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2006年12月28日:皆様、良いお年を!
今年ももうすぐ終わりますね。あっという間に過ぎ去った1年でした。振り返ってみるといろいろなことがありました。よく1年を乗り切れたと我ながら思います。人間は不幸と幸福のバランスが取れるものらしく、職場では相変わらず厳しい日々が続いておりますが、家庭生活は幸せ一杯でした。だいいち、私の姿を見ると子供二人が走って抱きついてくるんです。いつまでそんなことをしてくれるか分かりませんが、家庭がなければ私も仕事なんぞとてもできなかったと思います。
An die Musikはお陰様で順調にアクセスを伸ばしています。11月以降は、開設8周年記念企画「大作曲家の交響曲第8番を聴く」がスタートしたのに加え、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、シュターツカペレ・ドレスデンの来日が相次いだため、過去のアクセス数を毎週更新し続けるという状態でした。多くのクラシックファンがこのサイトをご訪問頂き、利用して下さったことを感謝申しあげたいと思います。
さて、An die Musikは「CD試聴記」ですからCDについて触れておきたいと思います。この1年間で最もよく聴いたCDは何だったか。それは以下のCDです。
シューベルト
・ピアノソナタ第13番 イ短調 D.664
・即興曲第4番変 イ長調 D.899
メンデルスゾーン
・カプリッチョ イ短調 作品33-1
・厳粛な変奏曲 ニ短調 作品54
グリーグ
・夜想曲 ハ長調 作品54-4
・ピアノソナタ ホ短調 作品7
ピアノ:ラローチャ
録音:1970年1,2月、1978年6月(シューベルト)
DECCA(国内盤 UCCD-9142)
これはたまたま見つけたCDです。私はシューベルトのピアノソナタ第13番が大好きなので、CDショップで未聴盤があったら買ってきてしまうのですが、これもそうでした。聴き進んでいくと、何ともすごい曲が始まるではないですか。それはシューベルトではなく、メンデルスゾーンの「厳粛な変奏曲」でした。たちまち引き込まれ、毎日この曲を聴くようになりました。
私はこの曲を初めて聴いたわけではありません。調べてみるとCD棚にはこの曲を含むCDがいくつかありました。ということは何度かは聴いているわけです。しかし、全く記憶に残っていません。この演奏だからこそ私を捉えたのです。ラローチャ自身も後にこの曲を再録音(1995年録音、BMG)しているのですが、雰囲気が一変していて、同じ人の演奏とは思えません。それほどこのCDでの演奏が傑出していると思います。文字通り鬼気迫る演奏です。
どんな曲であれ、演奏する人がいなければ音楽として楽しむことはできません。さらに、その曲の真価は、良い演奏があって初めて理解されるのだなと思います。CDショップでたまたま手にしたCDでしたが、思わぬ収穫でした。不思議なのは、いかにも気合いが入っていないCDジャケットです。このジャケットから鬼気迫る演奏を期待する人は少ないのではないでしょうか。私もシューベルトのピアノソナタ第13番を追いかけていなければまず買わなかったでしょう。出会いとはこんなものなのですね。
さて、来年はどんなCDと巡り会えるでしょうか。嬉しい偶然に期待したいところです。
それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。
2006年12月27日:バーンスタイン
今年もたくさんの旧録音が再発されました。私はクラシック音楽における考古学には興味がないのですが、録音そのものに力を入れていた時代の産物は、やはり出来映えも優れていると私は考えています。
かねてから気になっていたバーンスタインの「メフィストフェレ」も今年ORIGINALSシリーズで再発されました。
R.シュトラウス
「サロメ」から
・最後の場面
・7枚のヴェールの踊り
オーケストラ伴奏付きの5つの歌曲
・チェチーリエ 作品27-2
・子守歌 作品41-1
・君を愛す 作品37-2
・あした 作品27-4
・献呈 作品10-1
ソプラノ:カバリエ
