ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2007年12月アーカイブのインデックス ホームページ WHAT'S NEW
2007年12月28日(金):良いお年を!
今年も最終更新日を迎えました。多くの皆様にご訪問頂き、トップページへのアクセス数は193万件を超えました。日頃のご愛顧を感謝申しあげます。
An die Musikはトップページに次のような文言を掲載しております。
「脱・マニア」宣言!
難しい音楽理論を知らなくても、楽器の演奏ができなくても、音楽は楽しめます。An die Musikは、理屈抜きに音楽を楽しみたい音楽ファンのためのホームページです。私としては「あまりマニアックなことを言わないで音楽を楽しもうよ」というつもりで書いた言葉です。クラシック音楽ファンの中には本格的に音楽教育を受けて、理論的にも音楽を分析できる方がいくらでもいらっしゃるでしょうが、ごく普通の音楽ファンは小難しい分析など求めてもいない、知りたいのは「あのCDの演奏は面白いかどうか」ということだけだろうと私は思っています。というか、「いました」。それで、どう見ても開き直りとしか受け取られない上記標語を掲載していたのですが、最近私は「どうしたものか」と腕組みをして考え込んでいます。かりにもホームページを立ち上げ、自分の文章を公開している以上、そんな甘っちょろい開き直りのままでいいのかと自問自答するのです。もっと自分でも音楽を深く知り、もっと深い言葉で音楽を語りたいと思います。「脱・マニア」宣言とは、マニアになって音楽を純粋に楽しめなくなることを自戒する意味で思いついた言葉ではあったのですが、これがそのまま自分の逃げ口上になっていると深く反省してしまうのです。もともとこのサイトは、自分の備忘録と勉強を兼ねて立ち上げた自己満足サイトだったのですが、多くの皆様にご覧頂いていることを考えますと、もう少しきちんとした文章を載せなければならないと思います。
・・・といっても一朝一夕にできるわけでもないので、新年以降は少しずつ精進するしかないと思っています。ふがいない作者ですが、来年以降は精一杯頑張っていきたいと思いますのでお付き合い頂ければ幸いです。
さて、今年最もよく聴いたCDを書きます。
今年も11月から12月にかけて大作曲家の交響曲シリーズにどっぷり漬かっておりました。その一方で私がよく耳を傾けていたのは自分でも意外なことですが、以下のCDです。
ドビュッシー
- 子供の領分
- 版画
- ベルガマスク組曲
- ピアノのために
- 英雄的な子守歌
ピアノ:サンソン・フランソワ
録音:1968-70年
EMI(国内盤 TOCE-59202)
ドビュッシーは私にとって最も苦手な作曲家の一人です。コンサートでも何がなんだか分からないまま終わります。はっきり言って席に座っているのがつらい。そんな私がなぜフランソワのCDを手にしていたかといいますと、11月上旬に長女のピアノ発表会で誰かが弾いた「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」の演奏がきっかけでした。女房はその曲の演奏が最も良かったと主張するのですが、私は「???」。一言もコメントできません。皆さん、「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」と言われて曲をイメージできますか? 私は全くイメージできなかったのです。知っていたのは「子供の領分」の中にある1曲らしいということだけです。その程度では演奏の善し悪しも何もコメントできたものではありません。
自宅に帰ってみるとこの曲が収録されているCDがいくつかありました。早速トレイに載せて聴いてみましたが、案の定チンプンカンプンなままです。そこで盟友松本さんにお伺いしてフランソワ盤に辿り着いたのです。これが事実上私のドビュッシー初体験になり、私はこのCDを毎晩聴き続けたのです。もちろん楽しみながら。「この作曲家だけは自分に縁がない」と思っていただけに嬉しかったです。いい演奏に出会えれば印象も随分変わるものだな、とクラシック音楽を30年以上聴いているのに今さらながらに思わせられました。あまり自分で自分の好みを限定しない方がいいのかもしれませんね。情けない話ですが、46歳にして初体験です。まあ、そのくらい縁がなかったのですね。
明日からは新潟県の苗場スキー場に行っております。実は12月上旬より合宿体制に入っています。既に定宿の福島屋旅館に親子全員のスキー道具一式、荷物を置いてあり、年末年始を含め毎週末苗場でスキーの練習をしております。今年は私ではなく長女のレッスンに重点があり、毎回長女に地獄の特訓を強いているのですが、年末年始は大荒れの天気になるとのことです。スキーどころではないかもしれません。こたつでみかんになってしまうのではないかと心配しています。それはそれで正しい正月の過ごし方かもしれませんね。とにかく無事に帰って来ることができればよしとしたいです。
ともあれ、皆様も良いお年をお迎え下さい。
2007年12月26日(水):An die Musik開設9周年企画終了
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」を昨日の「マーラー篇」で終了しました。原稿を送って下さった皆様、ありがとうございました。交響曲第7番、第8番と続けられたのは皆様のお陰です。昨日は原稿をアップロードするのがやっとだったので、一日遅れで総括してみます。下記の表をご覧下さい。
掲載原稿数一覧
作曲家 交響曲第7番 交響曲第8番 交響曲第9番ベートーヴェン 5 5 6シューベルト - 3 4ブルックナー 3 4 3ドヴォルザーク 4 4 5マーラー 2 3 8シベリウス 4 - -ショスタコーヴィチ 4 3 4プロコフィエフ 4 - -番外篇 1 - -合計 27 22 30交響曲第9番は傑作揃いなので、読者が尻込みするか、逆に執筆意欲をかき立てられるかどちらかだと予想していたのですが、必ずしもそのようなことはありませんでした。概ね原稿数は変わっていません。例外はマーラーでした。私の文も含めて実に8つも掲載することとなりました。ベートーヴェンの第9でさえ6つなのです。多くのクラシック音楽ファンにとってマーラーの9番がいかに重要な位置を占めているか証明された形になりました。意外だったのはブルックナーの9番です。私は特別な愛情をブルックナーの9番に抱いているのですが、普通のクラシック音楽ファンはこの曲にはあまり思い入れがないのでしょうか?
