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2010年4月

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CD2010年4月30日(金):「名盤を探る」第18回:ストラヴィンスキー

 「名盤を探る」第18回は青木さんの「ストラヴィンスキーの後期小品集」です。


20年ぶり

 今日は子供たちを学校・保育園に送り出した後、女房と二人で映画を観に行きました。女房と二人で映画なんて、思い出してみると20年ぶりのことです。20年ぶりになったのは、私と女房の映画の趣味が全く合わないだけでなく、子供ができてからその余裕がなかったというのが実情です。

 さて、観てきた映画は「薔薇の名前」です。14世紀、イタリアの修道院で起きた殺人事件の話で、非常に重厚な内容でした。長いこと観たいと願っていた映画だったので劇場で観ることができて嬉しいです。私は古いタイプの人間なので映画はDVDで観られればよいというものではないと思っています。そういうタイプの映画ファンがいるからこそリバイバル上映が企画されるのでしょうが、今日は平日だというのに、「薔薇の名前」はほぼ満席。びっくりしました。ゴールデンウィーク半ばではありますが、劇場で観たいという人は多いのですねえ。

 映画の後はイタリア・レストランへ。これは「どこかへ私を連れて行け」という女房の強い希望があったためでした。女房にしてみれば、子育ての間、イタリアンもフレンチにも入れなかったので、久しぶりの贅沢でした。亭主は勝手に道楽三昧の日々を送れますが、女房はそうはいきません。欲求不満がたまっていたのでしょう。たまには連れて行って機嫌を取っておいた方が良いかな、と真剣に思いました。皆様にもお勧めです。

 

CD2010年4月29日(木):「名盤を探る」第17回:メンデルスゾーン

 「名盤を探る」第17回は青木さんの「メンデルスゾーンのスコッチ&フィンガル」です。登場するシャイーのCDですが、「ディスカヴァリーズ」シリーズがメンデルスゾーンまで続くとは思いませんでしたね。CDならではの企画なのでしょうが、シャイーはプッチーニ、ロッシーニでもディスカヴァリーズを作っています。最初はこれが連作になるとは想像もしていませんでした。10枚くらい作ると録音史上の快挙になるかもしれません。ロッシーニのCDは私の愛聴盤でもあります。


ツイッター

 昨晩、ツイッターを始めてみました。何をどうするのかよく分からないのですが、調べるよりもまず一歩を踏み出してみようと思いアカウントを取得し、トップページに貼りつけてみました。この表示方法だとコンテンツがいきなりトップページに現れるのでぎょっとしますが、少しくらいインパクトがある方が良いでしょう。・・・とはいえ、当の本人もこのツイッターなるものの価値・使い方をよくわきまえていませんのでまだ実験的なコンテンツと思ってください。

 ツイッターを始めるのは至って簡単です。ホームページを作るより、ブログを始めるより簡単です。これだけ敷居が低い情報発信の仕組みは初めではないでしょうか。このサービスが世界レベルで提供されているのかと思うと、とてつもないことが世の中で進行しているのだと分かります。ここはクラシック音楽のサイトなのであまり深入りはしたくないのですが、アメリカ発のサービスの圧倒的優位に空恐ろしさも感じます。

余談

 買い物をしに近所のローソンに入ると、新世紀エヴァンゲリオンのキャンペーンが始まっていて、いろいろな商品が並んでいます。「ををををを!」と喜んだおじさんは、アスカとレイのポテトチップスをひとつずつ買って帰りました。それだけでは満足せず、帰宅してからはミサトのカレーラーメンも買っておけばよかったかななどと後悔している始末。私のようなオヤジが年甲斐もなく買ってしまうくらいですから、日本全国ではどれだけの売り上げがあったのでしょうか。

 

CD2010年4月28日(水):「名盤を探る」第16回:オーケストラル・バッハ

 「名盤を探る」第16回は青木さんの「オーケストラル・バッハ」です。青木さんも長くお待たせしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。相変わらずの青木節、面白いですねえ。


完全なる蛇足 

 青木さんの文章があまりにも面白いので、私もストコフスキのバッハを引っ張り出して聴いてみました。いいですねえ。たまんないです。これこそ正しいクラシック音楽の楽しみ方ではないかと思いますね。理屈抜きに楽しめます。このCDで私が最も好きなのは「パッサカリアとフーガ ハ短調」であります。オルガンで聴いても猛烈にかっこいい曲ですが、ストコフスキの編曲がふるっていて聴かせます。大げさでいいですねえ。これを聴くと単純に楽しいので、時代考証とか、ピリオド・アプローチとかどうでも良くなります。