バーンスタイン指揮フランス国立管
録音:1977年5月
ボイト
「メフィストフェレ」から「天上のプロローグ」
バス:ギャウロフ
バーンスタイン指揮ウィーンフィル
録音:1977年4月
DG(輸入盤 00289 477 5910)
バーンスタインのボイトは、もともとリストの「ファウスト交響曲」(ボストン響)とのカップリングでLPが発売されていました。CD時代になって「ファウスト交響曲」は早い段階からORIGINALSシリーズに入り入手しやすくなっていたのですが、ボイトの「メフィストフェレ」はどこかで気がつかないうちにCD化されて半ば埋もれていました。ところが、2年前にオーストラリアのELOQUENCEシリーズで再発されたと思ったら、今度は御本家からリマスタリングされて登場したわけですね。「待てば海路の日和良し」とはよく言ったものです。
おおよそバーンスタインがどんな演奏をしていたのか私は知ってはいたのですが、改めてCDで聴いてみると、唖然呆然という感じがしますね。「天上のプロローグ」は、それこそ天井、いや天上がガシャガシャグワワンと落ちてきそうなすさまじさです。少しでもステレオの音量を上げようものなら大変なことになります。
バーンスタインという人は限度というのを知らないのか、こういう表現をするときは本当に徹底しますね。しかもそれを臆面もなくやるわけです。それはすばらしいことです。自分の考え、表現を徹底し、それを(本人には当然のことなのかもしれませんが)臆面もなく実行するなどということは、現代の指揮者には簡単でないかもしれません。思っていてもできない、やらせてもらえないということだってありそうです。しかし、バーンスタインはできたわけです。これはバーンスタインという稀代の指揮者だからできたということもあるでしょうが、時代もそれを許していたのではないかと思います。
そんなことを考えていると、私は旧録音にまた愛着を感じてしまうわけです。これはクラシック音楽の未来にとっていいことなのか悪いことなのか、ちょっと首をひねってしまう私ですが、何事もプラスに考えて音楽を楽しんだ方が良さそうですね。
2006年12月26日:「トルコ行進曲」
12月9日にさいたま芸術劇場でヴォロドスのリサイタルを聴いてきたことは当日の「WHAT'S NEW?」に記したとおりですが、追記します。リサイタルに先立ち、「ピアニスト100人」の企画者である中村紘子さんのスピーチがありました。中村さんはこんなことを述べておられました(記憶違いがあったらごめんなさい)。
自分が審査員を務める浜松国際ピアノコンクールでガブリリュクがオープニングコンサートを開き、アンコールも弾いた。そのアンコールというのが、かつて聴いたことがないような『トルコ行進曲』だった。コンクールの審査員一同が楽屋に押しかけて「あれは何か」と、弾いた本人に聞いてみて「ヴォロドス編曲版」だと分かった。
「へえ・・・そんな編曲があるんだ」と思って家に帰って調べてみると、ヴォロドスはデビュー盤の最後にそれを収録しているではないですか。以下のCDがそうです。
ヴォロドス・デビュー
- カルメンの主題による変奏曲(ビゼー/ホロヴィッツ)
- 「朝」〜6つの歌 作品4から(ラフマニノフ/ヴォロドス)
- 「メロディー」〜12の歌曲 作品21から(ラフマニノフ/ヴォロドス)
- ハンガリー狂詩曲第2番(リスト/ホロヴィッツ)
- 万霊節の連とう(シューベルト/リスト)
- すみか〜「白鳥の歌」から(シューベルト/リスト)
- 愛のたより〜「白鳥の歌」から(シューベルト/リスト)
- 熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ/シフラ)
- 「ガヴォット」〜バレエ「シンデレラ」からの3つの小品 作品95(プロコフィエフ)
- 「オリエンタル」〜 バレエ「シンデレラ」からの10の小品 作品95(プロコフィエフ)
- 「ワルツ」〜 バレエ「シンデレラ」からの6つの小品 作品102(プロコフィエフ)
- スケルツォ〜交響曲第6番「悲愴」 作品74(チャイコフスキー/フェインベルク)
- ラルゴ〜トリオ・ソナタ第5番 BWV529(バッハ/フェインベルク)
- トルコ行進曲(モーツァルト/ヴォロドス)
