川端裕人の『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』(ちくま文庫)を読む。
1997年の作品だが、2010年に文庫化される際に30ページにわたる「文庫版のための少し長いあとがき」が収録された。このあとがきはイルカ漁を巡って日本が国内外から大きな批判を受けた後にまとめられており、非常に優れた資料となっている。川端裕人は小説家でもあるが、こうした分野に対して取材・情報収集を行い、記述するのに優れた力量を発揮する。
なお、私はこの本を読んで思うところは多かったのだが、あえて口をつぐみたい。そういう態度が問題なのかもしれないが。
(2015年8月10日)