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2007年11月30日(金):シューベルト
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「シューベルト篇」に「レヴァイン指揮シカゴ響、ほか」を追加しました。文は青木さんです。
2007年11月29日(木):ケンペのドヴォルザーク
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ドヴォルザーク篇」に「ケンペ指揮の4+α種を聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。
当企画の原稿締切は11月末となっておりましたが、まだまだ受け付けております。12月中旬くらいまでならOKですのでふるってご参加下さいね。
2007年11月28日(水):カラヤンのマーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「カラヤン指揮ベルリンフィル」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。また、掲載まで時間がかかって申し訳ありませんでした。
2007年11月27日(火):コンサート全日程終了
今日もまたサントリーホールでマーツァル指揮チェコフィルのコンサートを聴いてきました。「チェコ組曲」から「ポルカ」、チェロ協奏曲、交響曲第9番「新世界から」というドヴォルザークプロでした。全くミーハーで恥ずかしいのですが、「ポルカ」を生で聴けたのは嬉しいです。この曲は当初発表されたプログラムには入っていませんでした。いつの間にか入り込んでいたのです。理由は明らかで、「のだめ」ファンをコンサートに呼べるからですね。
「のだめカンタービレ」がテレビで放映されたのはちょうど1年前の今頃でした。原作の漫画は連載が続いているとはいえ、ちゃんと新たな客層を開拓しているようです。人によってはマーツァル指揮チェコフィルという組み合わせが最初に聴いた本格的クラッシックコンサートになるわけで、何とも羨ましいことだと思います。マーツァルもまさか自分が極東で注目の的になるなどとは夢にも思わなかったでしょう。
それはさておき、本日で今年のコンサート通いは終了しました。11月だけで12回。コンサートやオペラに日常的に通っている人もいるかもしれませんが、私の場合月に12回というのは決して少なくない数です。下世話な話で恐縮ですが、私が分担する家事の割合がかなりあるため、女房に極端に負担がかかります。また、チケット代金総額は恐くて当の本人すら計算できません。女房はよく黙って行かせてくれたと思います。女房に感謝であります。
当ホームページの正式名称は「An die Musik クラシックCD試聴記」です。CDの試聴記がメインコンテンツです。明日からはサイトの名称に反しないよう、CD試聴記の掲載に戻ります。「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の連載も再開します。また、ここ数ヶ月中断していた「ハイドンマラソン」も復活しますので今後ともよろしくお付き合い下さいね。
2007年11月26日(月):チェコフィル
今日はサントリーホールでマーツァル指揮チェコフィルのコンサートを聴いてきました。演目はマーラーの交響曲第3番です。
傷がない演奏ではありませんでした。特にホルン。ホルン首席は第4楽章以降メロメロになってしまう場面が何度もあり、私の近くにいた小学生でさえ「おいおい・・・」といいたげなそぶりを見せていました。
しかし、しかしです。妙な日本語かもしれませんが、ミスがあったところ以外は完璧! いや、完璧とは言わないまでも素敵な演奏でした。あんな音を出せるオーケストラがあったんですねえ。それを考慮すると、数多くのミスなど無視して良いと思います。
オーケストラのまとまり、有機性は比類ありません。どこかのパートの音を際だたせるのではなく、パート間の音が溶け合っていてとても柔らかな響きが作られています。しなやかな弦楽器の音が会場にふんわり響くと、その上に各楽器の音が染みこむように鳴っています。チェコフィルは自然界の音でも再現しようとしているかのような音を次々と繰り出していました。長い曲だけにその響きを堪能できて嬉しいです。