この企画は、毎年11月1日からスタートしていたわけですが、今年は総数が30に及んだため、終了が12月25日になってしまいました。今年は11月にコンサートとオペラが集中し、さらに12月にはスキーシーズンに入ったため時間的な余裕がありませんでした。結構しんどかったのですが、この企画には大きなメリットがあるのです。それは曲を再度見つめ直すことができたことです。交響曲第7番から第9番まで、いくつものCDを聴き直し、スコアを眺めたりして原稿を纏めているので、大変な勉強になります。まあ、我田引水というか自己満足の典型ですね。
これだけ勉強になるのですから、交響曲第10番以降も続けたいところですが、さすがに交響曲10番以降だとショスタコーヴィチくらいしか対象になりません。かといって交響曲第1番に突入すると、今度はどの作曲家を選ぶのかという問題が出てきます。番号がない交響曲だってあります。今のところ9番で打ち切りというのが順当かなと思っています(そのうちに気持ちが変わるかもしれませんが)。
それにしても、多くの読者にご参加頂いて感謝・感激です。また読者参加型の企画ができましたらぜひご参加下さいね。
2007年12月25日(火):マーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「ベルティーニと都響のマーラー9番」を追加しました。文はグリエルモさんです。
2007年12月21日(金):シューベルト
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「シューベルト篇」に「フリッチャイ指揮ヘッセン放送交響楽団」を追加しました。文は松本武巳さんです。
2007年12月20日(木):ブルックナー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ブルックナー篇」に「ジュリーニ指揮シカゴ響、ほか」を追加しました。文は松本武巳さんです。
2007年12月19日(水):ドヴォルザーク
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ドヴォルザーク篇」に「マーツァル、バーンスタインの録音とシカゴ響の録音、そしてピアノ・デュオ版」を追加しました。文は松本武巳さんです。
バーンスタイン盤の評価が松本さんと私で180度違っています。私も驚くほどです。しかし、松本さんは私に喧嘩を売っているわけではありません。私と全く違う感想を持っていることを松本さん本人から聞いて、むりやり書いてもらったのが今回の原稿なのです。松本さん、ご協力ありがとうございました。
同じCDを聴いたとしても全く違った聴き方、評価をすることがあって当然だと私は考えています。誰かがああ言った、こう言ったとしてもそれに迎合する必要もないし、自分が間違っているなどと考える必要もないと思います。いろいろな楽しみ方ができることを喜びましょう。
2007年12月18日(火):ショスタコーヴィチ
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ショスタコーヴィチ篇」に「ショルティ指揮ウィーンフィル、ほか」を追加しました。文は青木さんです。
2007年12月17日(月):「第九」に迫る
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ベートーヴェン篇」に「ベートーヴェンの『第九』暴論」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。タイトルは「暴論」となっていますが、全然暴論ではありません。
2007年12月15日(土):チェコ録音
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ショスタコーヴィチ篇」に「圧制とショスタコーヴィチの交響曲第9番−チェコでの録音を中心に−」を追加しました。文は松本武巳さんです。
2007年12月14日(金):ベートーヴェンの「第九」をピアノで
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ベートーヴェン篇」に「ベートーヴェン「交響曲第9番」珍盤あれこれ」を追加しました。文は松本武巳さんです。
2007年12月13日(木):シューベルト
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「シューベルト篇」に「ボールトによる二つの『グレート』の演奏を聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。
ボールトが出てきましたね。ボールトといえば普通「惑星」なんでしょうけど、ゆきのじょうさんの文章中にあるブラームスもいいですよねえ。永遠の名盤という感じです。ついでに私のお気に入りはワーグナーですが、なぜか脚光を浴びません。不思議なものです。
2007年12月12日(水):マーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「アンチェル指揮チェコフィル、ほか」を追加しました。文は松本武巳さんです。
2007年12月11日(火):ドヴォルザーク
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ドヴォルザーク篇」に「カラヤン指揮ベルリンフィル、ほか」を追加しました。文は吉田和子さんです。
2007年12月10日(月):ジュリーニのマーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「ジュリーニ指揮シカゴ響」を追加しました。文は青木さんです。
