いたくなります(?)。ただし、サイズが特殊なので、収納にはやや問題がありますが...(^^ゞ。

ところで、値段ですが、4枚組で何と2,600円程度なのです。今年1年間はCDの低価格化が猛烈に進展しましたが、やや高めの価格設定をしていたTAHRAでもその流れに逆らえなかったんですね。でも、ファンとしては喜ばしい限りです。演奏、音質、曲目、そして重量ケースと、文句ひとつつけられない最高のセットです。これなら、クリスマスプレゼントに最適でしょう。これからクラシックを聴く人にも、かなり聴いてきた人にも、最高の贈り物になると思いますよ。いかがでしょうか。


CD12月15日:CD試聴記に、先週扱った「ロシア魂に酔いしれる夜」の「続編」を追加しました。皆さん、こんな馬鹿なことを書く私を、どうか見捨てないで下さいね。


CD12月14日:ミサ曲ロ短調

昨日はサントリーホールにバッハの「ミサ曲ロ短調」を聴きに行ってきました。今やバッハ演奏の一方の雄となった鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)による演奏です。

満場の聴衆を前に、鈴木さんはとても清楚な演奏を聴かせてくれました。小編成の古楽器オーケストラと、わずか20数人の声楽陣による演奏ですが、編成が小さいだけではなく、演奏が清楚なので余計に小振りに感じられました。ホールが不釣り合いに大きいのではないかと思ったほどです。

「ミサ曲ロ短調」は長大な作品です。夜7時から始まったコンサートは、途中20分の休憩をはさんで9時半に終了しました。終了後、席を立ったら、お尻がジンジン痛みました(^^ゞ。

それはともかく、長大な「ミサ曲ロ短調」を弛緩なく演奏するというのは難しいと思われます。聴き手も、演奏者も同じ集中力を全曲を通して持続させることは至難の業です。今回のコンサートでも、BCJの調子が上がってきたのはグロリアの半ば過ぎでした(そう思うのは私だけかもしれませんが)。具体的には、Gloriaの「Qui sedes ad dextram Patris」(父の右に座したもう主よ)あたりからです。そこからテンションが上がっていって、Gloria終曲の「Qum Sancto Spiritu」(聖霊とともに)では合唱団、オケとも見事なフーガを聴かせて、会場を一挙に興奮させていました。輝くばかりの演奏です。BCJとしても会心の出来だったのではないでしょうか。

休憩をはさんだ後半は、さらに調子が上がりました。Credo(信仰宣言)は、中心となる「Crucifixus」(十字架につけられ)までの音楽進行が絶妙でした。音量は抑えに抑え、張りのある弱音を使いながら演奏していました。その演奏の間、ホール内にはしわぶきひとつ聞こえません。全聴衆が固唾を呑んで聴き入っていたわけです。その場所がいかに重要であるか、知っている聴衆ばかりだったのでしょうか(◎-◎)。まあ、演奏がよければ、自然とそうなりますね。

Credoの後に続く部分もとても良かったと思います。Benedictus(ほむべきかな)ではフラウト・トラヴェルソの妙技が聴けましたし、オケにも合唱団にも満足できました。中でも今回注目したのはBCJとは初共演になるというカンターテナーのアンドレアス・ショルです。この人の歌は、ソリストの中でも図抜けていました。まず大変な美声の持ち主です。技術もあります。しかも背丈もあり舞台映えがします。Gloriaの「Qui sedes ad dextram Patris」(父の右に座したもう主よ)で彼は初めてその歌を披露したのですが、みんなびっくりしたのではないでしょうか。テノールのゲルト・トュルクもかなりの技量がありますが、ショルの方が数段上という感じがしました。カウンターテナーとテノールを比べるのも変かもしれませんが...。

ショルの美声が最高に発揮されたのはAgnus Dei(神の子羊)でした。ここは、もはやショルの独壇場だったのです。彼は美声すぎて、ややオペラティックなのですが、私はすっかり幻惑されてしまいました。そのため、全曲の最後を飾るDona nobis Pacem(我らに平安を与えたまえ)は茫然自失しているうちに終わってしまいました(^^ゞ。このような経験は私も初めてです。あれだけ目立ってしまうと、活動の舞台がオペラになるのも無理からぬことですね。

ところで、少人数の合唱団もいいですね。大合唱団も迫力があって大きな感銘を受ける場合が多いのですが、フーガなどではどうしても乱れたり、音が濁って聞こえます。BCJの合唱団ではフーガにおける各声部の動きがとてもクリアでした。あのような透明感のあるフーガを聴くのはとても気持ちがいいものです。