ホルンセクションはまるでかつてのシュターツカペレ・ドレスデンの音を彷彿とさせる自然な響きを醸し出しています。弱音での響きを聴いていると、「これは本当にホルンの音か?」と思うほど自然です。金属の音がしません。
金管楽器は必ずしも圧倒的なパワーがあるわけではないので、その面で激しいマーラーを期待していた人には物足りなかったかもしれませんが、今日のチェコフィルの音の方が貴重です。他のオーケストラには期待できません。
マーツァルはマーラーをチェコの作曲家と見なしていたと記憶していますが、今日の演奏を聴いていると指揮者だけでなくオーケストラもそう信じているに違いないと思います。演奏に愛情が感じられるし、自分たちのものとして完全に咀嚼しています。こういう演奏を聴いた後では、団員がちょっとやそっと音をはずすことがあってもご愛敬に感じられてきます。すっかりマーツァル指揮チェコフィルのファンになった私ですが、次の来日時にはこの音をまた聴けるのでしょうか。指揮者が変わってしまいますのでその点が大いに心配です。
2007年11月25日(日):「サロメ」
昨日は上野の東京文化会館でドレスデン国立歌劇場の「サロメ」を観てきました。指揮はファビオ・ルイジです。今回の来日公演を、私は12日のマーラー「復活」から聴き始めました。「復活」、「ワルキューレ」第1幕、「タンホイザー」、「ばらの騎士」、そして「サロメ」となったわけですが、尻上がりに調子が良くなっています。「サロメ」は最高のできばえでした。演奏を聴いていると、チェコフィルが「わが祖国」を演奏するときのようにシュターツカペレ・ドレスデンが自分たちの音楽を奏でていることが伝わってきます。私としては演奏に全く不満がありません。終演後には盛大にブラボーが飛び交っていました。わがことのように嬉しかったです。
ペーター・ムスバッハによる演出はやや奇抜なものでした。ヨカナーンは最初から舞台にいて、しかも縦横無尽に歩き回っています。王様のヘロデより偉そうです。それはまだしも、びっくりしたのは「7つのヴェールの踊り」でした。何と、サロメではなく、ヘロディアスが踊り始めます。ヘロディアスは実の娘サロメを追い払い、女としてヘロデを魅了しようとするのです。そのうちにサロメが主導権を奪って踊り始めるのですが、自分が脱いでいくのではなくてヘロデを脱がせにかかります。まあ、すんごい演出ですね。また、ヨカナーンは殺されはしますが、死体は白い布で覆われたままで、首が切り取られて銀の大皿に載せられることがありません。これだと視覚的には穏健なので受容しやすいのですが、、サロメの狂的な雰囲気を出すには今ひとつという気がします。
ドレスデン国立歌劇場は本日「ばらの騎士」、明日26日に「サロメ」をもう一度演奏して足かけ3週間にわたる来日公演を終了します。私としても全く不満がないとは言いかねるときもありましたが、5公演を聴いて充分満足しました。振り返ってみるとそれぞれの演奏に愛着を感じてしまいます。「あばたもえくぼ」の例えどおり、私は熱烈なファンですから不出来の日でもその不出来さを楽しめてしまうのですね。奇特な人間なのでしょう。
シュターツカペレ・ドレスデンは2009年4月に今度はシンフォニー・オーケストラとして来日します。私は今から楽しみにしています。
2007年11月23日(金):「ばらの騎士」
今日は来日中のドレスデン国立歌劇場の「ばらの騎士」を観てきました。指揮はファビオ・ルイジです。休日でもあり、オペラファンがNHKホールに集結したような観がありました。広大なNHKホールがほぼ満席に近い状態だったように見受けられました。
演奏は文句なしです。もともと「ばらの騎士」は練りに練った台本に天才作曲家が音楽をつけただけに完璧なオペラですが、演出も、歌手も、オーケストラもこの曲によく調和していたと思います。私はまた感涙にむせんでしまいました。
適度に簡素化された美しい舞台はそれだけで大変見応えがありました。まるで映画の画面のように美しい。「タンホイザー」の舞台とは雲泥の差です。
元帥夫人は当初予定されていたアンゲラ・デノケではなく シュヴァンネヴィルムスが演じていました。カーテンコール時には満場の拍手を得ていました。これは当然で、歌といい、演技といい非の打ち所がありません。私が持っている元帥夫人のイメージにも近く、大変好感が持てました。今回の公演が始まる前、唯一気がかりだったのはゾフィー役の森麻季さんでした。噂ではプローベの際声量が不足していたのか指揮者ルイジはオーケストラの音量をかなり抑制していたといいます。しかし本番では3階後方にいた私のところまで充分に届く歌声が聞けました。表情も豊かに演じることができたと思います。驚かされるのはクルト・リドル。この人は「タンホイザー」でも領主ヘルマンを演じ、大変な存在感を示していましたが、「ばら」ではオックス男爵を力演していて、これまたすごい存在感です。
