ボックスセットを聴き始める

先週大量にCDを売ったのですが、DGから発売された「111 YEARS OF DEUTSCHE GRAMMOPHON」は手許に残してありました。廉価で買った珍しくもないボックスセットを売ったところでろくな値がつかないと判断したためです。

今週は今まで放って置いたこのセットを少しずつ聴き始めました。まずはメンデルスゾーンです。これは55枚中の32枚目。私はこのCDを単体では持っていなかったのです。

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メンデルスゾーン
交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」
交響曲第5番ニ長調 作品107「宗教改革」
ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1960年4月(第4番)、1961年1月(第5番)、ベルリン、イエスキリスト教会
DG(輸入盤「111 YEARS OF DEUTSCHE GRAMMOPHON」の1枚。)

このメンデルスゾーンはいずれも私が生まれる前の録音でした。DGも何度も発売を重ねてきて元は取ったのでしょう。だからボックスセットに入れて安く販売できるのですが、さすがに自社の111周年記念盤だけあって選ばれた演奏だという気はします。この両曲も今聴いても聴き応えがあります。1960年当時のベルリンフィルの質実剛健な音、それを颯爽と指揮するマゼール。常に自分流を貫くマゼールが「イタリア」のカップリングに「スコットランド」ではなく「宗教改革」を選んだところも興味深いです。

聴かせ上手のマゼールの手にかかると「宗教改革」が名曲だと思えますね。この曲は第1楽章に「ドレスデン・アーメン」が、第4楽章にルター作のコラールが使われているように宗教曲的側面を持ちます。そう思って聴くといかにも辛気くさく感じるのですが、マゼールはオーケストラを鳴らし切って痛快な曲に仕立てています。私は今週何回もこの演奏を聴いて堪能しました。

ずっと放置していたボックスセットが活躍するとは。まだボックスセット生活に慣れないのですが、もしかすると今までとは違った楽しみを発見するかもしれません。皆様はボックスセットとどうつきあっていますか。

ボックスセットを聴き始める」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。いつも楽しく拝見してます。
    クラシックはもう30年近く聞いてきましたが、どうしても放っておくとお気に入りの曲ばかり聴いてしまいます。伊東さんの記事を拝読すると違った曲への興味が掻き立てられます。
    さてボックスセットですが、先日香港転勤を命じられた際に大量のCDを置いて行かざるを得ませんでしたが、このグラモフォンのBoxだけは持参してます。ある意味エッセンスの凝縮ですので、ありがたいです。
    今もこのマゼールの宗教改革を聴いてますが、表現意欲に溢れていて素晴らしいですね。

  2. 新形式の「What’s new?」への投稿ありがとうございます。
    今後のCDの保管スペースを考えると通常盤を以前のようにどんどん購入することが難しくなってくるのですが、そういいつつも通常盤に目が行ってしまうのはどうしようもなく悲しい習性と言うほかありません。
    パッケージとしての魅力がなくなったのはどうしようもありませんが、薄っぺらい紙ジャケCDが大量に収納されたボックスセットというのはCDの行き着く先だったのかもしれませんね。

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