文中にありますが、ジュリーニ指揮シカゴ響によるマーラーは、必ずあのジャケットが使われていますね。もしかしたらあれ以外のジャケットもあるのかもしれませんが、ちょっと思いつきません。ジュリーニ盤は演奏に加えてあのジャケットによってもリスナーを魅了し続けてきたわけです。何でもない構図による写真のようですが、イケてます。撮影したカメラマンも被写体であるジュリーニも、まさかあの写真が後世にリスナーを虜にするなどとは夢にも思わなかったことでしょう。ジャケットの図柄がいかに重要かを物語る1枚ですね。
2007年12月9日(日):ドヴォルザーク
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ドヴォルザーク篇」に「パレー指揮デトロイト響、ほか」を追加しました。文は青木さんです。
昨日から今日にかけて新潟県の苗場スキー場に行ってきました。最高のコンディションの中でガンガン滑ってきました・・・と書きたいのですが、ゲレンデはまだまだ前面滑走可とは言えず、オープンしているのは一部のゲレンデだけです。私が選んだのは頂上付近にある筍平という緩斜面でした。そこだけは完璧なコンディションでした。レーサーをはじめとする上級者達が飛ばしている中、長女にスキーの特訓をしていたわけです。特訓といっても娘がボーゲンで滑っているのを後ろから見ていたり、お父さんが前走して模範を見せているだけなのですが、さすがに小学2年生にもなるとお父さんの言うことを真剣に聞いてくれます。本人に「巧くなりたい!」という意欲が出てきたんですねえ。嬉しいです。去年までは説明をしているうちにいなくなっているという有り様で、まさに学級崩壊でした。それと比べると格段の差です。
お父さんが本格的に滑ることができるようになるには、一刻も早く長女に自分と同等かそれ以上に巧くなってもらうことです。あとどのくらいかかるか分かりませんが、しばらくは寒冷地研修に励みたいと思います。
2007年12月7日(金):ベートーヴェン
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ベートーヴェン篇」に「フルトヴェングラー指揮ベルリンフィル」を追加しました。文はバイロンさんです。
2007年12月6日(木):またもやマーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「ワルター指揮ウィーンフィル、ほか」を追加しました。文はサンセバスチャンさんです。
今回の企画でブルックナーと対照的に寄稿が多かったのはマーラーです。長大で、取っつきやすい曲だとは私も思っていないのですが、多くのリスナーを惹きつけてやまないようです。私が原稿を書くときも、「何を書こうか」ではなく、「何を書かないようにすれば原稿としてまとまるか」と削ることばかりを考えるほど書きたいことがありました。不思議な曲です。
2007年12月5日(水):マーラー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「マーラー篇」に「クーベリック指揮バイエルン放送響」を追加しました。文はGoodiesさんです。
2007年12月4日(火):ブルックナー
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ブルックナー篇」に「ハウゼッカー指揮ミュンヘンフィル」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。
ブルックナーの交響曲第9番は人気のある曲だと思っていたのですが、今回の企画では原稿の出足がとても悪かったのでびっくりしました。名曲であることは間違いない。それこそ森羅万象宇宙の響きを表した曲だとさえ私は思っています。だからこそ何らかの言葉でこの曲を語ることに抵抗を感じるのでしょうか?
2007年12月3日(月):ベートーヴェン
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ベートーヴェン篇」に「マルケヴィッチとショルティ」を追加しました。文は青木さんです。
2007年12月2日(日):ショスタコーヴィチ
9周年特別企画「大作曲家の交響曲第9番を聴く」の「ショスタコーヴィチ篇」に「二人の40歳代指揮者によるショスタコーヴィチ/第9を聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。
交通新聞社から『東京クラシック地図』(税抜1,600円)という本が発売されました。帯には、
「たとえば名曲喫茶。もっと気軽にクラシックを
名曲喫茶、生演奏の聴ける店、お気軽コンサート&ホール、クラシック音楽専門レコード店、そしてネットやラジオ・・・どこでもクラシック音楽を楽しむために」とあります。
写真と活字のバランスも良く、編集者が足で稼いだ情報が満載。とても丁寧に作られた本です。タイトルをはじめ初心者向けの体裁を取っているようですが、かなりのクラシック音楽マニアでも楽しめる本だと思います。
この本に、An die Musikが掲載されています。153ページに「クラシック音楽ファンの集うコミュニティ。それぞれ最近聞いた曲や好きな音楽家などについて、意見を交換し合うサイト」という紹介文を頂いています。トップページの画像が掲載されているのは3つのサイトだけで、An die Musikは光栄にもその一つに選ばれたわけです。
あと二つのサイトはどこかといいますと、「CLASSICA」と「クラシック・ニュース」です。これにはびっくりというか、どきどきしてしまいました。あの「CLASSICA」と並んでいるなんて! 9年間サボりながらこのページを運営してきましたが、とても面はゆい気持ちです。『東京クラシック地図』の編集者ご自身がAn die Musikをご覧頂いているとのことでしたが、このような立派な扱いにして下さったことをひたすら感謝申しあげる次第です。
(An die MusikクラシックCD試聴記)