 そういえば、この管弦楽版「パッサカリア」は冷戦中の映画「ホワイト・ナイツ」に使われていました。映画の冒頭でバリシニコフが「パッサカリア」で踊るのであります。これまたかっこよかった。驚くのは、「ホワイト・ナイツ」のサントラ盤にこの「パッサカリアとフーガ」が収録されていないことです。映画の中ではライオネル・リッチーの「Say You, Say Me」よりはるかに目立っていたと思ったのですが。私はバッハ・管弦楽曲版の大ブームでも来るのではと期待したものです。そんなことを夢想していたのは世界で私だけだったようですね。おっと、「Say You, Say Me」もサントラ盤に入っていないですね。一体どういうことなのでしょうか。

 

CD2010年4月27日(火):「名盤を探る」第15回:初めて聴いたディスク

 「名盤を探る」第15回として、ゆきのじょうさんによる「ブルックナー/第5を聴きながら思うこと」を掲載しました。


 私もゆきのじょうさんと同じように「初めて聴いたディスク」をテーマにして書こうと思っていたのですが、私より先にゆきのじょうさんからの今回の原稿が届いたためボツにしました。とてもゆきのじょうさんのようには書けません。

CDジャケット ・・・といいつつ少しだけ。
私が書こうとしたディスクはブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」のベーム盤です。高校1年生のとき厚みのある2枚組LPを購入し、大事に持ち帰った日の気持ちは今も忘れられません。ベームの「ロマンティック」は、最初にさんざん聴いた後、他の様々な演奏を聴きかじりました。その結果、ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏は金管楽器が必要以上にうるさく感じられるようになり、しばらく見向きもしなくなりました。再評価し始めたのは40歳になる頃からです。私の思い出のディスクではありますが、今や主観を排除しても名盤だと思えるようになりました(主観を完全に排除しているかどうか、自信がありませんけれども)。

 面白いのは、その当時は一所懸命聴いて喜んでいたのに、他の演奏を知ってしばらくしてから聴くとがっかりするディスクがあったり、初めて聴いたディスクの演奏によってその曲が嫌いになることもあることです。もともと優れたディスクでなければ、初めて聴いたディスクだからといって名盤だと思い続けないものです。皆さんはいかがでしょうか。

 

CD2010年4月26日(月):「名盤を探る」第14回:「運命」

 「名盤を探る」の前座を13回分もやってしまいましたが、本日以降は、私以外の原稿を掲載します。仕切り直しの第14回はゆきのじょうさんによる「「運命」よ、どこに行く」です。ゆきのじょうさんからは昨年の11月に原稿をいただいていました。掲載がこんなに遅くなり、誠に申し訳ありませんでした。深くお詫び申しあげます。


のだめカンタービレ #24表紙 「のだめカンタービレ」の「#24巻 アンコール オペラ編」が発売されたので、早速読んでみました。本編はとうに終了していて、映画の「最終楽章 後編」まで公開されているので、作者はまさに余録のつもりで書き始めたアンコール編だったのでしょう。が、これはとても面白いですね。これなら続編のテレビ番組か映画にしてもおかしくはありません。オペラができるまでを取り上げたドラマも他に思いつきませんし、曲がモーツァルトの「魔笛」だけに音楽自体の魅力も満載。不思議な雰囲気を醸し出す脇役の女の子も登場していい感じです。これが余録だとは、実にもったいないです。これを原作にすれば、映画としては盛り上がりに欠けた「最終楽章 後編」などよりはるかに面白いものができそうです。・・・と、思うのはオペラを知るクラシック音楽ファンだけかもしれませんが。一般的にはどうなのでしょうかねえ。

 ところで、ドラマののだめを演じた上野樹里は来年大河ドラマの主役を演じるそうですね。上野樹里はのだめのイメージが定着してしまっていて、大河ドラマの視聴者は真面目に見ていられるのか心配です。取り越し苦労になるとは思いますが。

 

CD2010年4月23日(金):「名盤を探る」第13回:シベリウス

 「名盤を探る」第13回は「シベリウスの交響曲第5番」です。ブルックナー、マーラーときたので、R.シュトラウスかショスタコヴィッチが予想されたかもしれませんね。シベリウスを選んだのは単なる私の趣味嗜好です。

 ・・・というわけで、当初予定していた私の分、全13回が完結しました。この企画、延々と続けられるのですが、一人ではさすがに疲れますね。昨年中にいただいていた未掲載原稿があるので、それらをアップしつつ私はしばし休憩したいと思います。

 

CD2010年4月20日(火):「名盤を探る」第12回:マーラー

 「名盤を探る」第12回は「マーラーの交響曲第1番「巨人」:マーラー演奏の行方」です。第13回までを私が担当しますのであと1回で私の分は終了です。こうご期待であります。