ピアノ:ヴォロドス
録音:1996年
SONY(国内盤 SRCR 1888)
何と10年も前に録音されているCDです。知らなかった。我ながら自分のアンテナの低さを思わずにはいられません。・・・と言うものの、多分発売当時から大いに騒がれたCDなのでしょうが、曲目・編曲を見ると普段の私ならまず買わなさそうなCDです。手元になくて当然だと思いました。その一方で、中村紘子さんの言葉が気になるので「トルコ行進曲」を聴いてみました。
これがすごい。モーツァルトがこの編曲を聴いてどう思うか分かりませんが、重戦車がアクロバットをしているような強烈さです。像が踊るどころではありません。重戦車が空中回転していそうです。ここでは原曲の軽妙さは完全に失われています。が、これを目の前で弾かれたら卒倒してしまうだろうと思われます。曲順を遡って聴いてみると、チャイコフスキーの「悲愴」第3楽章など、これまた仰天ものがあります。ヴォロドス恐るべし。協奏曲のCDで聴くよりずっとすごいです。よくこういう演奏をしていることを知らないままリサイタルに行ったものだと自分の無知に感心したりします。
私の音楽的嗜好では、ヴォロドスのCDからどれかを選ぶとなれば確実にシューベルトのピアノソナタ第1番と第18番を収録した1枚になります(2001年録音 SONY)。しかし、自分の好みに合わせてCDを買っていると結局同じような曲の同じようなタイプの演奏が増えてくることになり、新しい出会いがなくなってきます。少なくとも演奏家のデビュー盤にはそれなりの思いが込められていると考えられます。そういうものは、仮に曲目、編曲が自分の趣味に少々合わないと分かっていても、先入観にとらわれず、虚心坦懐に聴く方が良さそうですね。そうすることで、その演奏家への理解も深まりそうです。来年はもう少し多様な演奏に耳を傾けたいものだと思っています。
2006年12月25日:「のだめカンタービレ」終了す。
テレビの「のだめカンタービレ」が終了しましたね。最終回は時間を延長し、ベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章を冒頭から主部に入って盛り上がるところまでをじっくり聴かせてくれるという粋な趣向でした。千秋の指揮ぶりも最終回になるとさすがに慣れてきたのか堂に入っています。
さて、この番組のテーマ音楽はおそらく「ベト7」だったのでしょうが、私はエンディングに使われていたガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」の方に気を取られていました。
ガーシュインの音楽はからっと明るすぎて、生来根暗な私の気質とあまり合わないのですが、ラプソディー・イン・ブルーはいいですね。
名盤が揃っているようですが、ここではプレヴィンの旧盤をご紹介しましょう。
ガーシュイン
ラプソディー・イン・ブルー
パリのアメリカ人
ピアノ協奏曲ヘ長調
プレヴィン指揮ロンドン響
録音:1971年6月4,6日、アビーロードスタジオ
EMI(輸入盤 7243 5 66943 2 3)
クラシックファンであれば、1984年、ピッツバーグ響との録音(PHILIPS)と比較したくなるところでしょうが、私はこの曲に限らず、プレヴィンならばロンドン響を指揮してEMIに残した録音を偏愛しております。この頃の方が指揮者に自由闊達さが感じられ、音楽を楽しんで聴けるからです(音だってデジタル録音に負けていないのが嬉しい)。
さて、「のだめ」の続編は作られるのでしょうか。1年後くらいに「マルレ・オケ復活篇」を期待したいのですが、テレビでパリ・ロケをするとは思えませんし、外人キャストをどうするのかという問題が生じます。まさか竹中直人=シュトレーゼマンのようなインチキ外人ばかりではねえ。テーマ音楽、今度は「ウイリアム・テル」序曲でしょうか。
2006年12月24日:残念無念 昨日は話題の映画「敬愛なるベートーヴェン」を観に日比谷まで行ってきました。しかし、45分前に映画館の前に着いた私を待っていたのは全席完売のアナウンスでした。さいたま市に住む私がこの映画を観るのに最も近い場所が日比谷だったのですが、クラシック関連の映画によもや入場さえできないとは夢想だにしていなかったので私は非常にショックでした。日本では映画においても12月は「第九」なのでしょうか。あるいは我が女房のように「それ、犬の映画じゃないの? ベートーヴェンって犬の映画だよね?」などと勘違いして入った人が多かったのでしょうか。
