葛飾区図書館シリーズ第3弾です。まさかシリーズになるとは自分でも思っていませんでしたね。今回のCDはショルティが指揮したマーラーの交響曲第8番、通称『千人の交響曲』であります。
マーラー
交響曲第8番『千人の交響曲』
ショルティ指揮シカゴ交響楽団、他多数
録音:1971年8-9月、ウィーン、ゾフィエンザール
DECCA(国内盤 POCL-6001)
この曲を生で聴くと、第1部における途方もない音量に驚きます。とんでもない音が前からどっと押し寄せてくるのです。それはベートーヴェンの『第九』の比ではありません。もう圧倒的だし、圧倒されるのが正しい聴き方だと思います。
CDで聴く時にはどうするか。できれば盛大に音量を上げて聴きたいところです。しかし、マンション暮らしになるとそれは容易にはできません。下手をすると退去を命じられるかもしれませんから。
転居後の私のアンプはフルに性能を発揮しているとは言えません。私の使っているGoldmundのプリアンプでは音量が数字で表記されます。一軒家のオーディオルームで使っていた際にはその数値は42から50くらいまでにしていました。オーディオルームは3階にあり、近所の家とはどことも接していませんでした。それでも窓は二重にしてなるべく音が外に漏れないようにしていました。しかるに、今度の部屋はマンションの最上階にあるので、上の部屋を気にせずとも、隣と下の部屋には気を配らねばなりません。すると、42から50などという音量でCDを聴くということは不可能になります。実際にはボリューム位置は22から30というところです。
その音量でショルティの『千人』を聴けるのか。それがしっかり聴けるのであります。貧相な感じは全くしません。小さい音でも痩せた音にはならず、演奏の細部まで明瞭に聞こえます。これにはちょっと驚きました。静かな環境に恵まれたということもあるのでしょうが、やはりDECCAの音作りがすごいのです。DECCA録音は、安物の粗末な再生機器でも満足しうる音質で聞けることは若い頃から知ってはいましたが、小音量でもよく聴かせてくれます。こういうのを本当の名録音というのでしょう。一部のレーベルの、大きな部屋で大音量再生することを前提とするCDは、いくらオーディオマニアの評判が良くても名録音だとは言えないと思っています。
私は改めてDECCAの録音スタッフを確認してみました。プロデューサーにデヴィッド・ハーヴェイ、録音エンジニアにケネス・ウィルキンソンとゴードン・パリーの名前が掲載されています。きっと彼らは、極東の島国でウサギ小屋に住むクラシックファンは大音量再生などできないことを知っていたのでしょう。さすがというほかありません。
ということで、マンションの一室ででもクラッシック音楽を鑑賞できることがよく分かりました。『千人の交響曲』が聴けるのですから、安心であります。
(2015年6月24日)
このところ、ユングさんのホームページからダウンロードしたショルティの「ラインの黄金」を毎日のように聴いているのですが、その音響の素晴らしさに驚愕しています。
そこで、カルショーがプロデュースしたものを調べようと思い、以前、伊東さんのホームページにカルショーのコーナーがあったことを思い出し、それをもとにカルショーがプロデュースした演奏をいくつかダウンロードしました。
どの録音にも、当時のデッカでしか実現できない音を聴くことができました。50年以上も前にこれだけの録音がなされていたことに驚きを隠せません。作り物めいた感じがしない訳ではありませんが、その音響の立体感と厚みには惹かれるものがあります。
ショルティは日本ではあまり評価が高いとは言えませんが、良い指揮者ですよね。
ダウンロードした音源でかなり楽しめるのですね。
私のPCにつないであるスピーカーはSONYの粗悪品なので音は全く期待できないです。PCをオーディオ用のアンプ・スピーカーに繋げられれば良いのでしょうね。・・・と、理屈は分かるのですが、その繋ぎ方の想像ができません。端子のことなどを考えるだけで頭の中が飽和してしまいます。でも、これが時代の流れなんですよねえ。唸るばかりであります。