冒険者たち

『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』

1972年作品
斎藤惇夫著
岩波書店 岩波少年文庫

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この作品は日本の誇る本格的なファンタジーです。斎藤惇夫は1970年に『グリックの冒険』を発表、その中では脇役に過ぎなかったドブネズミのガンバを主人公にして『冒険者たち』を書き上げました。

ある日、ガンバは幼なじみと一緒に海を見る旅に出ます。その途中、仲間たちが夢見が島でイタチのノロイのために絶滅の危機にさらされていることを知ります。彼はその島に行き、仲間とともに強大な力を持つノロイたちと戦うと決意します。ドブネズミの力はイタチの比ではありません。だからノロイと戦うのは無謀かもしれません。しかし、ガンバは戦います。果たしてガンバはノロイたちに勝てるのでしょうか。

読むには小学4年生の後半くらいからがお薦めです。400ページ近い大作でありながら、ガンバたちの行動は子どもたちにも勇気を与えるでしょう。また、リーダーとはいかにあるべきかも教えてくれます。わくわくする物語とそれを支える美しい日本語の文章。少しでも読書力がある生徒であれば一気に読み切ります。厚い本のため、何も言わずに渡すと子どもは尻込みしがちです。ぜひ大まかなストーリーを教えてあげてください。そしてこの名作を楽しんでもらってください。

(2015年3月17日)