こうなると、DVDになるのを待つしかないのですが、経験上映画は映画館で観るのと家庭でDVDで観るのでは大違いなのであります。2ヶ月ほど前から楽しみにしていただけに残念無念です。
クラシック音楽とは全く関係のない話をひとつ。
昨年11月に左足を痛めてテニスもスキーもできなくなった私はひたすら足を使わないようにして1年を過ごしました。いくつかの病院をたらい回しにされた後、秋口に大病院の心臓血管外科で検査してもらったところ、左足の上の方で静脈の流れが切断されていることが分かりました。ただし、切断された箇所はちょうど回復基調にありました。一時はまともに歩けず、歩道ではおばちゃん、おばあちゃんに簡単に抜かされる有り様でしたが、最近はすっかり良くなってきました。それですっかり気を良くした私は今年小賀坂の「KS-TE」というモデルを新調し、年末年始からのスキーシーズンに備えています。
そこへ飛び込んできたのが私のお師匠にあたる義兄の怪我でした。箕輪スキー場に初滑りに行って靱帯を切って、さらに膝のお皿まで割ってしまったのだとか。靱帯の痛みは前からあったそうなので、突然というわけではなかったそうですが、超上級者でも身体の老化には勝てないことが分かります。私も新しい板ですっ飛ばそうかと思っていたのですが、1年のブランクがありますし、ほどほどにした方がいいのかな、と考え直しました。皆様もぜひ気をつけて下さいね。
2006年12月22日:新年会のお知らせ オフ会(新年会)を開催します。楽しく音楽の話をしたい方、ぜひご参加下さいね。飲めない方もOKです。詳しくはこちらをご覧下さい!
2006年12月21日:スティング 「あなたもCD試聴記を書きませんか」のコーナーに「スティングのダウランドを聴く」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。ゆきのじょうさんの原稿も長期間お待たせしてしまいました。深くお詫び申しあげます。
2006年12月20日:アイヴス 「コンセルトヘボウ管の名録音」に「アイヴスの交響曲第2番を聴く」を追加しました。文は青木さんです。青木さん、原稿をいただいておきながら2ヶ月近くもお待たせしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。
2006年12月19日:シカゴ響 「私のモーツァルト」の「シカゴ響のモーツァルトを聴く」に追記があります。文は青木さんです。青木さん、原稿ありがとうございました。追記の前後が分かるようにしましたが、ちょっとうるさいでしょうか。しばらくしたら表記を見直します。
2006年12月18日:ショスタコーヴィチ 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ショスタコーヴィチ篇 アーノルド・カッツ指揮ノボシビリスク・フィルハーモニー管弦楽団、ほか」を追加しました。文は松本さんです。
2006年12月17日:シュターツカペレ・ドレスデン聴き比べ 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ベートーヴェン篇 ブロムシュテットとデイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデン」を追加しました。文は松本さんです。
今日は浦和レッズの優勝パレードがあり、私は裏方としてパレードの目的地であるさいたま市役所に張りついていました。市役所に選手団が到着すると、最上階から大量の紙吹雪が! なかなか粋な演出であります。ただし、観客として見ていると「おお! これはすごい!」と思えるのですが、係員として見ると「あー、あれを拾うのか・・・」などとつい思ってしまいます。
セレモニーが終わると紙吹雪を回収すべく紙吹雪が落下したあたりに駆け寄ったのですが、既に大勢の人だかりができています。何と、レッズファンです。彼らはその紙吹雪を記念品として拾い集めていたのでした。驚くべき短時間で回収されてしまったのは言うまでもありません。こういうサポーターがレッズを支えているんですね。