唯一不満があるとすれば、演奏が始まるとすぐに幕が開いてしまうことです。あの前奏曲をじっくり聴けないのです。しかも冒頭からいきなり「・・・」のシーンが出てきてしまい、音楽に集中できません。演出にやられてしまいました(小さなお子さんを連れてきた方々は困ってしまったのではないでしょうか)。
会場では公演の前後に若杉弘さんをお見かけしました。往年にこの歌劇場で活躍された方ですが、今日の公演をどのように感じておられたのでしょうか。帰りにクロークで順番待ちをしていると案の定歌手に対して厳しい批評をしている方々の声が耳に入りましたけれども、私はとても満足して帰ってきました。私にとっては思い出に残る素敵な公演になりました。しばらくは今日の思い出だけで胸がいっぱいになりそうです。
2007年11月23日(金):チェコフィル
昨日はトリフォニーフォールでマーツァル指揮チェコフィルのコンサートを聴いてきました。演目はスメタナの「わが祖国」全曲でした。
チェコフィルの出来はとても良かった。ほとんどそのままCDに収録できるような高水準の演奏だったと思います。彼らはいつ日本に着いたのでしょうか? 外来オーケストラの公演を聴きに行くと「まだ時差ぼけが解消していないのだな」と思わせられる演奏に出くわすことがありますが、そんな不安な印象を全く寄せ付けない演奏ぶりでした。私の目の前にはちょっと頭が大きめの人が座っていて、私の視界はまるで柱の真後ろにいるように遮られてしまいちょっと困っていたのですが、思い切って目をつぶって聴いてみると実にすばらしい音でした。
人間の集団というのはいつも同じ調子ではありません。チェコフィルも時には気の毒なくらいボロボロになるオーケストラです。そうしたケースも記憶に生々しいため演奏を聴くまでどうなるか想像ができません。ダメなときもあればきりりと演奏することもありますし、たまには大ヒットを飛ばすこともあるのですね。大ヒットに当たるとそれまでに満足できなかったときの演奏を帳消しにしてしまいます。面白いものですね。
来週はサントリーホールでマーラーの交響曲第3番やドヴォルザークの交響曲第9番が演奏されますね。この分だととても期待できそうです。
2007年11月21日(水):マーラー篇
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「バーンスタインとブーレーズ」を追加しました。文はENOさんです。ENOさん、原稿ありがとうございました。
音楽に関係のない話です。
このところ急に冷えてきたと思ったら、あっという間にスキー場がオープンしてしまいました。ついこの前まではポカポカ陽気だったのに。私の本拠地である苗場スキー場も真っ白になっています。隣接するかぐらスキー場では既に70センチの降雪があり、週末には自然雪で堂々オープンするとか。しかも今日から寒波がやってくるので積雪はかなり期待できそうです。こうなったら雪山に行くしかない!・・・となるはずなのですが、こんなに早くシーズン入りするとは思ってもいなかったので準備がまるでできていません。スキーの板だってチューンに出したままです。週末のスケジュールも埋まっています。昨日届いた苗場スキー場のシーズン券を眺めながら、地団駄を踏んでいます。
2007年11月20日(火):ドレスデン国立歌劇場の「タンホイザー」
今日は東京文化会館でドレスデン国立歌劇場の「タンホイザー」を観て来ました。指揮は準メルクル、演出はコンヴィチュニーです。
正直言って今回は不安な気持ちで会場に着きました。今回のオペラ公演では全面的に賛辞があるわけではなく、私が耳にしたマーラーの「復活」も本調子だったとは思えなかったためです。案の定「タンホイザー」の第1幕は煮え切らないというか、もどかしいというか、今ひとつ熱が入らない演奏でした。歌手はおそらく力演していたと思いますが、全体的にノリの悪い演奏です。オーケストラには粗さもありました。
