ホー HOOT

『ホー HOOT』

2002年作品
カール・ハイアセン著
千葉茂樹訳
理論社

hoot

カール・ハイアセンのヤングアダルト第1弾はこの『ホー HOOT』でした。『フラッシュ FLUSH』同様、こちらもポップな外観の本です。

「ホー」というのは希少種アナホリフクロウの鳴き声です。アナホリフクロウの生息地にファミレスが作られることが決まると、謎の少年がそれを妨害し始めます。その手口が振るっています。工事現場の杭を全部抜いてその穴をご丁寧に埋めておくとか、トイレに本物のワニを入れておくとか、毒蛇を放つとか。果てはブルドーザーの椅子を強奪してしまいます。いくら何でも、そんなことをして捕まらないのでしょうか? 彼は主人公ではありません。主人公はその妨害工作少年に共感し、ファミレス建設を別な方法で合法的に中止させることを思いつきます。

実に分かりやすい内容です。ヤングアダルト作品なので、本来は中学生以上を対象にしていると思われますが、これは小学5年生以上なら楽しく読めるでしょう。また、『フラッシュ FLUSH』同様、中学生くらいで、今まで読書をしてこなかった生徒の読書の入口としても最適です。

(2015年2月25日)