2006年12月16日:王様が! 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「シューベルト篇 デンマーク国王フレデリック9世指揮デンマーク王立歌劇場管弦楽団」を追加しました。文は松本さんです。
先頃EMIからイギリスのヒース元首相の指揮したエルガーの「コケイン」序曲のライブ録音CDが出ましたが、本物の王様のCDというのはそれよりさらに珍しいのではないでしょうか。松本さんのアンテナの高さには驚かされます。
2006年12月15日:シェルヒェン 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ベートーヴェン篇 ヘルマン・シェルヘン指揮ルガノ放送管弦楽団」を追加しました。文はたけうちさんです。
2006年12月14日:コンセルトヘボウ管 京都公演レビュー 「コンセルトヘボウ管のページ」に「11月25日 京都公演レビュー」を追加しました。文はヨンさま さんです。
音楽と全く関係のない話をひとつ。お酒の話です。
昨晩私はとある居酒屋で飲んでいました。地酒が大量に置いてあり、しかも値段が安いことで知られるお店です。さすがに12月ともなると寒いので、日本酒をお燗してもらおうとお店の人に尋ねました。
「ここに書いてある純米酒をお燗してほしいのですが。」
「え? お燗にするのは1合450円以下のこちらのお酒です。500円以上するお酒はちゃんと冷やしてあります。」
「いえ、冷酒を飲みたいんじゃなくて、このお酒を燗にしてほしいんですけど。それはできないのでしょうか?」
「お客さん、500円とか、600円以上するいいお酒は冷やして飲むんですよ。」
「ああ、そうですか・・・・」(と言って諦める)
日本酒の燗に関してこれほど類型的な会話を、あろうことかこの私自身がする羽目になるとは。こんな会話、漫画でしかありえないと思っていたのですが・・・。
そのお店は地酒を40種類以上扱い、そのうち26種類は純米酒でした。ちゃんとした造りの純米酒ならどんな飲み方もできますし、燗にすればなおさらおいしいはずです。であるにもかかわらず、「それはいいお酒なので燗にするのはおかしい。お客さん、あなたはそんなことも知らないの?」といった憤懣やるかたない表情で燗酒を拒絶され、私は一体この世はどうなっているのかと嘆きたくなりました。
日本酒はお燗するものだと私は思っています。それも、良いお酒であればあるほど燗映えがします。燗の中でも人肌燗、ぬる燗、熱燗など温度に応じて味も変わります。そういうお酒の飲み方をどうして日本酒を扱うお店が教えてくれないのか。それどころか、なぜ逆のことをお客に要求するのか。ちょっと寂しく感じる私です。
2006年12月12日:ミスマッチ 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ドヴォルザーク篇 レヴァイン指揮シュターツカペレ・ドレスデン」を追加しました。文は松本さんです。
2006年12月11日:「千人の交響曲」 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「マーラー篇 アッバード指揮ベルリンフィル」を追加しました。文はグリエルモさんです。グリエルモさん、本文には手を入れませんでしたが、インデックスのページと本文のHTMLに埋め込んであるタイトル(<title>〜</title>のうち「〜」の部分、ブラウザの最上段に表示されます)は「アッバード」ではなく、「アバド」にしてあります。おそらく「アッバード」で検索する人が稀だと思われるからです。何卒ご了承下さい。本当は私も「アッバード」派なんですけどね。誰かが最初に「アバド」と表記し、それが一般化したのでしょう。
2006年12月10日:SEO 私はこのサイト内で、通常は「ドレスデン国立管弦楽団」と呼ばれる団体を勝手に「シュターツカペレ・ドレスデン」と表記しています。日本語表記では他にも「ドレスデン・シュターツカペレ」「ドレスデン・シュターツカペルレ」(←これはなんだかとても気持ち悪いっす)、「ドレスデン州立管弦楽団」などがあります。
