『ヒーローなんてぶっとばせ』
1996年作品
ジェリー・スピネッリ著
菊島伊久栄訳
偕成社
物心つく前から腕力・体力自慢だった少年クーガンは俊足でもあり、中学校ではフットボールで脚光を浴びます。そのため、自分のことを相当すばらしい男だと自惚れています。しかし、彼は人気があるどころか反感を買っています。それが自分では分かっていません。一方、彼の近くには菜食主義者で、非戦闘的で、しかもチア・リーダーを志望するウェッブがいます。マッチョなクーガーは軟弱なウェッブが気に入りません。あの手この手を使って虐めます。しかし、そのクーガーにも変化が訪れ・・・・というストーリーです。単細胞なクーガーがウェッブを認め、やがて友人となるまでの描写は爽やかな感動を与えます。そうした点はアメリカ的ですね。日本の作品ではなかなかこうはいきません。
ページ数は265と手頃ですし、ストーリーが分かりやすいので小学5年生から読めます。男子でも女子でもOK。もさほど時間をかけずに楽しんで読めるはずです。
(2015年2月17日)