 

CD2010年4月17日(土):「のだめカンタービレ 最終楽章 後編

 今日は家族と映画「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」を観てきました。原作漫画が登場した後、テレビ化され、さらに続編のテレビ番組が放映されるなど高い人気を誇ったドラマでした。今回はいよいよ「最終楽章 後編」とあって映画館の観客もぎっり。今回の出来映えはいくらこのドラマのファンであっても映画としてはあまり誉められたものではなかったと思いますが、いよいよこれで終わりかと思うと残念です。何しろ、このドラマによってクラシック音楽という極めて小さな市場が、少しは拡大したはずです。テレビで放映された直後には、大きなスーパーマーケットで華々しくベートーヴェンの交響曲第1番が流れているのでびっくりしたものです。ベートーヴェンの7番がそのような場所で使われるとは誰が想像したでしょうか。

 映画は原作があるので、それから大きく外れないように作られています。今回ばかりは映画としての別の終わらせ方や山場作りをしても良かったのではないかと思うのですが、致し方ありません。

CDジャケット それはともかく、意外だったのは、ラヴェルのピアノ協奏曲を千秋と孫ルイに演奏され、将来の希望を失っているのだめをシュトレーゼマンが自分のところに引き込む場面の音楽です。ここはシュトレーゼマンがメフィストフェレスになるところで、原作でも謎めいた特別な雰囲気がありました。音楽はオペラから引っ張ってくるかと思いきやリストの「ファウスト交響曲」の「メフィストフェレス」から「終末合唱」が使われました。「終末合唱」の歌詞だと場面には合わないのですが、曲想としてはぴったりです。「終末合唱」は5分から6分の曲なので最後まで聴けるかなと思いながら観ていましたが、さすがにそれはありませんでした。

 自宅に帰ってCD棚を観ると、映画と同じように魔方陣を使ったCDがありました。バレンボイム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です(TELDEC、1998年録音)。久しぶりにこの曲をかけてみました。こういうことが映画の効果ですね。

 

CD2010年4月15日(木):「名盤を探る」第11回:ブルックナー

 「名盤を探る」第11回は「ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」」です。私の分の終わりが見えてきました。あと一息です。

 

CD2010年4月13日(火):「名盤を探る」第10回:ブラームス

 「名盤を探る」第10回は「ブラームスの交響曲第4番」です。やっと10回まで来ました。残すところあと3回分なのですが、無事にたどり着けるかな?

 

CD2010年4月10日(土):「名盤を探る」第9回:シューマン

 「名盤を探る」第9回は「シューマンの交響曲第2番」です。

 第8回をアップした後、福島の実家に帰ったり、春休み中の子供につきあったりしていて更新が遅くなってしまいました。申し訳ありません。しかも、何となく歯切れがよくない内容です。

 

CD2010年4月1日(木):「名盤を探る」第8回:ベートーヴェンの「運命」

 「名盤を探る」第8回は「ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の多様性」です。予定ではこの3分の1くらいの分量で簡単に纏めようとしたのですが、書いているうちに膨らんでしまいました。


 昨日は彩の国さいたま芸術劇場でシェイクスピアの「ヘンリー6世」を観てきました。午後1時開始で、終演は9時10分。ワーグナーの「マイスタージンガー」でもここまで長くはないですよね。こんな上演はそうあるものではないと判断して出かけたのでした。もちろん堪能したのですが、観ているだけだったのに帰宅するやぐったりでした。演じている役者さんたちの体力は想像を絶します。

 それにしても、さいたま芸術劇場は遠いですね。遠いというよりやや寂しい。行き帰りの道の寂しさったらないです。さいたま市民である私がそう思うのですから、県外、市外の人はどう思っているのでしょう。コンサートや演劇は、とても華やいだものだと思うのですが・・・。

 2001年5月に浦和市、大宮市、与野市が合併してさいたま市ができる前、埼玉県は浦和を政治の町、大宮を商業の町として位置づけました。与野をどうとらえたかというと、文化の町にしようと考えたのですね。それで工場の空き地に箱物行政の典型としてのさいたま芸術劇場ができあがったのです。駅からあれほど離れた物寂しい場所にあるのはそのためです。当時既にさいたま新都心の計画はあったはずですから、新都心に作ってくれれば、アクセス抜群だし、さいたまの顔になれただろうにと思います。同じく東京の周辺都市でありながら、川崎ミューザという立地も音響も良いホールがある川崎市をとてもうらやましく思います。


 

(An die MusikクラシックCD試聴記)