現在のドイツ語の表記は「Saecschiche Staatskapelle Dresden」ですが、さすがに「ザクセン州シュターツカペレ・ドレスデン」という表記にはお目にかかったことがありません。
私は便宜的に「シュターツカペレ・ドレスデン」と呼んでいるわけですが、実は、個人が勝手に表記を主張してもどうにもならない時代にとっくに入っています。検索エンジンを利用して目的のホームページに辿り着く人が増えているためです。それは「検索してもらえそうにない表記で書いていたら、誰の目にも触れることがなくなる。したがって、最も一般的な表記を取っていかないと、少なくともホームページ運営上はマイナスになる」ということを意味しています。
かつて最も多かった表記は「ドレスデン国立管弦楽団」でしたが、最近は「シュターツカペレ・ドレスデン」も増えてきました。私としては嬉しいのですが、表記がこれほど定まらない団体も珍しいと思っています。
「ウィーンフィル」が「ヴィーンフィル」となっていることも、「ヴィエナ・フィルハーモニック」となっているのも見かけたことはありません。ドレスデンは、SEO対策上全く不利な立場にあると思わざるを得ません。
そういえば「オーストリア」は正式に「オーストリー」と呼んでほしいと声明を出していますね。シュターツカペレ・ドレスデン当局も公式声明を出すべきなのでしょうか。よもや「ザクセン州シュターツカペレ・ドレスデン」にはならないと思いますが。
2006年12月9日:ヴォロドス、さいたまに現るが・・・。 今日は彩の国さいたま芸術劇場でアルカディ・ヴォロドスのピアノリサイタルを聴いてきました。プログラムは、シューベルトの楽興の時から3曲、、ピアノソナタ第11番、インターミッションを経て、リストの4曲、「巡礼の年第1年スイス」より「オーベルマンの谷」、「巡礼の年第2年イタリア」より「物思いに沈む人」、「伝説」より「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、「詩的で宗教的な調べ」より「葬送」という非常に凝ったものでした。
演奏はともかく・・・。
私の隣の席に座った男性は、ヴォロドスの熱狂的なファンらしく、ホールにヴォロドスが現れると激しく拍手を始めます。ヴォロドスは今や天才ピアニストの名をほしいままにしていますから、そのような聴衆が現れてもおかしくありません。が、演奏中、彼の様子がおかしい。何かを気にしています。私は途中で「ははーん」と気がつきました。彼はヴォロドスのリサイタルを客席で密かに録音していたのですね。そうとしか考えられない仕草をずっと続けています。さすがに機材は見せていませんが、だんだん分かってきてしまいます。
アンコールに入って、ヴォロドスがベルリオーズの「ラコッツィ行進曲」を弾き始めると、彼はもはや臆面もなくビデオを出してきてモニターを見ながら収録を始めます。猛烈なヴォロドスの演奏ぶりに私はあんぐりと口を開けていたのですが、隣の彼はビデオ収録に余念がない模様です。
以前、チェコフィルが来日した際、小林研一郎が「わが祖国」を指揮しましたが、私の隣の席に陣取った男性がやはり熱狂的なコバケンファンらしく、コンサートを録音していました。こういうことをするのは、熱烈なファンなのでしょうね。
彼らにしてみれば、誰にも迷惑をかけていないし、録音したものは自分が個人で楽しむものだから問題ないだろう、周りの人にとやかく言われる筋合いのものではない、などと思っているかもしれません。彼らにとっては「正当な」理由がいくらでもありそうです。相手は一途ですから、注意などしたら思わぬ反撃に遭い、命まで取られてしまいそうな感じです。
ですが、私はコンサートでの隠し撮りをする人の気持ちを全く理解できません。そもそもそのような行為は禁じられています。それでも平気で実行するのは、社会人として恥ずべきことです。そもそもコンサート中に必死に機材の動作確認をするのであれば、演奏に集中した方がいいのではないかと思うのですが。