なお、指揮者の鈴木雅明さんですが、もはや仙人、あるいは宗教団体の教祖のような風貌ですね。演奏する音楽がバッハともなると、余計そういう目で見てしまいます。しかし、指揮ぶりはまことに職人的でした。私は一階の、前から10列目のほぼ中央に座っておりましたので、鈴木さんの指揮する姿をつぶさに見ておりましたが、本当に丁寧でした。あれなら合唱団もさぞかし歌いやすかったでしょう。

最後に。私は滅多にバッハの宗教大作を聴きません。「マタイ受難曲」や「ミサ曲ロ短調」などは、私にとっては特別な曲でして、そうしょっちゅう聴くものではないと思うからです。でも、実演に接すると、やはり興味がどんどん湧いてきますね。昨晩は本棚の奥にしまってあった「ミサ曲ロ短調」のヴォーカル・スコアを取り出してしまいました。あぶない、あぶない。


CD12月13日:本日は2部構成です。

その1:「指揮者ケンペ」

先頃、「指揮者ケンペ」という本が発売されました。出版社は芸術現代社、著者は尾埜 善司(おの ぜんじ)さんという弁護士で、価格は3,000円。先週、いつも早耳の読者スシ桃さんからの連絡があったので、早速紀伊國屋Book Webで注文しました。本は週明けに私の手元に届いたのですが、あまりの面白さに二晩で読破してしまいました(^^ゞ。本の帯には、「ケンペのバトンのもとでは、みんながしあわせになった/ケンペとめぐり合い、25年。いま世に問う、世界初の評伝」とあります。よくできたコピーです。あなたも読んでみたくなりましたね? 帯の内容にウソ、偽りはありません。とても感動的な本でした。何よりも尾埜さんのケンペに寄せる愛情が滲み出ているのです。

著者の尾埜さんは、25年前にケンペのレコードとめぐり合い、以来ずっとケンペを追いかけてこられました。その思い入れは、切々たるものがあります。冒頭の20ページ弱は、尾埜さんがどのようにケンペとめぐり合ったか、どのようにケンペに接してきたかが克明に記載されています。私も特定の音楽家や特定の団体に対して、通り一遍ではない愛情を持っていますから、尾埜さんのお気持ちがよく分かります。読んでいて私自身もケンペを追いかける尾埜さんになったかのように感じました。

参考までに目次を以下に記載しておきます。ケンペに関する事柄をほとんど網羅しておられます(ないとすれば、ケンペの録音に関する個々の演奏評くらいでしょうか)。ケンペの知られざる一面が明らかになっています。ともあれ、ケンペに少しでも興味を持っておられる方は必読でしょう。

その2:シノーポリ、ドレスデンを完全掌握

昨日、我が家に届いた「MOSTLY CLASSIC」によれば、シノーポリが2003年からザクセン州立歌劇場の音楽監督を兼任することが決定したそうです。コンサート部門のシュターツカペレ・ドレスデンと合わせ、これでドレスデンを完全に掌握したといえるでしょう。シノーポリはコンサート部門であるシュターツカペレ・ドレスデンのシェフに就任していますが、オペラの音楽監督は激務ゆえに固辞してきたのです。

なお、歌劇場音楽監督の前任者はビシュコフで、彼は1999年から歌劇場の音楽監督だったのに、さっさと後任を決められ、ほとんど何の業績も挙げていないまま首切りとなりました(T_T)。裏に何かあったのかもしれませんが、現時点では不明です。今年ゼンパー・オパーにおける最大の出し物は、ビシュコフ指揮によるR.シュトラウス「ばらの騎士」新演出だったのですが...。

でも、個人的には、ビシュコフよりはシノーポリの方がまだドレスデンに合うような気がします。シノーポリのカペレ首席指揮者契約は2007年まであります。オペラ部門はいつまでになるか不明ですが、こうなったら、シノーポリに頑張ってもらうしかありませんね。10月には「第九」の大名演を聴かせていますし、シノーポリは少しずつ成長していると私は期待を込めて自分に思い込ませています。シノーポリ、ドレスデンでいいオペラを聴かせてほしいものです。


CD12月12日:CD試聴記、昨日の内容に「追記」をしました。


CD12月11日:CD試聴記にミレニアム企画「アバド・ケンペのベートーヴェン交響曲全集を聴く」を再開しました。今回は「交響曲第3番『英雄』」です。


CD12月10日:リンクのページに「及川孝生のホームページ」を追加しました。

及川孝生のホームページ

音楽、書評、鉄道と、興味が広範な及川さんのページ。これほど広い分野で何か書き物をしようとすれば、多かれ少なかれ情報が薄くなるはずだが、どのページも瞠目すべき力作揃い。トップに来る「題名のない音楽館」ひとつとってもすごい。「題名のない音楽館」には、「バッハから、宇多田ヒカル・倉木麻衣までの音楽評論とリンク集」と銘打ってあり、大変充実した読み物がある。