しかし、第2幕以降は文句なしです。オーケストラも歌手も、合唱団も立派だったと思います。細かく言えばどこそこで微妙に合っていないとかなんとか言えるのですが、音楽に乗ってくるとそうした些細なことは完全に許容できてしまうものなのですね。第2幕の歌合戦の白熱、第3幕の「ローマ語り」の緊迫。とても良かったです。登場するたびに圧倒的な迫力で声を響かせた合唱団もすばらしい。お陰で気持ちよく会場を後にすることができました。
余談
終演後の拍手は全体的にやや冷ややかでした。第1幕はともかく、第2幕、第3幕と熱演をした後でしたからびっくりしました。人によって評価は様々だったのでしょう。私はシュターツカペレ・ドレスデンの熱烈なファンなのでつい贔屓目になってしまいますが、あまり良くは思わなかった方々もいるようで、ブーイングもかなり聞こえました。それを打ち消さんとするかのようにブラボーも飛びましたが、私の耳にはブーイングが焼き付いています。
ブーを出した人は一体何を対象にしているのでしょうか? オーケストラに? 歌手に? 指揮者に? 演出家に?
演出家に対してであれば分からないでもないですが、舞台に立っているのは演奏家達です。その演奏に不満なのであれば、拍手をしなければいい。ブーまで出す必要があるのでしょうか? 私は普段オペラ通いをしていないので、普通のオペラファンとは全く違った考えを持っているのでしょう。ブーイングを耳にすると、「やれやれ」という気になります。
私はコンサートであれ、オペラであれ、ブーイングをしません。今後もしないつもりです。多分、一生。それどころか私は仮に満足しない演奏を聴いても、少なくとも儀礼的に、しかも儀礼的とは周囲に分からないように拍手をします。理由は単純で、まず演奏をした人に対する敬意を払うべきだと考えているからです。相手がプロであってもよほどのことがない限り当然払うべき敬意だと私は思います。「高いお金を払ってこれかよ」と私は思わないクチでして、人間のやることですからうまくいくときもあればうまくいかないときもあると考え、演奏してくれた音楽家に敬意を払う意味で拍手をします。私は奇特な人間なのかもしれません。
二つ目の理由。こちらがより重要です。
コンサートであれ、オペラであれ、そこは「ハレの場」であると考えているからです。演奏に対する自分の評価がどうであれ、多くの人が集まって成立する「ハレの場」を私ごときの憮然とした態度や拍手拒否、ブーイングで汚すつもりはありません。今どき「ハレの場」などという言葉を誰も使いませんし、こんな考えを持っていると古いと蔑まれそうですが、私は主義としてそうしています。
私の考えを誰かに押しつける気はありません。コンサートやオペラの楽しみ方はいろいろあってしかるべきでしょうが、ブーイングだけは未だに好きになれません。
2007年11月19日(月):ベートーヴェンの第九
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ベートーヴェン篇」に「クレンペラー指揮フィルハーモニア管」を追加しました。文はのむさんです。のむさん、原稿ありがとうございました。
2007年11月18日(日):ショスタコーヴィチ
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」に第6回「ショスタコーヴィチ篇」を追加しました。
このショスタコーヴィチ篇で私の原稿掲載は終了です。予定より1週間多くかかってしまいました。全く面目ありません。ここから先は皆様からの原稿を少しずつ掲載していく予定です。11月中は原稿を受け付けておりますので、どうしようかと迷っておられる方はぜひともご応募下さい。応募要項はこちらです。
2007年11月14日(水):シュターツカペレ・ドレスデンの「ワルキューレ」
来日中のシュターツカペレ・ドレスデンのコンサートに行ってきました。ファビオ・ルイジの指揮で、場所はNHKホールでした。演目は以下のとおりです。
- ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
- ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」から「外国のお客を迎えてくれ」(バス:クルト・リドル)
- ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
- R.シュトラウス:歌劇「ダナエの愛」から「第3幕フィナーレ」(ジュピターのモノローグ)(バリトン:ハンス=ヨアヒム・ケテルセン)
インターミッション