さらに、ヴォロドスのように、現役で活躍する演奏家の場合、これから生の音に触れる機会が何度でもあるはずです。何も慌てて生録しなくても、コンサートやリサイタルに足を運んで演奏を満喫すればいい。コンサートに取りあげるような曲はCD録音もされていますから、それを楽しむこともできます。そうであるにもかかわらず、なぜ隠し撮りをするのか。
私も8年前のAn die Musikの開設時にはライブ録音礼賛派で、海賊盤も平気で手にしていたのですが、今やスタジオ録音派ですし、しかも海賊盤・非正規盤は手にすることもしません。完全な宗旨替えをしたのですが、こんな人間はクラシック音楽ファンには稀なのかもしれませんね。
ヴォロドスの隠し撮りをしていた彼は背筋を伸ばして人一倍大きな拍手をし、ブラボーを送り続けていました。そのような熱烈なファンがクラシック音楽の市場を支えているのかもしれません。しかし、彼の隠し撮りに私は全く共感できません。どのような理由をこじつけようが私はそれを支持しません。演奏家本人がそれを受け入れる場合があるとしてもです。
2006年12月8日:ケンペ 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ブルックナー篇 ルドルフ・ケンペ指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団」を追加しました。文はゆきのじょうさんです。文学的というか、詩的な試聴記であります。
2006年12月7日:マーラー 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「マーラー篇 マゼール指揮ウィーンフィル」を追加しました。文は青木さんです。
マーラーの8番の人気は今ひとつなのでしょうか。私も昔は名曲だとは思っていなかったので、この曲を好きになれないという人の気持ちも分かるのです。第1部はバカバカしくて騒々しく、第2部は長くて退屈なだけ、とかつては思っていました。こうした印象は誰でも最初は持つのでしょうが、私はテンシュテット盤などを聴いてすっかりこの曲が好きになりました。作曲家が自分の最高傑作と言っている場合は、本当にそうなのかもしれないと思っています。
2006年12月6日:ハードボイルド 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ドヴォルザーク篇 ヴィトルト・ロヴィツキ指揮ロンドン交響楽団」を追加しました。文は青木さんです。
2006年12月5日:ベイヌム 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ブルックナー篇 ベイヌム指揮コンセルトヘボウ管」を追加しました。文は青木さんです。また勝手に私のコメントを追記してしまいました。青木さん、許して下さいね。
2006年12月4日:ショルティ 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ショスタコーヴィチ篇 ショルティ指揮シカゴ響」を追加しました。文は青木さんです。
今日の「のだめカンタービレ」には随分たくさんの曲がBGMとして使われていました。ブラームスの交響曲第1番を中心とした回になるはずだったのに、あれではブラームスの印象は弱くなってしまいます。BGMの曲数が多すぎるという印象を私は持ったのですが、ドラマのBGMとしてはあれが普通なのでしょうか? 今回印象に残ったのはバーバーのアダージョでした。あの選曲はお見事でしたね。
2006年12月3日:コンセルトヘボウ管東京公演 その2 「コンセルトヘボウ管のページ」に「12月3日 東京公演レビュー」を追加しました。文は私、伊東です。
2006年12月2日:ブリテン 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「シューベルト篇 ブリテン指揮イギリス室内管」を追加しました。文は青木さんです。青木さんの原稿の後に私の注釈を付け加えておきました。ご了承下さい。
2006年12月1日:マルケヴィッチ 「大作曲家の交響曲第8番を聴く」に「ベートーヴェン篇 イーゴル・マルケヴィチ指揮ラムルー管弦楽団」を追加しました。文は青木さんです。青木さん、原稿ありがとうございました。
(An die MusikクラシックCD試聴記)