上記ページを訪問して、どれかひとつのページを読んでみるとすぐ分かると思いますが、及川さんは大変な文章力の持ち主です。最近までドラクエをやっておられたそうですが、その感想文ひとつ読んでみただけで、「うーむ、そうなのか」と唸らせられます。

ところで、このぺーじを私はどうやって知ったか。一頃、私はハイティンクの情報を集めていました。ちょうど「ハイティンクの深淵」なぞという、タイトルばっかりが目立つ企画をやっていた頃です。「どこかにハイティンクを扱っているページはないものか?」と思って検索エンジンを使って調べてみたところ、まともに現れたのはわずか数件(T_T)。前にも書きましたが、当時は、私がAn die Musikに書いたハイティンクの記事がトップに登場する有様でした(◎-◎)。ハイティンクの人気のなさを改めて認識してしたものです。それはともかく、検索エンジンで検索されたハイティンクに関する情報で、最も価値あるものが「及川孝生のホームページ」だったのです。「題名のない音楽館」を開いてみると、ひっそりと「ハイティンク論」があります。ぜひご一読いただきたいのですが、まさにわが意を得たり!という気がします。及川さん、きちんとハイティンクを認識しておられたんですね。嬉しいです。

ハイティンクは、見た目こそ地味ですし、穏健なだけの演奏をしているように感じる場合も多いかもしれませんが、とてもいい指揮者です。コンセルトヘボウ時代など、聴き逃せない演奏がたくさんあります。ハイティンクあるいはコンセルトヘボウ管情報をお持ちの方、ぜひご連絡下さい。そのうちにこのページ上でキャンペーンをやりたいと思っておりますので。


CD12月8日:どんな音量で聴くか

現在のところ、私は町中のマンションに住んでおりますので、あまり大音量でクラシック音楽を聴くことはできません。もし環境さえ許せば、私だってある程度音量を上げてCD観賞をしたいところですが、他の部屋の住人だけでなく、家族まで巻き込むことになるため、なかなか大音量再生ができません。ですから、アンプのボリュームを上げても、大体9時の方向が限度です(T_T)。本当に大音量で気持ちよく聴きたいときには、ヘッドフォンを利用します。特に夜11時以降はヘッドフォンなしにはマンションでの音楽鑑賞は不可能です。ただ、残念なことに、ヘッドフォンでは臨場感が不足します。スピーカーのウーハーをふるえさせる、それこそ腹に響くような「ずううううん...」という音の再生は物理的に無理でしょう。

もっとも、人間は環境に素早く適応しますから、大きな音量を出せないなら出せないで、臨場感を自分で補って聴くことができるようです。中音量(こんな言葉が許されるとすれば、ですが)でも、じっと耳を澄ませればかなり音楽に没入できます。私はもっぱら中音量再生派であります。

ところで、肝心のメーカーは、どの程度の音量で聴くことを想定しているんでしょうね。一時B&W社のMatrix801というスピーカーが流行した時期がありましたが、その理由は、大手レーベルがモニタースピーカーとして採用していたことでしょう。しかし、あのスピーカーは、「ハイパワーのアンプで、とてつもない音量で再生することによってはじめて真価を発揮する」とオーディオショップの店員さんに聞いたことがあります。とても一般家庭に持ち込める代物ではないのだとか。そういうスピーカーをモニター用にしているからには、CD制作サイドでは、やはり大音量再生が前提なのでしょうか? タンノイのスピーカーで小音量再生をしているなどというレーベルは少なくとも私は耳にしたことがありません。

こんなことを書くのは、一昨日取りあげたクナ指揮「ばらの騎士」を聴き続けているからなのです。あの演奏は小音量で聴きますと、ちょっと音質的に物足りなく感じます。ところが、私のマンションにおける臨界点=ボリューム9時の方向で聴くと、すばらしい臨場感です。とてもモノラルであることなど気にならない名録音に感じます。私にその録音を最初に聴かせて下さったR.シュトラウス研究家M氏も、かなりの大音量再生をされておられました。再生する際の音量が、演奏の印象にまで影響を強く及ぼしているのではないか、とふと考え込む私でした。どうなんでしょうね? 皆さんはどの程度の音量で聴いておられますか?