- ワーグナー :楽劇「ワルキューレ」第1幕(ジークリンデ:エヴリン・ヘルリツィウス、ジークムント:ヴォルフガング・シュミット、フンディング:クルト・リドル)
私が座っていたのは3階の奥でした。財政難のためでしたが、今日のような演奏なら奮発して1階席中央を取っていれば良かったと思います。メインプログラム、コンサート形式の「ワルキューレ」第1幕では、オーケストラの充実した響きが聴けました。3階の奥でなければ、もっと身近にあの音を感じることができたでしょう。室内楽的な響きをずっと求められているのはどのパートも一緒ですが、ふだんオペラを上演しているオーケストラだけに堂に入った演奏ぶりでした。弱音がふんだんに使われているホルンセクションはさぞかし大変だったと思われます。ホルン首席マークヴァートをはじめ、力演でした。傷がないわけではありませんが、まあ無視できるでしょう。
プログラム前半にはウェーバー、ワーグナー、R.シュトラウスと、このオーケストラの看板になっている演目が並びました。オーケストラの血肉となっている作曲家の曲ばかりだったので心理的な余裕がある反面、失敗が許されないというプレッシャーがあって大変だったのではないかと推察されます。無論、期待を裏切らない出来映えだったと思います。特にR.シュトラウスを聴いていると、「なるほどR.シュトラウスはこういう音を求めていたんだな」と納得させられます。
今回のシュターツカペレ・ドレスデン来日公演を聴くのはこれが2日目です。いろいろ考えさせられるものがあります。前回、チョン・ミョンフンが指揮台に立ったときは、金管楽器・木管楽器の名物プレーヤーが退団するに伴い世代交代が進んでいるものの、意外に腕利きが揃ったので心配しなくてもうまくいくものだなと思っていました。が、今回はここ数年の中で最も技術的な傷が見受けられます。オーケストラも人間の集団ですからいつも機械のように技術的に完璧な演奏をするわけではないのですね。ファビオ・ルイジという新しい指揮者を迎えたこともあり、オーケストラの音作りでは現在過渡期にあるのではないでしょうか。そうではあってもオペラではある水準の演奏を必ずや実現させるもです。いくつかの傷を考慮したとしても、じっくり聴かせる「ワルキューレ」でした。終演後は盛んにブラボーが飛んでいました。多くの人があの演奏を評価していたのでしょう。おそらく地味な演奏に分類されるのでしょうが、時間が経つのを忘れるほど充実していました。次回来日時には「ワルキューレ」はもちろん、「指輪」全曲を聴きたいものです。
2007年11月12日(月):シュターツカペレ・ドレスデン特別公演
今日はサントリーホールでファビオ・ルイジ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのコンサートを聴いてきました。来日中のドレスデン国立歌劇場の特別公演です。演目はマーラーの交響曲第2番「復活」。
いやあ、すごく良かった。最高でした!・・・と書きたいのですが、そういうわけにもいかなかったのが今日のコンサートでした。あまり多くを書かないようにしますが、もしこれが最後に向かって音響的に盛り上がる曲でなかったならば、とても居心地の悪いコンサートになっていたのではないかと思います。指揮は明確だったし、オーケストラはそれに反応していました。しかし・・・、オーケストラはこの曲に慣れていないのではないかと思います。マーラーの「復活」が演目になったのは指揮者の得意曲だったからでしょうが、シュターツカペレ・ドレスデンはこの曲を今まで何度演奏してきたのでしょうか。・・・と、疑わざるを得ないほど不安な演奏でした。まあ、こういうときもあるのでしょう。人間の集団ですからね。次はNHKホールでの公演です。こちらは指揮者の得意曲というより、オーケストラの得意曲が並んでいます。大いに期待しましょう。
2007年11月11日(日):マーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」に第5回「マーラー篇」を追加しました。
当初の予定では今日までに私の原稿をすべて公開し、明日以降はドレスデン国立歌劇場の追っかけに専念するつもりでした。なかなか思い通りにはいきませんね。やっとの思いでマーラーに辿り着いただけでした。次はショスタコーヴィチです。こうなったら焦らないで原稿を書くしかありません。皆様何卒ご容赦下さい。
2007年11月9日(金):シュターツカペレ・ドレスデン来日
ドレスデン国立歌劇場が来日しています。26年ぶりの来日公演は、明日から始まります。期待が高まりますねえ。
とりあえず公演日程表を作っておきました。いずれかの公演に行かれた方はぜひ見聞録をお寄せ下さい。本文に掲載し、記録として残しておこうと思います。
2007年11月7日(水):ラン・ラン
今日はサントリーホールでエッシェンバッハ指揮パリ管弦楽団のコンサートを聴いてきました。演目は以下のとおりです。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調(ピアノ:ラン・ラン)
ベルリオーズ:幻想交響曲ラン・ランを聴くのは今年4月16日、ロンドン響との共演以来です。その時の印象が鮮烈に残っているので、ベートーヴェンもどのような演奏になるか大方予想はついていたのですが、ラン・ランはその予想をあざ笑うかのような演奏を聴かせてくれました。彼はとてつもないテクニシャンであるわけですが、ベートーヴェンを演奏していながら、音が弱音方向に収束していくのであります。彼の奏でる弱音はことのほか緊張を伴い、聴き手は耳をそばだてずにはいられません。勢い会場の静寂度は高まります。それに合わせるかのようにピアノの音はさらに小さくなり・・・という感じでした。すっかり静まりかえったサントリーホール内にラン・ランのピアノがそっと鳴っているわけです。オーケストラの伴奏もふるっていました。このオーケストラはふわっと柔らかく、軽い音を出すのですね。ラン・ランの演奏にぴったり寄り添い、決してピアノよりも目立とうとしないすばらしい演奏です。第1楽章のカデンツァはおそらくラン・ランによるものだと思われますが、最初にラン・ランの本領を発揮した豪奢なフレーズを聴かせた後は延々とピアノを奏で続けます。本当にこれがベートーヴェンなのか、と思うほどの繊細さを見せるのでした。こんな演奏を私はある程度想像しましたが、実際に目の前でやられると驚きます。とても人間が弾いているとは思えません。こんなベートーヴェンもあるのですね。アンコールに弾いてくれた「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」ともども、ラン・ランにノックアウトされてしまいました。これだけでコンサート代金の元を取ったと言えます。
コンサートに行けば毎回すばらしい思い出になるわけではありません。私は昨日もサントリーホールにいてフランス国立リヨン管(指揮:準メルクル)のコンサートを聴いていたのですが、プログラムの曲目が私の肌に全く合わず、2時間20分間ホールの座席に座りに行っただけになってしまいました(演奏のせいではありません。念のため)。しかし、今日のコンサートのようなことも時折あるのですね。あの音、あの演奏はコンサートでしか味わえないものです。自分にとっての当たりはずれはあって、あたりが頻繁にあるわけではないのですが、やはりコンサート通いは止められませんね。
2007年11月5日(月):ドヴォルザーク
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」に第4回「ドヴォルザーク篇」を追加しました。ふぅ・・・。
2007年11月3日(土):ブルックナー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」に第3回「ブルックナー篇」を追加しました。今のところ、死んだ指揮者ばかりが出てきますね。何とか打開したいのですが・・・。
2007年11月2日(金):シューベルト
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」に第2回「シューベルト篇」を追加しました。
2007年11月1日(木):開設9周年
本日An die Musikは開設9周年を迎えました。このところ育児に追われ、更新が滞りがちなこのページをずっとご訪問頂き、誠にありがとうございます。いたらぬ作者ではありますが、これからも何卒よろしくお付き合い下さいますようお願い申しあげます。
なお、9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」をスタートします。第1回は「ベートーヴェン篇」です。
11月はコンサートやオペラのスケジュール、家庭の用事、仕事で目一杯なのですが、何とか私の分の原稿をアップしていきたいと思います。皆様のご参加もお待ちしております。
(An die MusikクラシックCD試聴記)