CD12月7日:本日は3部構成です。

その1:リンクのページに「よしじゅんのホームページ」を追加しました。

よしじゅんのホームページ

指揮者兼作曲家として知られるプレヴィンや、若手気鋭指揮者ヴェルザー=メスト、日本のクラシック黎明期を支えた近衛秀麿などを扱うページ。プレヴィンについての情報はかなり深い。ディスコグラフィーを見て、プレヴィンの録音がいかに膨大なものであったか私は初めて知った。器用な指揮者だし、健康そうに見えたのだが、視力の低下で引退寸前だという。このページには「アンドレ・プレヴィン・プロジェクト」があるので要チェックだ。

その2:ヘッドフォン問題

少し前にこの欄で話題にした私のヘッドフォン問題ですが、先頃親切な読者の方から高級ヘッドフォンを寄贈していただき、解決いたしました。寄贈して下さった読者Sさんは、オーディオルームを作った後、購入したアンプにヘッドフォン端子がなく、それ以来ヘッドフォンを使わずにいらしたとのこと。その矢先、みずなにヘッドフォンを踏みつぶされた私の哀れな話を知ったそうです。私のような手許不如意のしがないWebマスターには天の恵みでした。音質も、装着感も最高です。読者のSさん、この場を借りて再度お礼を申しあげます<(_ _)>。

その3:プロバイダー

日経BPから発売されている雑誌「netn@vi」を昨日初めて購入しました。早くも2001年1月号でした(◎-◎)。それはともかく、プロバイダーに関するランキングが掲載されていて興味を惹かれました。いくつかの項目があるのですが、私が最も気にする「つながる、つながらない」の項目では、以下のようなランキングがありました。「つながる」ベスト5は以下のとおりです。

BEST 5

満足度

1
U-net SURF

177.6

2
DTI

167.0

3
IIJ4U

160.5

4
AT&t Worldnet

145.6

5
ASAHIネット

138.5

私が使っているBIGLOBEの名前が出てきません。それはそうです。私は時々自分のページにアクセスしようとして、つながらないんですから(T_T)。ホームページを作るときは、利用料が安く、大手であるというだけでBIGLOBEを選んだのです。それだけの理由で、わざわざso-netから乗り換えたのです。ところが、BIGLOBEはつながらないこと夥しく、しかもサーバが不安定なため、私は大変不満です。今回「netn@vi」の各ランキングを見ていろいろ思い悩んだ私でした。私もホームページの引っ越しを考えたくなりました。


CD12月6日:クナの「ばらの騎士」

CDジャケットR.シュトラウス
歌劇「ばらの騎士」
クナッパーツブッシュ指揮ウィーンフィル
録音:1955年11月16日、ウィーン国立歌劇場
BMG(輸入盤 74321 69431 2)

これは、発売された頃「Syuzo's Homepage」などで話題になった有名なCDですね。「ばらの騎士」の録音は、私のCD棚にもすぐには数えられないほどありますし、「Syuzo's Homepage」では音質問題が取り沙汰されていたので、購入意欲が若干低下していました。が、昨日ついに入手したのです\(^o^)/。発売されて1年ほども経ってからやっと購入に踏み切ったのは、理由があります。2ヶ月ほど前、都内在住のR.シュトラウス研究家M氏宅でこのCDの一部を耳にし、そのすばらしさに感激したからです。心配された音質も、M氏宅では何ら問題ありませんでした。M氏宅には決して豪奢ではなさそうですが、非常に(異常にか?)よく鳴るオーディオセットがあります。そのセットでこの録音を聴くと、もう部屋の中がウィーン国立歌劇場に変身! 私は往年の名歌手達が歌う第3幕の3重唱に聴き惚れて帰ってきたのであります。心に沁みいる感動の演奏でした。私が翌日CDショップに注文に走ったのは言うまでもありません。

しかし、注文してからが長かったのです。待てど暮らせど入荷してきません(T_T)。もう生産中止なのかと半ば諦めていました。ところが、昨日浦和のCDショップに立ち寄ったところ、いつもの店員さんが、「伊東さ〜ん、クナのCDが入荷しましたわよーん」と言うではないですか。しかも3枚組の値段は2,490円!私は思わず「え? こんなに安くていいの? もしかしたら抜粋盤ですか?」と訊き返してしまいました。もちろん抜粋盤ではありません。私はとても得をしたような気になりました。CDの価格低下はすさまじいものがありますが、こうした名盤が安く手に入るのはやはり嬉しいものです。太っ腹のBMGに感謝しなくてはいけませんね。

ところで、我が家のオーディオセットで聴いた音質ですが、さすがにM氏宅には及びもつきませんでした。予想はしていましたが...。でも、不満はありません。劇場におけるマイクの制約からか、ホルンの音が少し奥まって聞こえはしますが、それだけです。大歌手達の妙なる歌声を聴くのに差し障りはありません。皆さんもぜひお試しあれ。3枚組の長い曲ですが、時間を忘れさせますよ。


CD12月5日:今日は少し寄り道をします。CD試聴記に「ロシア魂に酔いしれる夜」を追加しました。内容は....。


CD12月4日:ミレニアム企画「アバド・ケンペのベートーヴェン交響曲全集を聴く」を再開しました。今回は「アバド指揮の交響曲第2番」です。

こんなペースでは一体いつ終わるのやら。こうなったら寄り道しながら、のんびりやった方がいいですね。


(An die MusikクラシックCD試聴記)